公益社団法人日本アロマ環境協会(にほんアロマかんきょうきょうかい、Aroma Environment Association of Japan、AEAJ)が行うアロマテラピーの検定です。 このページはりすさんが作成した試験問題アプリ、りすさんシリーズの紹介と試験に出題された項目をまとめたページです。
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精油の基礎知識
アロマテラピーの意味
植物の香りを楽しみながら、豊かな生活に活用することをアロマテラピーといいます。アロマテラピーにおいて、植物の香りとして用いるのが精油(エッセンシャルオイル)です。
アロマテラピーの誕生
「アロマテラピー」という言葉は、フランス人化学者ルネ・モーリス・ガットフォセが造語したものです。ガットフォセはラベンダー精油を使用したことで、精油の治療効果に目覚め、その研究成果を「Aromatherapie」という著書にまとめました。
アロマテラピーの広がり
アロマテラピーは自然療法であると同時に、QOL(生活の質)を向上させること、病気を未然に防ぐ、予防医学としても有用です。
アロマテラピーの目的(日本アロマ環境協会より)
・リラクゼーションやリフレッシュに役立てる。
・美と健康を増進する。
・身体や精神の恒常性の維持と促進を図る。
・身体や精神の不調を改善し、正常な健康を取り戻す。
精油を安全に使うための注意
・皮膚に精油の原液をつけないようにする。
・精油を飲用しない。
・精油を眼に入れない。
・火気に注意。
・子供やペットの手の届かない位置に保管。
保管に関する注意
精油は遮光性のガラス容器で保存し、冷暗所で保管がベストです。保存期間の目安は1年以内とし、特に柑橘系は他と比べ成分の変化が起こりやすいため、使用時に注意が必要です。
精油の使用者に対する注意
・治療中の方、薬を処方されている方は必ずアロマテラピーを行ってよいか医師に相談。
・お年寄りや既往症のある方は、基準の半分以下で試してみる。
・妊娠中の方は、芳香浴法以外のアロマテラピーを行う場合は、注意が必要。
・3歳未満の幼児には、芳香浴法以外は行わないほうがよい。3歳以上の子どもでも、大人の使用量の10分の1程度から多くて2分の1程度にとどめましょう。
・皮膚の弱い方は、パッチテストで安全性を確認し、希釈濃度にも注意。
光毒性について
精油には光(日光などの紫外線)と反応し、皮膚に炎症を起こすものがあります。
・ベルガモット
・レモン
・グレープフルーツなど
皮膚刺激に関する注意
精油には炎症、紅斑、痒みをおこすものがあります。
・イランイラン
・ジャスミン
・ティートリー
・ブラックペッパー
・ペパーミント
・メリッサ
・ユーカリなど
アロマテラピーを利用するための注意
精油を使ったトリートメントや手作り化粧品、入浴剤の制作などを楽しむことは自己責任で行うことが原則です。人に渡す場合などは、性質や使用法を説明し、自己責任のもとしてもらいます。
トラブルが生じた場合
芳香浴の場合は、換気を行い、皮膚にかゆみ、炎症を起こした場合は大量の清潔な水で精油を洗い流します。
希釈濃度について
ボディトリートメントの場合は、1%以下
フェイストリートメントの場合は、0.1〜0.5%以下
顔などの敏感部分は、さらに低い濃度で使用すること
***精油の滴数の計算方法***
植物油50mlを使用して、希釈濃度が約1%の精油の量を求める方法は
※(1滴約0.05mlとして計算)
①植物油50mlに対しての1%は何mlかを算出
50ml×0.01=0.5ml
②①で算出した数字を0.05ml(1滴)で割る
0.5ml÷0.05ml=10滴
→1%濃度では、植物油50mlに対して必要な精油は10滴となる
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アロマテラピーの基材
基材とは、精油を希釈するときに使う材料のこと、「植物油」、「水溶性の基材」、「その他の基材」に分けられます。
植物油(キャリアオイル、ベースオイルとも言う)
精油は親油性で油となじみがよく、また植物油は皮膚への浸透性が高い。
スイートアーモンド:
種子からとる。においはほとんど無い。色は無色~薄黄色
主成分はオレイン酸とリノール酸
化粧品の材料としてよく使われる。
オリーブオイル:
果実からとれる。においは微香。色は淡黄色~淡緑黄色
主成分はオレイン酸とリノール酸
美容や医療の分野でよく使われる。
マカデミアナッツオイル:
種子からとれる。においはほとんど無い。色は淡黄色
主成分はオレイン酸とパルミトレイン酸(20%)
パルミトレイン酸は皮脂に含まれる成分なので、浸透性が非常に良い。
スキンケア用によく使われる。
ホホバオイル:
ツゲ科のホホバの種子からとれる。においは微香。色は無色~黄色
主成分はロウエステル
液体ワックスなので、冬場の寒さで固まることがあるが、常温で溶け酸化しにくい。
ボディトリートメントによく使われる。
植物性スクワラン:
オリーブオイルなどに由来する炭化水素を還元して得られる、飽和炭化水素(ロウでも油脂でもない)。
酸化しにくい。
肌になじみが良く浸透性にすぐれているので、手作り化粧品に使われる。
水溶性の基材
水:
精製水、蒸留水、飲料水など
芳香蒸留水(フローラルウォーター):
植物を水蒸気蒸留したとき、上部に浮いてくるのが精油で、その下部を芳香蒸留水という。
わずかに水溶性の精油の成分が含まれている。
ローズウォーター、ラベンダーウォーター、オレンジフラワーウォーター、カモミールウォーターなどが市販されている。
その他の基材
エタノール
無水エタノール(アルコール純度 99.5%)
消毒用エタノール(アルコール純度 70%)
ウォッカ(アルコール純度の高いもの)
ミツロウ
ミツバチが巣を作るときに分泌する動物ロウ(動物性ワックス)。抗菌、保湿作用がある。
ミツロウクリーム、アロマキャンドルなどの基材として利用する。
クレイ
鉱物が主成分の粘土。吸収、吸着、収れん、洗浄作用がある。
パックなどの基材として利用する。
グリセリン
脂肪や油脂から採れる。
天然塩
海塩や岩塩など天然塩にはミネラルが含まれている。
入浴剤などの基材として利用する。
重曹(=炭酸水素ナトリウム)
弱アルカリ性の性質をもつ。
皮膚の柔軟作用・洗浄作用がある。
クエン酸と組み合わせると、発泡バスソルトが作れる。
ハチミツ
保湿作用と肌の炎症を鎮める作用がある。
入浴剤やパック剤に用いる。
アロマテラピーに使われる用具
用具は、耐熱性のあるもの、精油による劣化を防ぐためガラス製や陶器製、ステンレス製のものを使用する。常に清潔にしておき、使い終わったものは中性洗剤で洗い、乾燥させて保管する。
香料の抽出方法
冷浸法(アンフルラージュ)は、ジャスミンやチューベローズなど、主に摘みとった後も香りを失わない花から香気成分を抽出するために使われた方法です。室温で抽出が可能であるため、熱に弱い成分も抽出することができます。
温浸法(マセレーション)は、熱を加えて抽出する方法で、熟成法とも呼ばれます。バラやオレンジの花(ネロリ)のように、摘みとった後に香りが失われる花に利用されました。
精油の製造法
水蒸気蒸留法
原料の植物を蒸留釜に入れ、直接蒸気を吹き込む、あるいは水ともに沸騰させ、芳香物質を気化させる方法です。蒸留される過程で、精油と分離した水にも芳香成分が微量に溶け込み、この水は芳香蒸留水(フローラルウォーター)として活用されます。
圧搾法
柑橘類の果皮から、精油を得る際に利用する方法です。かつては手で圧搾してスポンジに吸わせて回収しましたが、今は果皮を機械のローラーで圧搾し、遠心法で分離して精油を抽出します。これを低温圧搾(コールドプレス)といいます。
揮発性有機溶剤抽出法
溶剤釜に植物を入れ、石油エーテル、ヘキサンなど揮発性の有機溶剤に常温で芳香成分を溶かし出す方法です。
油脂吸着法
牛脂や豚脂(ラードと呼ぶ)などの油脂に芳香成分を吸着させて、精油を抽出する方法です。
芳香成分を吸着させた油脂を「ポマード」と呼び、このポマードから、アルコールを使って芳香成分を溶かし出します。最後にアルコールを揮発させて取り除き、残った芳香成分(アブソリュートという)を採取します。
超臨界流体抽出法
二酸化炭素などに高圧を加えて、気体と液体の中間である流体(超臨界)にし、流体となったガスの中に、原料となる植物を入れます。ガスに芳香成分が浸透、拡散して、ガスが芳香成分を取り込みます。それから流体の圧力を元に戻して気化させると、芳香成分だけが残ります。
この精油も「アブソリュート」と呼ばれています。
アロマテラピーのプロフィール
2級で扱う精油は10種類です。
1級では2級の11種プラス 19種で、合計30種あります。
香りのテストは、2級の9種 プラス 以下の8種で、合計17種です。
イランイラン(1級,香りテスト)
学名:Cananga odorata
科名:バンレイシ科
産地:コモロ、マダガスカル、レユニオン島(フランス領)
抽出部位:花
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:安息香酸メチル、ゲラニオール、酢酸ベンジル、リナロール
重要:「イランイラン」はフィリピンの言葉で「花の中の花」を意味する。
学名:Citrus sinensis
科名:ミカン科
産地:アメリカ、イタリア、コスタリカ、ブラジル
抽出部位:果皮
精油製造法:圧搾法
主な成分:オクタナール、シトラール、デカナール、リナロール、リモネン
重要:ヨーロッパでは、クローブを刺してスパイス類をまぶした「オレンジ・ポマンダー」を作る習慣があった。
学名:Matricaria chamomilla
科名:キク科
産地:イギリス、ドイツ、フランス、エジプト、ハンガリー
抽出部位:花
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:カマズレン、ビサボロール誘導体、ファルネセン
重要:精油は、カマズレン成分による濃い青色が特徴
学名:Anthemis nobilis
科名:キク科
産地:イギリス、イタリア、フランス、ハンガリー
抽出部位:花
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:アンゲリカ酸エステル類、チグリン酸エステル類
重要:古代ギリシャで「カマイメロン(大地のリンゴ)」と呼ばれたことが「カモミール」の由来
学名:Salvia sclarea
科名:シソ科
産地:ハンガリー、フランス、ブルガリア、ロシア
抽出部位:花と葉
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:酢酸リナリル、スクラレオール、リナロール
重要:「クラリ」という名前はラテン語の「clarus(明るい)」かたきたともいわれる。
学名:Citrus padadisi
科名:ミカン科
産地:アメリカ、アルゼンチン、イスラエル、ブラジル
抽出部位:果皮
精油製造法:圧搾法
主な成分:オクタナール、ゲラニオール、シトラール、ヌートカトン、リモネン
重要:果実がブドウのように房状につくため、「グレープフルーツ」という名前がついたといわれる。
学名:Cupressus sempervirens
科名:ヒノキ科
産地:スペイン、フランス、モロッコ
抽出部位:枝葉と果実
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:δ−カジネン、δ−3−カレン、セドロール、α−ピネン
重要:「天高く昇る聖木」として、寺院や墓地などに植えられている
学名:Santalum album
科名:ビャクダン科
産地:サンダルウッド・インド:インド、サンダルウッド・オーストラリア:オーストラリア
抽出部位:心材
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:サンダルウッド・インド:サンタレン、α−サンタロール、β−サンタロール
サンダルウッド・オーストラリア:α−サンタロール、β−サンタロール、α−ビサボロール
重要:古くからお香として瞑想や宗教儀式、仏像や仏具に用いられてきた。宗教と深く結びついている。
学名:Jasminum grandiflorum
Jasminum officinale
科名:モクセイ科
産地:インド、エジプト、フランス
抽出部位:花
精油製造法:揮発性有機溶剤抽出法
主な成分:酢酸フィチル、酢酸ベンジル、cis−ジャスモン、ジャスミンラクトン、フィトール
重要:フローラルな香りで、香水などによく用いられる。イランイランと共通する成分を含む
学名:Juniperus communis
科名:ヒノキ科
産地:アルバニア、インド、フランス、ブルガリア
抽出部位:果実
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:カンフェン、サビネン、テルピネン−4−オール、α−ピネン
重要:果実は洋酒のジンを製造する時に、香りづけとして用いられた。
学名:Origanum majorana
科名:シソ科
産地:エジプト、スペイン、チュニジア、フランス
抽出部位:葉
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:サビネン、p−シメン、γーテルピネン、テルピネン−4−オール
重要:温かみのある香りは、ギリシャの愛の女神のアフロディテから与えられたと伝えられる。
学名:Pelargonium asperum
Pelagonium graveolens
科名:フロウソウ科
産地:フランス、モロッコ、仏領レユニオン島、エジプト
抽出部位:葉
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:ゲラニオール、シトロネロール、メントン、リナロール
重要:ローズと共通する成分を含む。ロースよりも力強い香りが特徴。
学名:Melareuca alternifolia
科名:フトモモ科
産地:オーストラリア
抽出部位:葉
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:1,8−シネオール、γ−テルピネン、テルピネン−4−オール
重要:オーストラリアの先住民族アボリジニに、伝統的な治療薬として利用されてきた。
学名:Citrus aurantium
科名:ミカン科
産地:イタリア、チュニジア、フランス、モロッコ
抽出部位:花
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:ゲラニオール、酢酸リナリル、ネロール、ネロリドール、リナロール、リモネン
重要:原料植物のビターオレンジは葉や果実からも精油が採れる。葉などから得た精油は「プチグレン」と呼ばれる。
学名:Pogostemon cablin
Pogostemon patchouli
科名:シソ科
産地:インド、インドネシア、スリランカ
抽出部位:葉
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:βーカリオフィレン、ノルパチュレノール、パチュリアルコール、パチュレン
重要:インドのカシミール地方では、パチュリの葉を布地に挟み、衣類の虫よけとして愛用した。
学名:Piper nigrum
科名:コショウ科
産地:インド、スリランカ、マダガスカル
抽出部位:果実
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:β−カリオフィレン、β−ファルネセン、α−ピネン、リモネン
重要:中世ヨーロッパでは金と同等の価値があり、これを求めた人々により大航海時代が幕開けしたといわれている。
フランキンセンス(オリバナム/乳香)(2級、1級,香りテスト)
学名:Boswellia carterii
Boswelllia thurifera
科名:カンラン科
産地:エチオピア、ケニア、ソマリア
抽出部位:樹脂
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:p−シメン、α−ピネン、ボルネオール、リモネン
重要:「新約聖書」のイエス・キリスト誕生物語で、イエスに黄金、ミルラ(マー/没薬)とともに捧げられたことで有名。
学名:Vetiveria zizanioides
科名:イネ科
産地:インドネシア、スリランカ、ハイチ、マダガスカル
抽出部位:根
精油製造法:水蒸気蒸留
主な成分:クシモール、ベチべロール、ベチボン
重要:ジャワ島などの熱帯地域では根を織物にして、扇や敷物に用いる。
学名:Mentha piperita
科名:シソ科
産地:アメリカ、インド、オーストラリア、フランス
抽出部位:葉
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:イソメントン、酢酸メンチル、1,8−シネオール、l−メントール、メントン
重要:学名の「piperita」は「コショウのような」という意味をもつ
学名:Citrus bergamia
科名:ミカン科
産地:イタリア
抽出部位:果皮
精油製造法:圧搾法
主な成分:酢酸リナリル、ベルガプテン、ベルガモテン、リナロール、リモネン
重要:古くから化粧品、食品の香料として使われ、紅茶のアールグレイの香りづけに使われることで有名。
学名:スマトラ安息香:Styrax benzoin
シャム安息香:Styrax tokinensis
科名:エゴノキ科
産地:
スマトラ安息香:インドネシア、タイ
シャム安息香:タイ、ラオス
抽出部位:樹脂
精油製造法:揮発性有機溶剤抽出法
主な成分:
スマトラ安息香:桂皮酸エステル類、バニリン
シャム安息香:安息香酸エステル類、バニリン
重要:バニラに共通する成分が含まれているため、バニラのような甘い香りがする
学名:Commiphora myrrha
Commiphora abyssinica
科名:カンラン科
産地:インド、エチオピア、ソマリア
抽出部位:樹脂
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:オイゲノール、クミンアルデヒド、α−ピネン、リモネン
重要:「新約聖書」のイエス・キリスト誕生物語で、イエスに黄金、フランキンセンス(オリバナム/乳香)とともに捧げられたことで有名。
学名:Melissa officinalis
科名:シソ科
産地:アメリカ、イギリス、イタリア、フランス
抽出部位:葉
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:β−カリオフィレン、ゲラニオール、シトラール、シトロネラール、リナロール
重要:「Melissa」という学名はギリシャ語の「ミツバチ」が由来。ミツバチに好まれる。
学名:Eucalyptus globulus
科名:フトモモ科
産地:オーストラリア、スペイン、中国、ポルトガル
抽出部位:葉
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:I,8−シネオール、α−ピネン、リモネン
重要:オーストラリア原産のものでは、globulusが最も代表的。
学名:Lavandula angustifolia
(Lavandula officinalis)
科名:シソ科
産地:オーストラリア、フランス、ブルガリア
抽出部位:葉と花
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:酢酸ラバンジュリル、酢酸リナリル、ラバンジュロール、リナロール
重要:「Lavandula」という学名は、ラテン語の「lavo(洗う)」「lividus(青みがかかった鉛色)」から。
レモン(2級,1級,香りテスト)
学名:Citrus limon
科名:ミカン科
産地:アメリカ、アルゼンチン、イタリア、スペイン
抽出部位:果皮
精油製造法:圧搾法
主な成分:オクタナール、シトラール、リナロール、リモネン
重要:壊血病対策として、ビタミンCの供給源に使われた。
学名:
西インド型:Cymbopogon citratus
東インド型:Cymbopogon flexuosus
科名:イネ科
産地:
西インド型:インド、マダガスカル
東インド型:インド、ネパール
抽出部位:葉
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:
西インド型:シトラール、ミルセン、メチルヘプテノン
東インド型:ゲラニオール、シトラール、ネロール、メチルヘプテノン
重要:エスニック料理の香りづけや、ハーブティーとしても使用されている。
学名:Rose centifolia
Rosa damascena
科名:バラ科
産地:トルコ、フランス、ブルガリア、モロッコ
抽出部位:花
精油製造法:揮発性有機溶剤抽出法
主な成分:ゲラニオール、シトロネロール、ネロール、フェニルエチルアルコール、ローズオキサイド
重要:ローズから揮発性有機溶剤抽出法で得られた精油を、「ローズアブソリュート」と呼ぶ。
ローズオットー(1級)
学名:Rose damascena
科名:バラ科
産地:イラン、トルコ、ブルガリア、モロッコ
抽出部位:花
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:ゲラニオール、シトロネロール、ダマスコン、ネロール、フェニルエチルアルコール、ローズオキサイド
重要:「オットー」はトルコ語で「水」という意味。
学名:Rosmarinus officinalis
科名:シソ科
産地:スペイン、チュニジア、フランス、モロッコ
抽出部位:花と葉
精油製造法:水蒸気蒸留法
主な成分:カンファー、酢酸ボルニル、1,8−シネオール、ベルベノン、ボルネオール
重要:学名の「Rosmarinus」はラテン語で「海のしずく」という意味。聖母マリアの伝説から、「マリアのバラ」とも呼ばれる。
アロマテラピーの利用法
芳香浴法
芳香浴法とは、精油の芳香成分を拡散させて、香りを楽しみながら心身のバランスを整える方法です。
注意事項:
・同じ香りを長期間炊くことは避けましょう。徐々に慣れてしまい、香りを感じにくくなります。
・適量を超さないよう気をつけましょう。
・部屋の換気も忘れずに。
芳香浴法のやりかた
・ティッシュペーパー、ハンカチ、素焼きのグッズなどに1~2滴。
精油によっては色がつくものがあるのでシミに気をつけよう。
・器に熱湯をはって、その中に1~2滴
・ルームスプレーを使って
・芳香拡散器を使って
沐浴法
沐浴法とは、浴槽や洗面器などに湯を張り、精油を入れて全身もしくは身体の一部を浸ける方法です。
精油の効果 + 温熱効果 + リラクゼーション効果 といった相乗効果が期待できます。
入浴の効果として、温熱の作用・水圧の作用・浮力と抵抗があります。
全身浴
精油の滴数は1~5滴ほど浴槽に入れて、肩までつかる方法。
半身浴法
精油の滴数は1~3滴ほど浴槽に入れて、みぞおちまでつかる方法。
部分浴法
部分浴法とは、洗面器やバケツなどに湯を張り、精油を1〜3滴ほど入れて身体の一部を浸ける方法
・手浴法・・・手首まで浸す方法
・足浴法・・・両足首から膝までを浸す方法
吸入法
吸入法とは、精油の成分を鼻や口から吸入し、呼吸器系の不調を緩和する方法
・蒸気吸入法・・・洗面器やマグカップなどに熱めの湯を入れ、精油を1~3滴おとし蒸気を吸入。
フェイシャルスチーム
フェイシャルスチームとは、洗面器に熱湯を張り、精油を1〜3滴入れ、精油の成分を含んだ蒸気を顔に当てる方法
湿布法
湿布法とは、精油を入れた湯や水にフェイスタオルや手ぬぐいなどを浸し、身体の一部に当てて温めたり冷やしたりする方法。
冷湿布をおこなうと、急性のトラブルに効果
温湿布法をおこなうと、肩こり、腰痛、生理痛などの慢性のトラブルに効果
トリートメント法
トリートメント法とは精油を植物油で希釈して、身体や顔に塗る方法です。
トリートメントオイルの作り方
精油の量は、ボディ用が1〜6滴、フェイス用は1〜3滴が目安になります。
作り方
①植物油をビーカーに 50ml 入れる。
②ビーカーのなかに10滴以下の精油をいれる。
③ガラス棒や割り箸などでよくかき混ぜる。
④遮光性の容器に入れ、制作日、精油名などを記入したラベルを貼る
トリートメントオイルの使い方
トリートメントオイルを掌にとり、トリートメントする部分に薄くのばしていく。
注) トリートメントをする前には、健康状態を確認し、パッチテストも行うこと。
セルフスキンケア(手作り化粧品)
・クレンジングオイル
植物油 5ml に精油を1滴入れ、ガラス棒や割り箸などでよく混ぜ合わせる。
・フェイシャルスチーム
洗面器などに熱めの湯を入れ、精油を1~3滴いれる
・洗顔ソープ
①石鹸素地 100g に湯 30ml を加え、耳たぶより少し硬くなるまで手でよくもむ。
②そこにハチミツ 5ml に精油 5滴 を混ぜたものを加え、更に混ぜる。
③手で形を整える。
④風通しの良いところで1週間ほど乾燥させる。
・スキンローション
①ビーカーにグリセリン 5ml と精油 1滴を入れ、よく混ぜる。
②そこに精製水 45ml を加え、保存ビンに移す。
・フェイス用トリートメントオイル
①ビーカーに植物油 30ml を量り、精油 1~3滴 を加え、ガラス棒や割り箸でよく混ぜる。
②よく混ざったら保存ビンに移す。
・クレイパック
①小さめの器に、クレイ 大さじ1杯 と精製水 大さじ1杯 入れ、好みの軟らかさになるまでよく混ぜる。
②そこに精油 1滴 を加え、更に混ぜる。
③乾燥が気になる方はグリセリンや植物油、ハチミツを 小さじ1杯 くらい加える。
・ミツロウクリーム(軟膏)
①ガラス製のクリーム容器にミツロウ 2g、植物油 10ml を入れ、湯せんで溶かす。
②ミツロウが溶けたら、湯せんからおろし、粗熱が取れてから精油を 1~2滴加え、よく混ぜて、静かに冷ませばできあがり。
・バスオイル
器に植物油 20ml と精油 1~5滴 を入れ、よく混ぜてからお風呂の湯にいれ、よくかき混ぜてから入浴する。
・バスソルト
器に天然塩 大さじ1杯 と精油 1~5滴 を入れ、よく混ぜてからお風呂の湯にいれて、よくかき混ぜてから入浴する。
・発泡バスソルト
①器に重曹 大さじ1杯、クエン酸 小さじ2杯、天然塩 小さじ2杯 を入れ、よく混ぜる。
②そこへグリセリン小さじ 半杯 と精油 1~5滴 を入れ、更に混ぜる。
③ラップなどに移し、球状に固めて出来上がり。
・シャンプー、リンス、コンディショナー
50ml に対して精油10滴を加えてよく混ぜる。
アロマテラピーの歴史
古代〜アロマテラピーの源流〜
古代エジプト
古代エジプトでは、香りは神に捧げる神聖なものでした。神殿では魂が天国に導かれることを願い、香煙がたかれていました。当時使用されていた香料は乳香や没薬などの樹脂で、薫香として用いられていました。
ミイラ作りの時に、遺体に詰め物として植物や香料が用いられ、防腐や殺菌に役立っていました。
古代ギリシャ
医学者のヒポクラテスは病気を科学的にとらえ、現代にも通じる医学の基礎を築き、「医学の父」と呼ばれています。彼の治療薬には、芳香植物が含まれており、生のまま、あるいは乾燥させて燻蒸するという治療法も行っていました。
「植物学の祖」と呼ばれる哲学者テオフラストスは植物を科学的に分類し、著書「植物誌」に500種類に及ぶ植物をまとめています。
古代ローマ
ギリシャ人医学者ディオスコリデスは軍医として働き、得た知識を「マテリア・メディカ(薬物誌)」にまとめました。これには約600種類の植物の生育地、効能、薬としての調合方法が記されており、その後、植物薬学の古典として、利用されました。後世には、写本によって受け継がれ、最も古い写本に「ウィーン写本」というものがあります。
植物学者プリニウスは、全37巻にわたる「博物誌」を著しています。
医学者ガレノスは、コールドクリームをはじめとする、植物や自然素材を用いた「ガレノス製剤」で有名。
古代中国
漢の時代(2〜3世紀)にまとめられ、西洋の「マテリア・メディカ」と並ぶ東洋の薬草学書が「神農本草経」です。これは5世紀末に陶弘景によって、「神農本草経集注」として再編、現代に伝えられ中医学として確立していきました。
古代インド
約3000年以上に前に、アーユルベーダという伝統療法が誕生したといわれています。
アーユルベーダは伝統医療法であるが、宇宙観、自然観も含む哲学でもあり、現在でも受け継がれています。
中世〜香料、植物療法の発達〜
中世アラビア・イスラム世界
古代ギリシャのヒポクラテスや古代ローマのガレノスの著書がアラビア語に翻訳され、ギリシャ医学を元にしたユナニ医学が発展しました。また、8世紀から12世紀にかけて、アルコールの発明、アラビア式蒸留法の確立などがありました。
イスラム帝国時代に医師であり、哲学者でもあるイブン・シーナは芳香蒸留水を治療に用い、彼の著書である「医学典範(カノン)」は17世紀頃まで医科大学の教科書として使われた。
中世ヨーロッパ
中世ヨーロッパでは、修道院で薬草を栽培して治療に用いられ、「僧院医学(修道院医学)」が発展しました。1096年から約200年間行われた十字軍の遠征もあり、イスラム世界の知識や学問がヨーロッパに伝わり医学校が開設されるようにもなりました。
中世ドイツの修道女ヒルデガルトは、ハーブを活用した治療法に関する著書を残し、最初にラベンダーの効能を紹介したといわれています。
中世ヨーロッパでは、ペスト(黒死病)の流行がありましたが、魔除けのためにポマンダー(オレンジの果実にクローブをさしたもの)が行われ、現在も手作りで楽しまれています。
近世ヨーロッパ
ルネサンス期のヨーロッパでは印刷術が発展して薬用植物に関する書物も盛んになり、香料への関心も高まっていきました。
また、食生活に欠かせないスパイスなどの交易のため、新たな交易ルートを開拓しようと、大航海時代が始まり羅針盤の技術が伝わったことで、遠洋航海も可能になりました。これにより、アメリカ大陸、アフリカ大陸からバニラやチリ、カカオなどの新しい植物が持ち込まれました。
近世イギリス
ルネサンスの影響は医学にも及び、薬用植物の普及に伴って、「ハーバリスト」と呼ばれる人々が登場しました。「The Herball(本草書)」を著したジョン・ジェラード、ジョン・パーキンソンが代表的な人々です。またニコラスカルペッパーは薬草と占星術、惑星との関わりを論じました。
近世ヨーロッパ
ヨーロッパでは16世紀頃から香料として精油が製造され始め、治療薬としても使われていました。ヨーロッパの香料産業は手袋の製造業から始まり、南フランスのグラース地方でも香りつきの手袋が作られ、グラースは「香水の都」として香料産業の中心地になりました。
近世ドイツ
「オー・デ・コロン」という言葉は「ケルンの水」に由来し、これはイタリア人のジョバンニ、パオロ・フェミニスがドイツで売りだした芳香水です。この水はアルコールとベルガモットを中心とした精油で処方され、ジョバンニ・マリア・ファリーナが製造を受け継いでいます。のちにナポレオンも、この水を愛用しています。
近代植物学の始まり
現在、植物の学名には属名と種小名の「二名法」が用いられていますが、この分類体系の基本を作ったのが、カール・フォン・リンネです。
大航海時代以降は、航海に植物学者が同行し、「プラントハンター」として、未知の植物を紹介するようになります。有名な人物として、ジョセフ・バンクスがいます。
近代化学工業の発展
19世紀には、薬用植物から有効成分が分離精製されるようになり、石油や石炭といった鉱物原料から化学工業的に作り出せるようになり合成香料が登場しました。20世紀には抗生物質も登場する一方、心身症や生活習慣病といった新しい疫病も急増しました。
現代〜アロマテラピーの登場と普及〜
アロマテラピーの誕生
ガットフォセは実験中の火傷の治療に、ラベンダー精油を使用したことで、精油の治療効果に目覚め、その研究成果を「Aromatherapie」という著書にまとめました。「アロマテラピー」という言葉は、フランス人化学者ルネ・モーリス・ガットフォセが造語したものです。
アロマテラピーの実践
アロマテラピーは、精油のもつ薬理作用(殺菌、消炎)の研究から始まり、フランスの軍医ジャン・バルネは「AROMATHERAPIE(植物=芳香療法)」にまとめました。
ホリスティック・アロマテラピーの基礎を築いたマルグリット・モーリー
1960年代に、フランス人のマルグリット・モーリーは精油を使った心身の美容と健康法という考え方をアロマテラピーに取り入れ、精油を植物油で希釈したトリートメントオイルでのマッサージを提案しました。
1961年に出版された「La capital ‘Jeunesse(最も大切なもの・・・若さ)」はのちに英訳され、マルグリットの研究成果はのちにホリスティック・アロマテラピーと呼ばれます。
アロマテラピースクールの開設
1960年代から1980年代にかけて、シャーリー・プライス、ロバート・ティスランドたちはアロマテラピースクールを開設し、多くの専門家を育て、アロマテラピーの多彩な展開と大衆化を実現しました。
日本でのアロマテラピー
日本では、東邦大学名誉教授の鳥居鎮夫が、随伴性陰性変動(CNV)よ呼ばれる特殊な脳波を用いて、ラベンダーやジャスミンの香りの鎮静・興奮作用を実証しました。
におい分野の研究
2004年のノーベル医学賞は、「嗅覚システムの組織とにおいの受容体」で、人々が「におい」を識別して記憶することを研究したものです。
日本〜香りと共存〜
飛鳥時代
「日本書紀」に淡路島へ香木が漂着したと記されています。
平安時代
「空薫物」と呼ばれるお香をたく生活、「薫物合」といった。調合した香薬の優劣を品評する遊びが流行しました。
室町時代
日本には、三条西実隆が興した「御家流」と志野宗信が開祖である「志野流」という2つの香道があり、室町時代に成立しています。 香道では香木をたいて楽しむ聞香というものがあります。
日本における香料産業の始まり
明治時代初頭には、北海道の北見市を中心にハッカ(薄荷)が栽培され、昭和12年にはラベンダーの種をフランスから入手し、北海道の富良野地方に品種改良や栽培研究が集約されています。
日本アロマテラピー協会(現AEAJ)の設立
1996年に日本アロマテテラピー協会(AAJ)設立
2005年に「社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)設立
2012年には「公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)と名称を変更し、事業を継承しています。
アロマテラピーと地球環境
アロマ環境
アロマテラピーを楽しむこと、アロマ環境を保全、創造することは一体。
生命の誕生と地球環境
現在の地球環境は、植物によって大気に酸素が作られおり
窒素78%
酸素21%
二酸化炭素0.04%になっています。
環境に働きかける影響として、土の流出がありましが、植物が森林をつくることで、土砂流出は荒廃地の150分の1になっています。
植物と生物の関わり
植物の葉や実は、食料として動物を支え、衣食住に関わる多くのものが植物から提供されています。
・綿、麻などの繊維や木材は建築資材、紙、衣類に使われる。
・作物や医薬品のもとになる植物は、75%が虫や鳥などに助けられて受粉します。
里地里山
人が手入れをして、豊かな自然が維持された里山のことを里地里山といいます。
例:ため池、田んぼなど
地球が抱える環境問題
・大量生産・大量消費・大量廃棄
・地球温暖化
・開発や乱獲などによる絶滅の危機にある絶滅危惧種
・大量のゴミ
日本では1年間に一般廃棄物で、45万トン(東京ドーム122杯)になる。
・大気汚染
・ヒートアイランド現象
・オゾン層の破壊
・酸性雨
・海や川の汚染
環境保存のための取り組み
日本では、「公害対策基本法」や「環境基本法」といった法律が制定されています。私たちがこれから目標とするのは、「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」です。
環境改善のためにできること
3R=スリーアール
ゴミの発生を抑制・・・Reduce
繰り返し使用・・・・・・・Reuse
資源として再利用・・・Recycle
具体的には、過剰包装を避ける、料理は食べきれる量を作る、繰り返しつかえる容器を活用する、回収・分別収集に協力する
AEAJの取り組み
AEAJは「自然の香りのある豊かな環境」を「アロマ環境」と呼び、これを守る(保全)・育てる(創造)・楽しむ(活用)という3つの視点から、生活環境や社会環境を向上させる取り組みを推進しています。
また、子ども立ちに自然の香りを体験してもらう、「香育」も進めています。
・環境カオリスタ検定
地球と地球環境に野菜いライフスタイルを提案する検定です。
・「アロマ環境」の普及啓発を図ることが目的の「みどり香るまちづくり」企画コンテストとAEAJイメージフレグランスコンテストもあります。
アロマテラピーのメカニズム
精油の成分が身体に働く経路
大きく分けて2つあります。
①嗅覚器から脳へ伝わる経路
②皮膚などから身体へ伝わる経路
嗅覚器から脳に伝わる経路について
精油の分子は、嗅細胞から出ている嗅毛でキャッチされ、嗅細胞が興奮する。
その刺激は電気的信号(インパルス)に変換され嗅神経に伝わる。
その後大脳の嗅球、嗅索を経て大脳辺縁系に到達する。
少し遅れて大脳皮質の嗅覚野に伝わり「におい」として認識する。
脳(大脳辺縁系)の構造と働き
大脳辺縁系は海馬や扁桃体を含み、香りの情報は、体調全体に影響を及ぼす自律神経系や食欲、性欲、呼吸などを支配する視床下部が影響を特に受けます。
皮膚などから身体へと伝わる経路
①皮膚から
精油成分の分子構造が小さく、親油性のために皮膚から吸収される。
浸透した皮膚内で、作用する(保湿成分を補ったり、肌を引き締める)
皮膚に潤いを与え、乾燥を防ぐ作用のことをモイスチャー作用といいます。
②呼吸器から
香りを呼吸とともに吸い込む→体内に一部吸収→体内を循環し代謝
最終的に肝臓などで代謝されてから、体外へ排出されます。
③消化器から
AEAJでは精油を経口することはすすめていません。
消化管粘膜に対する刺激や肝臓や腎臓に、毒性を及ぼす恐れがあるためです。
アロマテラピーと健康
アロマテラピーを楽しむことは、私たちの恒常性の維持に働きかけ、QOL(生活の質)を高めることにつながります。健康的な生活に必要なのは、栄養と運動と休養・睡眠です。
食事と健康の関係
健康のために必要な5つの栄養素
炭水化物
消化酵素で分解される糖質と、分解されにくい食物繊維に分けられます。
糖質
すぐに利用できるエネルギー源
穀類、イモ類、砂糖、果物に多く含まれる。
1gあたりのエネルギーは約4kcal
食物繊維
腸の環境を整える。
海藻類・野菜・豆類・穀類・果物などに多く含まれる。
満腹感を与えて食べ過ぎ防止、朝のぜん動運動を促します。
タンパク質
筋肉や臓器、血液など身体を構成する主成分です。
穀類・魚介類・牛乳・卵・大豆などに多く含まれる。
消化作用で、約20種のアミノ酸に分解され、吸収されます。
約20種のアミノ酸のうち9種はからだの中では作れないアミノ酸で、食物から摂取する必須アミノ酸です
1gあたりのエネルギーは約4kcal
脂質
体内で貯蔵され、主に体内で燃焼します。
肉類・魚介類・植物性油脂などに含まれる。
中性脂肪、リン脂質、コレステロールなどがあり、とり過ぎると生活習慣病につながります。
1gあたりのエネルギーは約9kcal
ビタミン
栄養素の代謝を助けて、身体の働きを正常に保ちます。
緑黄色野菜・魚類・果物に多く含まれる。
A・B群・C・D・E・Kなどの種類があり、必要量は微量ですが体内でほとんど合成できないので、食物から摂取します。
ミネラル(無機質)
身体の機能を調節し、骨・歯、血液など体組織の構成成分にもなります。
乳製品・レバー・小魚・海藻類・野菜などに含まれる。
体内ではほとんど合成できないので、食物から摂取する必要がある。
1日に必要なエネルギー
生命を維持するための最低限必要なエネルギーのことを基礎代謝量といいます。
「基礎代謝量」 に「日常生活の活動に必要なエネルギー」を足したものを「推定エネルギー必要量」といいます。
運動と健康の関係
運動による効果
・全身への効果:免疫機能の強化
生活習慣病の予防
肥満の予防・改善
骨粗しょう症の予防
基礎代謝量UP
自律神経機能の改善
・各器官への効果:リラックス、リフレッシュ、ストレス発散、安眠、脳活性化
心肺機能の向上
血流促進、血管の柔軟性
内蔵機能の向上
ほね、関節、筋肉の維持
筋力、持久力、柔軟性、敏捷性の向上
運動の種類
有酸素運動(エアロビクス)
軽度な運動(軽いジョギングやウォーキング、マイペースな水泳など)
酸素の供給が充分にあるので、乳酸が生じない。
習慣的に続けると、生活習慣病の予防に効果がある。
(血中の総コレステロール値や中性脂肪値を下げる、血圧を下げるなど)
無酸素運動(アネロビクス)
短時間で大きな力を発揮する運動(全力疾走や重量挙げなど)
酸素の供給が間に合わず、疲労物質の乳酸がたまりやすい。
休養・睡眠と健康の関係
睡眠の種類
レム睡眠とノンレム睡眠があり、90分毎に交互に繰り返されます
浅い眠り=レム睡眠 (Rapid Eye Movement)
身体は休息しているが、大脳は起きている。
眼球運動がある。
深い眠り=ノンレム睡眠 (Non Rapid Eye Movement)
眼球運動がなく、大脳は眠っている。
ストレスとメンタルヘルス
身体または心に、何らかの外的刺激が加わることで影響を受け、心身に不調をきたした状態をストレスといい、原因となるものをストレッサー(ストレス源)といいます。
アロマテラピーには嗅覚などを介して精神や心に働きかけ、高ぶった感情を穏やかにする働きがあります。これは精油の刺激が脳の神経細胞から出る様々な神経伝達物質の放出に関わるためと考えられています。
生活習慣病
日本の三大死因である、がん、心疾患、脳血管疾患をはじめ、動脈硬化、糖尿病、高血圧症、脂質異常症なども生活習慣病とされています。
アロマテラピーに関する法律
医薬品医療機器等法
精油は医薬品や医薬部外品、化粧品と混同されやすいが、いずれにも該当せず雑貨扱いになります。そのため、医薬品医療機器等法によって規制される対象にはなっていません。
よって、この法律にかかるような、精油の効果、効能をうたう、行政の許可なしに業として化粧品を製造してはいけません。
「自己責任の原則」について
アロマテラピーは「自己責任で行う」という考えを持っている必要があります。
ほかのアロマテラピーに関する法律
薬事法
精油成分の作用を、◯◯◯症に効果があると言って販売してはいけません。
個人で精油を使って手作り化粧品を作り、友人や知人にプレゼント(有償、無償どちらでも良い)するのは良いが、業として製造してはいけません。
製造物責任法(PL法)
「精油ビンのキャップがうまく閉まらず、衣服や家具が汚れた」などの場合、民法上の責任を問うことができます。
景品表示法
実際のものより、著しい優良な品質、有利な価格を表示してはいけません。
消防法
精油は引火する可能性があるため、保管、取扱いには注意が必要です。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律
マッサージはアロマトリートメントに似た行為ですが、国家資格が必要なものです。
医師法
病名を診断したり、治療と紛らわしい行為をしてはいけません。
獣医師法
アロマテラピートリートメントにおいて、動物に診療行為をしてはいけません。