ボイラー整備士試験のポイント

 ボイラー整備士(ボイラーせいびし)とは、労働安全衛生法に定められた国家資格(免許)の一つです。 このページはりすさんが作成した試験問題アプリ、りすさんシリーズの紹介と試験に出題された項目をまとめたページです。

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ボイラー整備士の本

整備の作業に関する知識

機械的清浄作業の準備

 ボイラーは、長時間かけて徐々に冷却し、少なくとも40℃以下にする。

 ボイラーの冷却を速める必要があるときは、循環吹出しの方法により冷水を送りながら吹出しを行う。

 ボイラーの残圧がなくなったことを確認した後、空気抜き弁その他の気室部の弁を開いてボイラー内に空気を送り込む。

 ボイラー内に空気を送り込んだ後、吹出しコックや吹出し弁を開いてボイラー水を排出する。

 ダンパを半開し、自然通風にする

機械的清浄作業終了後の確認

 ボイラーの内面及び外面の除去対象物が完全に除去されたか調べる。

 腐食の発生や潜在傷がないか調べる。

 れんが積みや保温材に水ぬれや湿気がないか調べる。

 布切れなどの異物による管及び穴のふさがりや落ち込みがないか調べる。

機械的清浄作業及び化学洗浄作業における危害防止の措置

 昇降に使用する仮設はしごは、その上部を堅く縛って固定したり、下端に滑り止めを設ける。

 ボイラーの内部や煙道内に入る場合は、入る前に十分に換気を行うほか、必要に応じて作業中も換気を行う。

 他のボイラーの吹出し管や安全弁からの突然の吹出しによる危険がないか確認する。

 灰出し作業では、高所の熱灰をあらかじめ落としておくとともに、余熱が少なくなってから熱灰に適宜注水を行う。

 酸洗浄時は水素ガス発生し、放出管などが必要です

機械的清浄作業終了後の組立て復旧作業及び仮設設備の撤収作業

 弁座やフランジのすり合わせ面に傷をつけないようにする。

 機器の取付け位置や取付け順序を誤らないように機器の標示や合マークに注意する。

 配管の接続部分に食い違いが生じた場合は、その原因を確かめ、配管に無理が生じないように接続する。

 足場の取り外しは高所から順に行い、足場材の移動は他の機器、装置などを損傷しないように注意して行う。

 多数のボルトで固定するものは、軽く一通り締めた後、締付けが均一になるように対称の位置にあるボルトを順次強く締めていく。

ドラムの内側並びに煙管及び水管の水側の清浄作業

 チューブクリーナを使用し水管を清浄する場合は、予備調査を行い、へッドが水管のくびれた部分に届く直前の位置をチューブに標示しておく。

 水管以外の部分の清浄作業は、主に手工具を用いて手作業で行うが、必要に応じて、電動クリーナなどの機械工具を使用する。

 清浄作業終了後は、水洗し、除去したスケール、異物などを容器に集めて外に搬出するとともに、残留物がないことを確認する。

 ドラムについては、圧力計、水面計及び自動制御系検出用の穴を入念に清掃するほか、吹出し菅、給水菅、安全弁及び主蒸気弁用の菅台その他附属品取付け部の内面を清掃する。

酸洗浄

 30分〜1時間ごとに洗浄液の温度を測定し、液温を一定に保持する。

 30分〜1時間ごとに洗浄液を採取し、酸濃度と洗浄液中に溶出したFe2+、Fe3+の濃度を測定し管理する。

 洗浄は、洗浄液の酸濃度の低下傾向及び洗浄液中のFe2+やFe3+の濃度の上昇傾向がほぼなくなったら終了する。

 洗浄後の水洗は、一般に60℃以上の温水を使用し、水洗水のpHが5以上になるまで行う。

 スケール組成によっては、洗浄液中に溶出してくる酸化性イオンの量に比例して鋼材が腐食する。

 洗浄液の濃度に著しい差が生じると、濃淡電池を形成して、鋼材が腐食するおそれがある。

 残留応力が存在する部分には、電気化学的腐食が発生するおそれがある。

 酸による腐食を防止するため、インヒビタを洗浄剤に添加する。

 スケール中に銅が含まれる場合には、酸で溶出した銅イオンが清浄になった鋼材表面に再び金属銅として析出し鋼材の腐食を促進することがある。

 異種金属が接触する部分に発生する電気化学的腐食を防止するため、洗浄時間の短縮や洗浄液の循環系統バイパスの設置などの措置を講じる。

 洗浄液の流速が速くなると腐食が起こることがあるので、水管内の流速は3m/s以下とする。

化学洗浄作業における予備調査

 管系統図及び実地調査により配管系統を確認し、薬液の注入用、排出用及び循環用の配管並びに薬液用ポンプの仮設位置を決定する。

 止め弁などの洗浄液が触れる部分の材質や表面処理の有無を調べる。

 試料としてのスケールは、熱負荷が最も高い部分及びボイラー水の流れの悪い部分などから採取する。

 化学洗浄廃液の中和や廃液中のCOD成分の処理などの排水処理方法を検討する。

化学洗浄における中和防錆処理

 中和防錆処理は、酸洗い後、金属表面が活性化されて発錆しやすい状態になるので、再び使用するまでの間の発錆や腐食を防止するために行う。

 薬液循環による中和防錆処理を行うときは、薬液温度を80〜100℃に加熱昇温し、約2時間循環させる。

 薬液循環による中和防錆処理を行うときは、薬液のpHを9〜10に保持する。

 中和防錯処理後は、必要に応じて水洗を行うが、水洗を省略する方が良い場合が多い。

 中和防錆処理では、中和剤として炭酸ナトリウム、アンモニアなどを用い、防錆剤としてりん酸ナトリウム、ヒドラジンなどを用いる。

中小容量のボイラーの化学洗浄の通常の工程手順

 予熱一潤化処理一薬品洗浄一防錆処理

化学洗浄作業においてスケール及び腐食の状況を推測するための調査事項

 清缶剤の種類、使用量及び注入方法

 吹出し量及び吹出しの方法

 給水量及び復水の回収率

 燃料の種類及び使用量

蒸気加熱器の加熱方式及び加熱温度

酸洗浄における腐食防止対策

 配管系統の異種金属が接触する部分には電気化学的腐食が発生するおそれがあるので、洗浄時間の短縮や液の循環系統バイパスの設置などの対策を考慮する必要がある。

 酸液の濃度及び温度に著しい差が生じると、濃淡電池を形成し、腐食の原因となることから、これらが常に均一に保たれるよう酸液の注入方法、循環方法及び流速などに注意する。

化学洗浄の準備作業

 仮説の配管の途中に設ける止め弁は、操作しやすい位置にハンドルを取り付け、流れの方向を標示しておく

 洗浄液の注入、循環及び排出などに使用する仮説の配管で高温の液を通すものには、伸縮継手を設けるか、又はフレキシブルパイプを用いる。

 洗浄液の計測点に、圧力計、温度計などの計器を取り付ける。

 テストピースは、必要に応じ、胴、管寄せなどにつるし、かつ、動かないように固定して取り付ける。

化学洗浄作業における付着物の分析調査

 内部の状況が観察できるボイラーについては、ドラムなど開放可能な部分から付着物を試料として採取するとともに、スケールの全般的な付着状況を観察する。

 試料は、熱負荷が最も高い部分及びボイラー水の停滞しやすい部分や流れの悪い部分から採取する。

 採取した試料の付着量及び全般の観察状況から全付着量を推定する。

 採取した付着物を化学分析して、スケールの成分及び性質を把握する。

燃焼室内部並びに煙菅及び水菅の高温ガス側の洗浄作業において除去する対象物

 クリンカ、灰、未燃油

水管の高温ガス側の清浄作業

 スチームソーキングを行う場合は、余熱があるうちに残留応力を吹かせて異種金厲を付着物に十分に浸みこませてから、付着物を、長い棒の先端に取り付けた電気化字的腐食により除去したり、圧縮空気を吹きつけて除去する。

エコノマイザの点検及び整備の要領

 エコノマイザ管が貫通する部分及びバッフルに損傷や割れがないか点検する。

 エコノマイザ用逃がし弁は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力に調整する。

 エコノマイザ管の外面及びフィンに損傷やすすなどの付着がないか点検する。

 煙道入口やマンホールを開放し、管寄せ接続配管を取り外してから点検する。

 エコノマイザ管及び管寄せの内部並びにケーシングの腐食、付着物やさびの発生の有無を調べる。

 エコノマイザ管の外面及びフィンの損傷やすすなどの付着の有無を調べる。

全量式安全弁の点検及び整備の要領

 ボイラーから取り外した安全弁を分解するときは、各調整部の位置を計測し記録したり、合マークを行う。

 分解した部品は、詳細に点検し、付着しているごみやさびは洗浄液で湿らせた布で拭き取る。

 分解した弁体及び弁座は、漏れの有無にかかわらず、すり合わせを行う。

 弁体及び弁座のすり合わせは、定盤及びコンパウンドを使用して行い、弁体と弁座の共ずりはしない。

 すり合わせの終わった弁体及び弁座は、洗浄液を湿らした布で入念に拭き取る。

 弁座のすり合わせは、定盤を均一に押さえつけながら、ゆるやかに回転するようにする。

 全量式安全弁の弁体のすり合わせは、弁体を水平に置いて行なう。

燃料遮断弁に使用される電磁弁の点検及び整備の要領

 電磁弁のコイルに通電したときの作動音によって、異常がないか点検する。

 交流駆動コイルの電磁弁は、動作時のうなりが大きくないか点検する。

 分解できるプランジャや弁ディスクは、分解して摩耗粉などを清掃する。

 電磁弁を配管に取り付けたときは、燃料の流れる方向と弁に表示された方向が一致していることを確認する。

 ガス弁は、出口側のガスを水中に放出して弁越し漏れの有無を調べる。

 ガス弁は、石鹸水などを用いて外部漏れがないか点検する。

光学的方法によって火炎を検出する火炎検出器の点検及び整備の要領

 保護ガラスは、くもり・汚れやき裂がないか目視により点検し、くもり・汚れは柔らかい布で拭き取る。

 レンズは、汚れがないか目視により点検し、シリコンクロス又はセーム皮で磨く。

 受光面は、変色や異状がないか目視により点検する。

 火炎検出器の取付け状態や端子の状態などを目視により点検する。圧力検出器及び温度検出器との連係動作を行い、火炎検出器の作動状況を点検する。

性能検査における水圧試験の準備及び水圧試験後の措置

 水圧試験の準備では、ねじ込み形の安全弁及び逃がし弁は、ねじ込み部から取り外してプラグでふさぐ。

 水圧試験の準備では、ばね安全弁は、水圧試験を超えた圧力にばねを締め付けてふさいではならない。

 水圧試験の準備では、水圧試験用圧力計は、ボイラー本体に直接取り付ける。

 水圧試験の準備では、水を張る前に、空気抜き用止め弁を開き、他の止め弁を完全に閉止する。

 ふた、フランジなどのガスケット当たり面の状態を目視により確かめる。

 機器の取付け位置や取付け順序を誤らないように機器の標示や合マークに注意する。

 多数のボルトで固定するものは、軽く一通り締めた後、締付けが均一になるように対称の位置にあるボルトを順次強く締めていく。

 水圧試験の準備では、フランジ形の安全弁又は逃がし弁は、取付け部のフランジに遮断板を当ててふさぐ。

 水圧試験後、異状が認められない場合は、圧力をできるだけ徐々に降下させる。

ガラス水面計のコックの分解作業の手順

①ハンドルを外す

②タイトニングナット及びカバーナットを外す

③ハンドル側に閉子を叩き出す

④スリープパッキンを取り出す

重油燃焼装置の油圧噴霧式オイルバーナ及び油タンクの点検及び整備の要領

 燃焼停止時に、バーナガンを取り外し、ノズル先端が熱いうちに洗い油につける。

 バーナのノズル先端に付着した未燃油やカーボンは、やわらかい布でふき取る。

 バーナのノズルの分解・点検は、その構造を熟知した上で、専用の工具を用いて行う。

 油タンクを清掃するときは、残油を全部抜き取り、油タンクの底部にたまっているスラッジを界面活性剤で溶かしてポンプでくみ取る。

ボイラーの冷却

 ボイラーは、長時間をかけて徐々に冷却し、れんが積みのあるボイラーでは、少なくとも1昼夜以上冷却する。

 やむをえずボイラーの冷却を速める必要があるときは、循環吹出しの方法により冷水を送りながら吹出しを行う。

 ボイラーの残圧がなくなったことを確認した後、空気抜き弁、その他の気室部の弁を開いてボイラー内に空気を送り込む。

 ボイラー内に空気を送り込んだ後、吹出しコックや吹出し弁を開いてボイラー水を排出する。

 ボイラーは、燃焼が停止していること及び燃料が燃えきっていることを確認した後、ダンパを半開し、たき口や空気入口を開いて自然通風を行う。

水位検出器の点検・整備の要領

 フロート式水位検出器は、フロートチャンパを開放して内部を清掃するとともに、フロート及びロッドに腐食や変形がないか点検する。

 フロート式水位検出器のへッドガスケットは、新しいものに交換する。

 電極式水位検出器の電極棒は、取り外して汚れを落とし磨くとともに、腐食しているものは取り替える。

 電極式水位検出器の電極棒は、その絶縁状態を絶縁抵抗計により点検する。

重油燃焼装置における油圧噴霧式オイルバーナ及び油タンクの点検・整備の要領

 燃焼停止時に、バーナガンを取り外し、ノズル先端が熱いうちに洗い油につける。

 バーナのノズルの分解・点検は、その構造を熟知した上で、専用の工具を用いて行う。

 油タンクを清掃するときは、残油を全部抜き取り、油タンクの底部にたまっているスラッジを界面活性剤で溶かしてポンプでくみ取る。

 油タンクの内部に入るときは、換気を十分に行い送気マスクを使用する。

 バーナのノズル先端に付着した未燃油やカーボンは、やわらかい布でふき取る。

 バーナのノズルは、縁に傷があるときや縁が摩耗して丸みを帯びているときには交換する。

 油タンクの内部で使用する照明器具は、防爆構造のものを使用し、その電線はキャブタイヤケーブルとする

サイホン管を含めたオンオフ式蒸気圧力調節器の点検・整備の要領

 圧力調節器、コック及びサイホン管を取り外す。

 サイホン管の内部は、圧力のある水又は空気を通して掃除する。

 圧力調節器のベローズにき裂や漏れがないか点検する。

 圧力計と照合して作動圧力を確認し、必要に応じ調整を行う。

 圧力調節器の水銀スイッチは、ガラスにき裂がないか、シールの状態がよいか点検する。

電極式水位検出器の点検・整備の要領

 電気配線を外した後、電極棒を取り外し、汚れを落として磨く。

 絶縁がいしは、割れたり、劣化している時は取り替える。

 チャンバ及び元栓又はコックを取り外した後、チャンバ、連絡配管及び排水管の内部を清掃し、元弁又はコックを分解・整備する。

 検出器をボイラーに取付けた後、水位を上下させ、水面計と照合して作動に誤りのないことを確認する。

 各電極棒は、絶縁抵抗計により絶縁状態を点検する。

油圧噴霧式オイルバーナのアトマイザの点検・整備の要領

 アトマイザは、燃料油を微粒化して噴霧するもので、油圧が低くなるほど微粒化は悪くなる。

 ノズルの分解点検は、ノズルの構造を熟知した上で、専用の工具を用いて行う。

 ノズルの先端に付着した未燃油やカーボンは、柔らかい布で拭き取る。

 噴射ノズルの縁に傷があったり、摩耗して丸みを帯びているものは、直ちに交換する。

スケール及びスラッジ(かまどろ)の害

 炉筒や水管の伝熱面を過熱させる。

 熱の伝達を妨げ、ボイラーの効率を低下させる。

 スケール成分の性質によっては、炉筒や水管、煙管などを腐食させる。

 水管の内面に付着すると水の循環を悪くする。

ボイラーの内面腐食の原因となる事項
 酸洗浄処理
 ボイラー休止中の保存
 給水の水処理
 残留応力

 

器材、薬品等に関する知識

ボイラーの機械的清浄作業に使用する機械、器具及び工具

 チュープクリーナは、胴内や水管内部のスケールやさびの除去に使用する機械で、本体、フレキシブルシャフト及びへッドで構成されている。

 LGブラシは、チューブクリーナに取り付けて、胴内の硬質スケールを除去するときに使用する。

 細管用カッタは、チューブクリーナに取り付けて、細い直管や細いゆるやかな曲管の硬質スケールを除去するときに使用する。

 平形ブラシは、チューブクリーナに取り付けて、ドラム内面に付着した軟質スケールなどを除去するときに使用する。

 ハンマへッドは、チューブクリーナに取り付けて、胴内の硬質スケールを除去するときに使用する。

 ワイヤホイルは、チューブクリーナに取り付けて、外部清掃や胴内の軟泥などの清掃に使用する。 

 ワイヤブラシは、清掃用手工具で、胴内、煙管内部や機械器具による清浄作業ができない部分に使用する。

 穂ブラシは、チューブクリーナに取り付ける工具で、軟質スケールを除去するために使用する。

 スクレッパは、小形の清掃用手工具で、硬質スケールを除去するときは刃先の鋭いものを使用する。

ボイラーの整備の作業に使用する照明器具

 燃焼室や煙道の内部では、防爆構造で、ガードを取り付けた照明器具を使用する。

 燃焼室やドラムの内部では、移動電線として絶縁の完全なキャブタイヤケーブルを使用する。

 狭い場所で使用する照明器具の配線は、できるだけ他の配線との交差や錯縁が生じないようにする。

 作業場所の照明は、全般的に明暗の差が著しくなく、通常の状態でまぶしくないようにする。

 燃焼室やドラムの内部で使用する照明器具のコンセント接続部には、漏電遮断器を取り付ける。

 コードリールを長時間使用するときは、コードをコードリールに巻いたままとせず延ばして使用する。

 作業場所の照明は、全般的に明暗の差が著しくなく、通常の状態でまぶしくないようにする。

 狭い場所で使用する照明器具の配線は、できるだけ他の配線との交差や錯議が生じないようにする。

ボイラーの炉壁材

不定形耐火物

 任意の形状に施工することができ、また、継目なしの1枚壁を作ることができる。

 キャスタブル耐火物とプラスチック耐火物があり、いずれも耐火度及び強度が高く、成形れんがで施工しにくい箇所に用いられる。

プラスチック耐火物

 燃焼室内壁など高熱火炎にさらされる箇所に多く用いられる。

 ハンマやランマーでたたき込んで壁を作る。

 湿気を与え、乾燥しないようにして保存する。

キャスタブル耐火物

 水を加えて練り、型枠内に流し込み成形するか、ラスなどにこて塗りや吹き付けを行って壁を作る。

 湿気を吸わせないようにして保存する。

 高熱火炎にさらされない箇所に多く用いられる。

耐火断熱れんが

 断熱性は高いが強度が低く、耐火れんがとケーシングとの間の断熱材として用いられる。

 粘土質耐火れんがと高アルミナ質耐火れんががあり、高アルミナ質耐火れんがは、粘土質耐火れんがより耐火度及び高温での耐荷重性が高い。

普通れんが

 耐荷重性が高いが耐火度が低く、外だきボイラーの築炉の外装などに用いる。

セメントモルタル

 普通れんがの目地に用いられ、耐火モルタルは耐火れんが及び耐火断熱れんがの目地に用いられる。

保温材

 内部の気泡や気層の状態と量によって保温力が定まるが、一般に密度が小さいほど保温力が大きい。

 内部に気泡や気層を含み、その状態と量によって保温力が定まるが、一般に、密度が小さいほど保温力が大きい。

発泡プラスチック保温材

 使用温度は、フェノールフォームの方がポリスチレンフォームより高い。

 ポリスチレンフォームやフェノールフォームなどがあり、使用温度は、フェノールフォームの方がポリスチレンフォームより高い。

ガスケット及びパッキン

 パッキンはポンプのような運動部分の密封に用いられ、ガスケットはフランジのような静止部分の密封に用いられる。

 パッキンには、編組パッキン、モールドパッキン、メタルパッキンなどがある。

 パッキンには、動物、植物、鉱物などの繊維又は合成繊維を角形や丸形に編んだものや金属線を用いたものがある。

金属ガスケット

 高温高圧の蒸気やガスに用いられる。 パッキンには、編組パッキン、モールドパッキン、メタルパッキンなどがある。

 リング状の金属の単体で、高温高圧の蒸気やガスに用いられる。

メタルジャケット形ガスケット

 耐熱材料を金属で被覆したもので、高温の蒸気やガスに用いられる。

オイルシート

 紙、ゼラチン、グリセリンなどを加工したもので、100℃以下の油に用いられる。

ゴムガスケット

 ゴムのみ又はゴムの中心に木綿布が挿入されたもので、常温の水に用いられる。

ボイラーの化学洗浄用機器及び化学洗浄用薬品

 薬液循環用タンクは、洗浄中に循環する薬液を受け、はく離したスケール、固形分などを分離するために用いられるもので、洗浄を行うボイラーの水容量の1/10以上の容量が望ましい。

 薬液用タンク及び薬液循環用タンクには、蒸気式又は電気式の薬液加熱装置を設けることが望ましい。

 薬液用ポンプは、薬液の供給及び循環のために用いられるもので、洗浄を行うボイラーを30〜60分以内に満水にできる程度の容量を標準とする。

 薬液用ポンプは、酸液又はアルカリ溶液の供給及び循環に用いる。

 薬液用タンクは、洗浄に必要な薬液の調合又は貯蔵のために用いられるもので、洗浄を行うボイラーの水容量以上の容量が望ましい。

 薬液用タンク及び薬液循環用タンクには、蒸気式又は電気式の薬液加熱装置を設けることが望ましい。

 ボイラー胴上部の開口部に設けるガス放出管は、主に酸洗浄の際に発生する水素を、室外の安全な場所に放出する。

化学洗浄用薬品の特徴

アンモニア

 常温では刺激臭のある無色の気体で、水に溶けて弱アルカリ性のアンモニア水となり、銅スケールの溶解力が強い。

塩酸

 塩化水素の水溶液で、シリカ系以外のスケール成分に対して溶解力が強く、スケールとの反応により生成する各種塩類の溶解度が大きい。

硫酸

 洗浄剤として用いられるが、カルシウムを多く含むスケールの除去には適さない。

水酸化ナトリウム

 中和剤として用いられるほか、潤化処理にも用いられる。

 潮解性のある白色の固体で、水によく溶けて多量の熱を発生し、腐食性が強い強アルカリ性の水溶液となる。

くえん酸

 構造上洗浄液の完全排出が困難なボイラーの洗浄剤として用いられる。

 塩酸に比べて、スケールの溶解力は弱いが、残留しても腐食の危険性が小さい。

 結晶体で、通常80~100℃の高温で用いられる。

ぎ酸

 刺激臭のある無色の液体で、同族の他の有機酸より酸性が強く、また、還元作用がある。

 同族の他の有機酸より酸性が強く、また、還元性があり、主に大型ボイラーの洗浄剤として用いられる。

水酸化カルシウム

 消石灰ともいわれ、白色の粉末で、中和剤として用いられる。 水酸化ナトリウムは、水によく溶け、強アルカリ性で腐食性が強く、中和剤又は潤化剤として用いられる。

スルファミン酸

 取扱いが容易な粉体で、カルシウム塩の溶解度が高く、洗浄剤として用いられる。

 

関係法令

溶接によるボイラー(移動式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)の製造から使用までの手続きの順序

 溶接検査ー構造検査ー設置届ー落成検査

ボイラー(小型ボイラーを除く。)の検査及び検査証

 落成検査は、構造検査又は使用検査に合格した後でなければ受けることができない。

 落成検査に合格したボイラー又は所轄労働基準監督署長が落成検査の必要がないと認めたボイラーについては、ボイラー検査証が交付される。

 ボイラー検査証の有効期間は、原則として1年であるが、性能検査の結果により1年未満又は1年を超え2年以内の期間を定めて更新されることがある。

 性能検査を受ける者は、検査に立ち会わなければならない。

 使用を廃止したボイラーを再び設置しようとする者は、使用検査を受けなければならない。

 落成検査は、構造検査又は使用検査に合格した後でなければ受けることができない。

鋼製蒸気ボイラー(貫流ボイラー及び小型ボイラーを除く。)の水面測定装置

 水柱管とボイラーを結ぶ蒸気側連絡管を、水柱管及びボイラーに取り付ける口は、水面計で見ることができる最高水位より下であってはならない。

 最高使用圧力1.6MPaを超えるボイラーの水柱管は鋳鉄製としてはならない。

 ガラス水面計でない水面測定装置として験水コックを設ける場合には、3個以上取り付けなければならないが、胴の内径が750mm以下で、かつ、伝熱面積が10㎡未満のボイラーでは、2個とすることができる。

 ガラス水面計は、そのガラス管の最下部が安全低水面を指示する位置に取り付けなければならない。

鋳鉄製ボイラー(小型ボイラーを除く。)

 蒸気ボイラーには、スケールその他の沈殿物を排出できる吹出し管であって、吹出し弁又は吹出しコックを取り付けたものを備えなければならない。

 温水ボイラーには、ボイラーの本体又は温水の出口付近に水高計を取り付けなければならないが、水高計に代えて圧力計を取り付けることができる。

 給水が水道その他圧力を有する水源から供給される場合には、この水源からの管を返り管に取り付けなければならない。

 蒸気ボイラーに取り付ける圧力計の目盛盤の最大指度は、最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下の圧力を示す指度としなければならない。

ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品の管理

 燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護すること。

 安全弁が1個の場合、安全弁は最高使用圧力以下で作動するように調整すること。

 安全弁が2個以上ある場合において、1個の安全弁を最高使用圧力以下で作動するように調整したときは、他の安全弁を最高使用圧力の3%増以下で作動するように調整することができる。

 圧力計又は水高計の目もりには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に見やすい表示をすること。

 圧力計又は水高計は、その内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を講じなければならない。

 温水ボイラーの返り管は、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。

 温水ボイラーで圧力が0.3MPaを超えるものには、温水温度が120℃を超えないように温水温度自動制御装置を設けなければならない。

 温水ボイラーには、ボイラー出口付近における温水の温度を表示する温度計を取り付けなければならない。

 温水ボイラーには、ボイラー本体又は温水の出口付近に水高計を取り付けなければならないが、水高計に代えて圧力計を取り付けることができる。

 温水ボイラーの水高計の目盛盤の最大指度は、最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下の圧力を示す指度としなければならない。

 開放型膨張タンクに通ずる逃がし管であって、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができるものを備えた暖房用温水ボイラーは、逃がし弁を備えなくてもよい。

 蒸気ボイラーには、スケールその他の沈殿物を排出できる吹出し管であって、吹出し弁又は吹出しコックを取り付けたものを備えなければならない。

 蒸気ボイラーの常用水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示しなければならない。

 逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講じなければならない。

 蒸気ボイラーには、過熱器の出口付近における蒸気の温度を表示する温度計を取り付けなければならない。

 蒸気ボイラーには、スケールその他の沈殿物を排出できる吹出し管であって吹出し弁又は吹出しコックを取り付けたものを備えなければならない。

鋼製ボイラーの水面測定装置

 蒸気ボイラー(貫流ボイラーを除く)には、ガラス水面計が2個以上必要であるが、遠隔指示水面測定装置を2個取り付けた蒸気ボイラーでは、そのうち1個をガラス水面計ではない水面測定装置とすることができる。

 水柱管とボイラーを結ぶ蒸気側連絡管を、水柱管及びボイラーに取り付ける口は、水面計で見ることができる最高水位より下であってはならない。

 水面測定装置として験水コックを設ける場合には、胴の内径が750mm以下で、かつ、伝熱面積が10㎡未満の蒸気ボイラーでは、その数を2個とすることができる。

 験水コックは、その最下位のものを安全低水面の位置に取り付けなければならない。

ボイラー(小型ボイラーを除く。)の定期自主検査

 定期自主検査は、1か月をこえる期間使用しない場合を除き、1か月以内ごとに1回、定期に行わなければならない。

 定期自主検査は、大きく分けて、「ボイラー本体」、「燃焼装置」、「自動制御装置」、「附属装置及び附属品」の4項目について行わなければならない。

 「自動制御装置」の電気配線については、端子の異常の有無について点検しなければならない。

 定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、3年間保存しなければならない。

 1月を超える期間使用しないボイラーを再び使用するときは、定期自主検査に定める項目について自主検査を行わなければならない。

 「附属装置及び附属品」の検査項目では、給水装置、蒸気管及びこれに附属する弁、空気予熱器、水処理装置について点検しなければならない。

 ボイラーを1月を超える期間使用しない場合、その期間は定期自主検査を実施する必要はない。

鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く。)の安全弁

 貫流ボイラー以外の蒸気ボイラーのボイラー本体の安全弁は、弁軸を鉛直にしてボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付けなければならない。

 貫流ボイラーに備える安全弁については、当該ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量のものを過熱器の出口付近に取り付けることができる。

 蒸気ボイラーには、安全弁を2個以上備えなければならないが、伝熱面積が50㎡以下の蒸気ボイラーでは安全弁を1個とすることができる。

 水の温度が120℃を超える温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。

 過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の温度を設計温度以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。

 伝熱面積が50㎡以下の蒸気ボイラーは、安全弁を1個とすることができる。

ボイラー(移動式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)の落成検査の検査対象

 ボイラー室
 ボイラー及びその配管の配置状況
 ボイラーの据付基礎
 ボイラーの燃焼室及び煙道の構造

鋼製蒸気ボイラー(小型ボイラーを除く)の自動制御装置

 自動給水調整装置は、蒸気ボイラーごとに設けなければならない。

 燃焼安全装置は、作動用動力源が断たれている場合及び復帰した場合に自動的に遮断が解除されるものであってはならない。

 ボイラーの使用条件により運転を緊急停止することが適さないボイラーでは、低水位燃料遮断装置に代えて、低水位警報装置を設けることができる。

 燃料の性質又は燃焼装置の構造により、緊急遮断が不可能なボイラーでは、低水位燃料遮断装置に代えて、低水位警報装置を設けることができる。

 自動給水調整装置を有する蒸気ボイラー(貫流ボイラーを除く)には、原則として、低水位燃料遮断装置を設けなければならない。

 低水位燃料遮断装置とは、蒸気ボイラーの起動時に水位が安全低水面以下である場合及び運転時に水位が安全低水面以下になった場合に、自動的に燃料の供給を遮断する装置をいう。

 貫流ボイラーには、当該ボイラーごとに、起動時にボイラー水が不足している場合及び運転時にボイラー水が不足した場合に、自動的に燃料の供給を遮断する装置又はこれに代わる安全装置を設けなければならない。

鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く)の燃焼安全装置

 燃焼安全装置とは、異常消火又は燃焼用空気の異常な供給停止が起こったときに、自動的にこれを検出し、直ちに燃料の供給を遮断することができる装置をいう。

 燃焼安全装置は、燃焼に先立って火炎の誤検出があるときには、燃焼を開始させない機能を有するものでなければならない。

 燃焼安全装置は、作動用動力源が復帰したときに、自動的には燃料供給の遮断が解除されないものでなければならない。

 自動点火式ボイラーの燃焼安全装置は、点火しても火炎の検出ができないときには、燃料の供給を自動的に遮断するものであって、手動による操作をしない限り再起動できないものでなければならない。

ボイラー(小型ボイラーを除く)を設置するボイラー室の管理

 ボイラー室その他のボイラー設置場所には、関係者以外の者がみだりに立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に掲示しなければならない。

 ボイラーとれんが積みとの間にすき間が生じたときは、すみやかに補修しなければならない。

 ボイラー室には、必要がある場合のほか、引火しやすいものを持ち込ませてはならない。

 ボイラー室には、水面計のガラス管、ガスケットその他の必要な予備品及び修繕用工具類を備えておかなければならない。

 移動式ボイラーにあっては、ボイラー検査証又はその写しをボイラー取扱作業主任者に所持させること。

ボイラー及び圧力容器の定義

 ゲージ圧力が0.1MPa以下で、伝熱面積が8㎡の温水ボイラーが、小型ボイラーである。

 ゲージ圧力が0.1MPa以下で、伝熱面積が10㎡以下の貫流ボイラーが、小型ボイラーである。

 内容積が0.04㎥以上で、その内部にゲージ圧力が0.2MPa以上の気体を保有する容器が、第二種圧力容器である。

 ゲージ圧力が0.1MPa以下で、内容積が0.2㎥以下で使用する容器が、小型圧力容器である。

伝熱面積の算定方法

 水管ボイラーの伝熱面積には、ドラム、エコノマイザ、過熱器及び空気予熱器の面積は算入しない。

 水管ボイラーの耐火れんがでおおわれた水管の伝熱面積は、管の外側の壁面に対する投影面積で算定する。

 水管ボイラーの胴の面積は、伝熱面積に算入しない。

 貫流ボイラーは、燃焼室入口から過熱器入口までの水管の燃焼ガス等に触れる面の面積で伝熱面積を算定する。

 立てボイラーの横管の伝熱面積は、横管の外径側の面積で算定する。

 横煙管ボイラーの煙管の伝熱面積は、煙管の内径側で算定する。

 横煙管ボイラーの煙管の伝熱面積は、煙管の内径側の面積で算定する。

 鋳鉄製ボイラーの伝熱面積には、スタッドの部分も算入する。

 鋳鉄製ボイラーの燃焼ガスに触れるセクションのスタッドの部分は、伝熱面積に算入する。

 耐火れんがによっておおわれた水管の伝熱面積は、管の外側の壁面に対する投影面積で算定する。

 耐火れんがによっておおわれた水管の伝熱面積は、管の外側の壁面に対する投影面積で算定する。

ボイラー(小型ボイラーを除く)の設置場所

 伝熱面積が3㎡を超えるボイラー(移動式ボイラー及び屋外式ボイラーを除く)は、建物の中の障壁で区画された場所に設置しなければならない。

 本体を被覆していないボイラーの最上部から天井までの距離は、原則として1.2m以上としなければならない。

 胴の内径が500mm以下で、かつ、長さが1000mm以下の本体を被覆していないボイラーは、ボイラーの外壁から壁その他のボイラーの側部にある構造物(検査及びそうじに支障のない物を除く)までの距離を0.3m以上としなければならない。

 ボイラー設置場所に重油を貯蔵するときは、これをボイラーの外側から2m以上離しておかなければならない。

 ボイラーに附設された金属製の煙突又は煙道の外側から0.15m以内にある可燃性の物は、原則として金属以外の不燃性材料で被覆しなければならない。

ボイラー取扱作業主任者の職務

 排出されるばい煙の測定濃度及びボイラー取扱い中における異常の有無を記録すること。

 低水位燃焼しゃ断装置、火炎検出装置その他の自動制御装置を点検し、及び調整すること。

 最高使用圧力を超えて圧力を上昇させないこと。

 圧力、水位及び燃焼状態を監視すること。 

 1日に1回以上水面測定装置の機能を点検すること。

ボイラー(小型ボイラーを除く)の変更届又は変更検査

 ボイラーの燃焼装置を変更しようとする事業者は、ボイラー変更届にボイラー検査証及び変更の内容を示す書面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 ボイラーの過熱器に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。

 所轄労働基準監督署長は、変更検査に合格したボイラーについて、ボイラー検査証に検査期日、変更部分及び検査結果について裏書を行う。

 変更検査に合格してもボイラー検査証の有効期間は、更新されない。

 所轄労働基準監督署長が変更検査の必要がないと認めたボイラーについては、変更検査は行われない。

鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く)の給水装置

 蒸気ボイラーには、原則として最大蒸発量以上を給水することができる給水装置を備えなければならない。

 近接した2以上の蒸気ボイラーを結合して使用する場合には、当該結合して使用する蒸気ボイラーを1の蒸気ボイラーとみなして給水装置の規定を適用する。

 低水位燃料遮断装置を有しない蒸気ボイラーには、原則として随時単独に最大蒸発量以上を給水することができる給水装置を2個備えなければならない。

 給水装置の給水管には、蒸気ボイラーに近接した位置に、原則として給水弁及び逆止め弁を取り付けなければならない。

鋳鉄製ボイラーの附属品

蒸気ボイラーには、スケールその他の沈殿物を排出できる吹出し管であって吹出し弁又は吹出しコックを取り付けたものを備えなければならない。

温水ボイラーには、ボイラー本体又は温水出口付近に水高計又は圧力計を取り付けなければならない。

水道管から給水する場合の給水管は、返り管に取り付けなければならない。

開放型膨張タンクに通ずる逃がし管であって、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができるものを備えた暖房用温水ボイラーには、逃がし弁を備えなくてもよい。

温水ボイラーで圧力が0.3MPaを超えるものには、温水温度が120℃を超えないよう温水温度自動制御装置を設けなければならない。

給水が、水道その他圧力を有する水源から供給される場合には、この水源からの管を返り管に取り付けなければならない。

 

ボイラー及び第一種圧力容器に関する知識

炉筒煙管ボイラー

 主として最高使用圧力1MPa程度までの工場用又は暖房用として、広く用いられている。

 すべての組立てを製造工場で行い、完成状態で運搬できるパッケージ形式にしたものが多い。

 加圧燃焼方式を採用し、燃焼室熱負荷を高くして燃焼効率を高めたものがある。

 ボイラー効率が85〜90%に及ぶものがある。

 水管ボイラーに比べ、負荷変動による圧力変動が小さい。

鋳鉄製ボイラー

 燃焼室の底面は、ほとんどがウェットボトム方式の構造となっている。

 重力式蒸気暖房返り管の取付けには、ハートフオード式連結法がよく用いられる。

 側二重柱構造のセクションでは、燃焼室側がボイラー水の上昇管、外側が下降管の役割を果たす。

 蒸気ボイラーの場合、その使用圧力は0.1MPa以下に限られる。

水管ボイラー

 自然循環式水管ボイラーは、加熱によって水管内に発生する蒸気により、密度が減少することを利用して、ボイラー水に自然循環を行わせる。

 水管ボイラーは、高圧になるほどボイラー水の循環力が弱くなるので、ボイラー水の循環系路中に循環ポンプを設けて強制循環式とする。

 水管ボイラーの水冷壁は、燃焼室炉壁に水管を配置したもので、火炎の放射熱を吸収するとともに、炉壁を保護する。

 水管ボイラーは、伝熱面積当たりの保有水量が小さいので、起動から所要蒸気を発生するまでの時間が短い。

 2胴形の自然循環式水管ボイラーは、上部の気水ドラムと下部の水ドラムとの間に水管群が配置され、燃焼室には水冷壁が設けられている。

 強制循環式水管ボイラーは、ボイラー水の循環系路中に設けたポンプによって、強制的にボイラー水の循環を行わせる。

 水管ボイラーは、給水及びボイラー水の処理に注意を要し、特に高圧ボイラーでは厳密な水管理を行う必要がある。

貫流ボイラー

 貫流ボイラーは、管系だけから構成され、蒸気ドラム及び水ドラムを要しないので、高圧ボイラーに適している。

圧力容器のふた締付け装置

 クラッチドア式は、ふた板及び胴の周囲に設けた爪とクラッチリングの爪を、クラッチリングを回転させてかみ合わせ、ふた板を緊密に締め付ける。

 輪付きボルト締め式は、ふた板の周りに切欠き部を設け、胴側プラケットのボルト基部を支点として、ボルトを切欠き部にはめ込んで、締め付ける。

 ガスケットボルト締め式は、ふた板及び胴の周囲に設けたフランジ部のボルト穴にボルトを差し込んで締め付ける。

 放射棒式は、ふた板中央のハンドルを回転し、数本の放射棒を半径方向に伸ばして、その先端を胴側の受け金具に入り込ませ、ふた板を固定する。

 上下スライド式は、胴とふた板のフランジの上半周と下半周のそれぞれに設けた爪と溝を、上下にスライドさせてフランジ全周でかみ合わせ、ふた板を締め付ける。

 ロックリング式は、ふたの外側の周囲に取り付けたロックリングを油圧シリンダで拡張して本体側フランジの溝にはめ込み、リングストッパを差し込んで固定する。

炭素鋼

 炭素鋼は、強度が大きく、じん性に富んでいるが、さびやすい。

 炭素鋼には、鉄や炭素のほかに、脱酸剤としてケイ素やマンガンが、不純物としてリンや硫黄が含まれている。

 炭素鋼は、軟鋼、中鋼及び硬鋼に大別され、ボイラー用材料としては主に軟鋼が使用される。

 炭素鋼は、圧延鋼材や鋼管に加工されるほか、鍛鋼品や鋳鋼品に成形される。

 炭素鋼は、炭素量が多くなると、強度と硬度は増すが、展延性は低下する。

ボイラーの溶接工作

 突合せ両側溶接は、一層目の溶込み不良部分を除去することができるので、良い溶込みを得ることができる。

 自動溶接は、開先精度が低いとビード全体に欠陥を生じるおそれがある。

 溶接後熱処理は、炉内加熱又は局部加熱によって行い、溶接部の残留応力を緩和するとともに、溶接部の性質を向上させる。

 溶接部に生じる欠陥のうち、通常、表面に開口していない融合不良は、非破壊検査によって探知する。

 胴の曲げ加工では、板厚が38mm程度までの鋼板には曲げローラを使用するが、それより厚い鋼板には水圧プレスを使用する。

 水管ボイラーの水管の管曲げ加工は、厚肉の大径管の場合は、管曲げ後も断面が真円となるよう、内部に小石や砂を詰め、加熱して行う。

 波形炉筒は、厚板でない場合は、鋼板を曲げ加工と溶接によって円筒形としたものを特殊ロール機を用いて波形に成形する。

 管ステーは、管板に設けたねじ穴にねじ込むか又は溶接により管板に取り付け、火炎に触れる端部を縁曲げする。

 鏡板は、鋼板を切断後、加熱して成形する

 被覆アーク溶接は、被覆剤を塗った溶接棒と母材との間に発生したアーク熱を利用する溶接方法である。

ボイラーの安全弁、逃がし弁及び逃がし管

 安全弁の吹出し圧力は、調整ボルト(調整ねじ)により、ばねが弁体を弁座に押し付ける力を変えることによって調整する。

 安全弁の弁座流路面積は、弁体が開いたときの弁体と弁座間の面積で、カーテン面積ともいう。

 安全弁の弁体が開いたときの弁体の軸方向の移動量をリフトという。

 全量式安全弁は、のど部面積で吹出し容量が決められる。

 全量式安全弁は、同一呼び径の揚程式安全弁に比べて吹出し容量が大きい。

 安全弁は、蒸気圧力が設定圧力に達すると自動的に弁体が開いて蒸気を吹き出し、蒸気圧力の上昇を防ぐものである。

 逃がし弁の構造は、安全弁とほとんど変わらないが、水の圧力によって弁体を押し上げ水を逃がすものである。

 安全弁と逃がし弁は、その構造が基本的に同じであるが、一般に安全弁の出口側は開放形で、逃がし弁の出口側は密閉形である。

 逃がし管は、温水ボイラーの安全装置で、ボイラー水の膨張による圧力上昇を防ぐために設けられる。

ボイラーの吹出し装置

 吹出し弁には、スラッジなどによる故障を避けるため、仕切弁やY形弁が用いられる。

 小容量の低圧ボイラーには、吹出し弁の代わりに吹出しコックが用いられることが多い。

 連続運転するボイラーでは、ボイラー水の不純物濃度を一定に保つため連続吹出し装置が用いられる。

 連続吹出し装置の吹出し管は、胴や蒸気ドラムの水面近くに取り付ける。

 2個の吹出し弁を直列に設けるときは、ボイラーに近い方に急開形を、遠い方に漸開形を取り付ける。

ボイラーの圧力制御用機器、温度制御用機器及び水位制御用機器

 比例式蒸気圧力調節器は、コントロールモータとの組合せにより、比例動作によって蒸気圧力を調節する。

 比例式蒸気圧力調節器は、調整ねじによって、動作圧力と比例帯を設定する。

 オンオフ式蒸気圧力調節器は、調整ねじによって、動作圧力と動作すき間を設定する。

 オンオフ式蒸気圧力調節器は、蒸気圧力の変化によってべローズとばねが伸縮し、レバーが動いてマイクロスイッチなどを開閉する。

 オンオフ式蒸気圧力調節器は、コントロールモータとの組合せにより、オンオフ動作によって蒸気圧力を調節する。

 揮発性液体などを用いるオンオフ式温度調節器は、通常、調節器本体、感温体及びこれらを連結する導管で構成されるが、導管がないものもある。

 揮発性液体等を用いるオンオフ式温度調節器は、温度の変化によって揮発性液体等が膨張・収縮し、べローズ等が伸縮してマイクロスイッチを開閉する。

 電極式水位検出器は、検出筒内部の水の純度が高くなると水の導電性が低下し、検出器が正常に作動しなくなる。

 電極式水位検出器は、長さの異なった数個の電極を検出筒内に備え、水位の上下により電気回路を開閉する。

ボイラーの休止中の保存法

 休止期間中に凍結のおそれがある場合には、乾燥保存法が採用される。

 3か月を超える長期間休止する場合には、満水保存法が採用される。

 乾燥保存法では、ボイラー内を十分乾燥し、蒸気管などについて外部との連絡を遮断した上で、適量の乾燥剤を入れてから各部の穴を密閉する。

 満水保存法では、ボイラーの内面の腐食を防止するため、保存剤を適量溶け込ませた水でボイラー内部を満たす。

 窒素封入法では、ボイラー内部に窒素ガスを0.05〜0.06MPa程度に加圧封入して空気と置換し、保存中は、適宜期間を定めて封入窒素圧力の低下を調べる。

ボイラーの燃焼装置

 蒸気噴霧式オイルバーナは、比較的高圧の蒸気を霧化媒体として燃料油を微粒化するバーナで、霧化特性がよい。

 蒸気噴霧式オイルバーナは、比較的高圧の蒸気を霧化媒体として燃料油を微粒化するバーナ

ロータリカップ形の回転噴霧式オイルバーナは、回転する霧化筒に流し込んだ燃料油を筒の先端で放射状に飛散させ、筒の外周から噴出する空気流によって微粒化するバーナで、取扱いが簡単である。

 油圧噴霧式(圧力噴霧式)オイルバーナは、比較的高圧の空気を霧化媒体として燃料油を微粒化するパーナで、霧化特性がよい。

 ガンタイプオイルバーナは、圧力(油圧)噴霧式オイルバーナに送風機、油ポンプ、点火装置、安全装置などを組み込んで取扱いを容易にしたバーナで、小容量ボイラーに多く用いられる。

 微粉炭バーナは、微粉炭と一次空気との混合物を噴射するバーナで、噴射された混合物は、燃焼室の高温輻射熱によって着火され、その周囲に供給される二次空気によって燃焼する。

 センタータイプガスバーナは、バーナ管の先端がリング状で複数個のガス噴射口があり、油燃料との混焼用バーナとして用いられる。

 センタファイヤ形ガスバーナは、空気流の中心にあるバーナ管のノズルから放射状に燃料ガスを噴射するバーナで、都市ガスなどの比較的発熱量の高い燃料ガスに多く用いられる。

ボイラーにおけるスケール及びスラッジの害

 熱の伝達を妨げ、ボイラーの効率を低下させる。

 成分の性質によっては、炉筒、水管、煙管などを腐食させる。

 水管の内面に付着すると水の循環を悪くする。

 ボイラーに連結する管、コック、小穴などを詰まらせる。

ボイラーの燃焼安全装置

 起動スイッチを押すと、主安全制御器の出力リレーが作動して、バーナモータ、点火用燃料弁、点火用変圧器などに電気信号が送られバーナを起動する。

 起動スイッチを押して一定時間内に火炎が検出されないときには、主安全制御器の安全スイッチが作動し、出力リレーの作動を解き、燃料の供給をすべて停止させる。

 紫外線光電管を用いた火炎検出器は、バーナの火炎からの光が光電管に照射されると光電子が放出されて電流が流れることを利用して火炎を検出する。

 フレームロッドを用いた火炎検出器は、火炎中に電圧をかけた電極を挿入すると電流が流れることを利用して火炎を検出する。

 主安全制御器は、出力リレー、フレームリレー及び安全スイッチの三つの主要部分から成る。

ボイラーの水処理装置及び清缶剤

 軟化器は、水中の硬度成分をイオン交換樹脂により除去するものである。

 真空脱気器は、内圧を真空に保ち、水中の酸素などの溶存気体の溶解度を下げて脱気するものである。

 清缶剤の機能には、ボイラー本体へのスケールの付着の防止、ボイラー水のpHの調節などがある。

 清缶剤の投入には、ボイラー水を新しく張り込んだときに投入する基礎投入と、ボイラー水の補給水量に応じて投入する補給投入がある。

 軟化器は、残留硬度の許容限度である貫流点に達したら通水をやめ、通常、食塩水で樹脂再生を行う。

 軟化剤は、ボイラー水中の硬度成分を不溶性の化合物(スラッジ)に変えるための清缶剤である。

ボイラー用材料

 炭素鋼には、鉄と炭素の他に、脱酸剤としてのけい素やマンガン、不純物としてのりんや硫黄が含まれている。

 炭素鋼は、軟鋼、中鋼、硬鋼に大別され、ボイラー用材料としては主に軟鋼が使用される。

 鋳鉄は、強度が小さく、もろくて展延性に欠けるが、融点が低く流動性がよいので、鋳造によって複雑な形状の鋳物を製造できる。

 鋼管は、インゴットから高温加工又は常温加工により継ぎ目なく製造したり、帯鋼を巻いて電気抵抗溶接によって製造する。

 鋳鋼品は、通常、電気炉で融解し、脱酸した溶鋼を鋳型に注入して成形した後、焼きなましなどの熱処理を行う。

 鋼管は、ビレットなどから高温加工又は常温加工により継ぎ目なく製造したり、帯鋼を巻いて電気抵抗溶接によって製造する。

不定形耐火物

 不定形耐火物は、任意の形状に施工することができ、また、継目なしの1枚壁をつくることができる。

 キャスタブル耐火物は、適当な粒度としたシヤモット質などの耐火材料の骨材にバインダとしてアルミナセメントを配合した粉状のものである。

 プラスチック耐火物は、ハンマやランマーでたたき込んで壁をつくる。

 プラスチック耐火物は、湿気を与え、乾燥しないようにして保存する。

ボイラーの附属設備

 プレート形の伝導式(熱交換式)空気予熱器は、鋼板を一定間隔に並べて端部を溶接し、1枚おきに空気及び燃焼ガスの通路を形成したものである。

 プレート形の伝導式(熱交換式)空気予熱器は、燃焼ガスの熱が伝熱面を隔てて空気側に移動して燃焼用空気を加熱する。

 再生式空気予熱器は、金属板の伝熱体を円筒内に収めたもので、伝熱体を回転させ燃焼ガスと空気に交互に接触させて伝熱を行う。

 空気予熱器の設置による通風抵抗の増加は、エコノマイザの設置による通風抵抗の増加より大きい。

 硫黄を含む燃料の場合、空気予熱器の燃焼ガス側には、低温腐食が発生しやすい。

 エコノマイザは、排ガスの余熱を回収して給水の予熱に利用する装置である。

 大容量のボイラーには再生式空気予熱器が使用され、中小容量のボイラーには伝導式(熱交換式)空気予熱器が使用される。

ボイラーの指示器具類

 ブルドン管式圧力計は、水を入れたサイホン管などを胴又は蒸気ドラムと圧力計との間に取り付け、ブルドン管に蒸気が直接入らないようにする。

 ブルドン管式圧力計は、断面が扁平なブルドン管に圧力が加わりブルドン管の円弧が広がると、歯付扇形片が動き、小歯車を介して指針が圧力を示す。

 ブルドン管式圧力計のコックは、ハンドルが管軸と同一方向になった場合に開くように取り付ける。

 ガラス水面計は、可視範囲の最下部がボイラーの安全低水面と同じ高さになるように取り付ける。

 ガラス水面計は、ボイラー本体又は蒸気ドラムに直接取り付けるか、又は水柱管を設けこれに取り付ける。

 丸形ガラス水面計は、主として最高使用圧力1MPa以下の丸ボイラーなどに用いられる。

 平形透視式水面計は、裏側から電灯の光を通して水面を見分けるもので、一般に高圧ボイラーに用いられる。

 二色水面計は、水部は緑色に、蒸気部は赤色に見える。

 差圧式流量計は、流体の流れている管の中にべンチュリ管などの絞り機構を挿入したもので、流量がその入口と出口の差圧の平方根に比例することを利用している。

 容積式流量計は、だ円形のケーシングの中にだ円形歯車を2個組み合わせたもので、流量が歯車の回転数に比例することを利用している。

 U字管式通風計は、燃焼室の炉壁などに小さい穴を設け、ここに管を通し、水を入れたU字管につないだもので、U字管の水面の差によって通風力を測定する。

 コックはハンドルを管軸と同じ方向のとき、開くようにしておかなければなりません。

ボイラーの内面腐食(水側の腐食)の原因となる事項

洗浄液の濃度又は温度に著しい差が生じている。

満水保存法で保存剤の濃度が低すぎる。給水中に溶存酸素が含まれている。

溶接加工による残留応力が生じている。

燃料が原因の腐食は外面腐食になります。

乾燥保存法でボイラー内に外気が流入していること。給水中に溶存酸素が含まれていること。

ボイラーの給水装置

 渦流ポンプは、円周流ポンプとも呼ばれているもので、小容量の蒸気ボイラーなどに用いられる。

 給水弁にはアングル弁又は玉形弁が、給水逆止め弁にはスイング式又はリフト式の弁が用いられる。

 給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、給水弁をボイラーに近い側に、給水逆止め弁を給水ポンプに近い側に取り付ける。

 給水内管は、一般に長い鋼管に多数の穴を設けたもので、胴又は蒸気ドラム内の安全低水面よりやや下方に取り付ける。

 渦巻ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のない遠心ポンプで、円周流ポンプとも呼ばれ、一般に低圧のボイラーに使用される

 

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