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Windows・macOS・Linuxのターミナルとソフトのインストール方法

ターミナル・コマンドライン入門

Windows・macOS・Linuxのターミナルとソフトのインストール方法

パソコンにソフトを入れる方法には、公式ストア、開発元のWebサイト、ターミナルから使うパッケージ管理ツールなどがあります。このページでは、それぞれがなぜ分かれているのかを整理し、Windows・macOS・Linuxごとの実際の使い方まで解説します。

この記事でいう「ソフト」と「アプリ」

一般向けにはほぼ同じ意味で使います。ただし、画面を持たずターミナルから操作するFFmpegやyt-dlpのようなものは、「アプリ」より「ソフトウェア」「コマンドラインツール」と呼ぶほうが自然です。

目次

  1. ターミナルとは何か
  2. 昔のCUIとの関係
  3. インストール方法が複数ある理由
  4. Windows・macOS・Linuxの対応表
  5. macOSとHomebrewの使い方
  6. Windowsとwingetの使い方
  7. Linuxとapt・dnf・pacmanの使い方
  8. よくインストールされるソフトの例
  9. よくあるトラブルと確認方法
  10. どの方法で入れるべきか

ターミナルとは何か

ターミナルは、文字でパソコンへ命令を出すための窓口です。普段はアイコンをクリックしてフォルダを開いたり、ボタンを押してソフトを操作したりしますが、ターミナルでは命令文を入力します。

OS 画面・アプリの主な呼び方 命令を解釈する仕組み
macOS ターミナル zsh、bashなどのシェル
Linux 端末、ターミナル、端末エミュレーター bash、zshなどのシェル
Windows Windows Terminal、PowerShell、コマンドプロンプト PowerShell、cmd.exeなど

厳密には、ターミナルとシェルは別物です。

  • ターミナル:命令を入力し、結果を表示するための画面
  • シェル:入力された命令を解釈して実行する仕組み
  • コマンド:実際に入力する命令
たとえるなら、ターミナルは受付窓口、シェルは受付担当者、コマンドは依頼内容です。

昔のCUIがそのまま残っているのか

大まかなイメージとしては合っています。昔のパソコンは、画面に文字を表示し、キーボードから命令を入力するCUIが中心でした。その後、アイコンやウィンドウをマウスで操作するGUIが一般化しました。

ただし、現在のターミナルは単なる「昔の名残」ではありません。GUIよりもターミナルのほうが効率的な作業があるため、今も現役で使われています。

  • 大量のファイルを一括処理する
  • 同じ作業を自動化する
  • FFmpegで動画や音声を変換する
  • yt-dlpなどのコマンドラインツールを使う
  • 開発環境やサーバーを管理する
  • 複数のソフトをまとめて導入・更新する

1個のファイル名を変更するだけならGUIが簡単ですが、数千個のファイルを一定の規則で変更する場合は、コマンドやスクリプトのほうが圧倒的に楽です。

なぜインストール方法が複数あるのか

公式ストアから入れる

macOSではApp Store、WindowsではMicrosoft Store、Linuxではソフトウェアセンターなどを使います。審査や署名、更新管理がまとめられているため、初心者でも比較的安全に使えます。

一方で、配布側はストアの規則に従う必要があり、機能や課金方法、更新方法に制約が生じる場合があります。

公式サイトから入れる

開発元のWebサイトから、macOSならDMGやPKG、WindowsならEXEやMSIなどをダウンロードしてインストールします。ストア版より高機能だったり、最新版が早く配布されたりすることがあります。

検索結果に出た広告や非公式ダウンロードサイトではなく、原則として開発元の公式サイトから入れます。似た名前の偽サイトには注意が必要です。

パッケージ管理ツールから入れる

パッケージ管理ツールは、ソフトの検索、ダウンロード、インストール、更新、削除をまとめて行う仕組みです。

  • macOS:Homebrew
  • Windows:winget
  • Ubuntu・Debian系Linux:apt
  • Fedora系Linux:dnf
  • Arch Linux系:pacman

ターミナル自体がソフトを配布しているわけではありません。ターミナルからパッケージ管理ツールへ命令し、パッケージ管理ツールが配布元を確認して必要なファイルを導入します。

Windows・macOS・Linuxの対応表

項目 Windows macOS Ubuntu系Linux
文字操作の画面 Windows Terminal ターミナル 端末・ターミナル
主な命令環境 PowerShell zsh bash
公式ストア Microsoft Store App Store ソフトウェアセンター
代表的な管理ツール winget Homebrew apt
運営上の位置づけ Microsoft公式 Apple非公式の第三者プロジェクト OSの標準的な仕組み
インストール例 winget install ... brew install ... sudo apt install ...
一覧表示 winget list brew list apt list --installed
更新候補 winget list --upgrade-available brew outdated apt list --upgradable

macOSとHomebrewの実際の使い方

Homebrewとは

HomebrewはApple公式ではありませんが、macOSで広く使われているパッケージ管理ツールです。特にFFmpeg、yt-dlp、Python、Gitなど、ターミナルで使うソフトの導入に向いています。

Homebrewでは、ソフトを大きく2種類に分けて扱います。

  • Formula:FFmpegやPythonなど、主にコマンドラインで使うもの
  • Cask:Google ChromeやVisual Studio Codeなど、通常のGUIアプリ

Homebrewが使えるか確認する

brew --version

バージョン番号が表示されれば利用できます。command not foundと表示される場合は、Homebrewが未導入か、パスが通っていません。

ソフトを検索する

brew search ffmpeg

名前が正確に分からない場合は、まず検索してからインストールします。

macOSでよく使われるソフトの例

macOSでHomebrewを使う場合、次のようなソフトがよく導入されます。

  • FFmpeg:動画・音声の変換、切り取り、結合、音声抽出など
  • yt-dlp:対応サイトの動画・音声取得に使うコマンドラインツール
  • x265:H.265/HEVC動画のエンコードに関係するライブラリ
同じソフトでも、公式サイト、Homebrew、pipxなど別の方法で導入されている場合があります。Homebrew管理下にあるかは、下記のbrew listで確認してください。

FFmpegをインストールする

brew install ffmpeg

導入確認:

ffmpeg -version

音声をMP3として取り出す例:

ffmpeg -i input.mp4 -vn output.mp3

yt-dlpをインストールする

brew install yt-dlp

導入確認:

yt-dlp --version

yt-dlpはpipxで管理されることもあります。その場合、Homebrewの一覧には表示されません。

pipx list

このように、同じソフトでもHomebrew、pipx、公式配布など、導入経路によって確認方法が変わります。

Homebrewで入れたものを一覧表示する

すべて表示

brew list

コマンドライン系だけ表示

brew list --formula

GUIアプリ系だけ表示

brew list --cask

特定のソフトがあるか絞り込む

brew list --formula | grep ffmpeg

詳細を確認する

brew info ffmpeg

インストール済みのバージョン、最新版、依存関係、インストール先などを確認できます。

更新する

Homebrewのパッケージ情報を更新

brew update

更新可能なソフトを確認

brew outdated

すべて更新

brew upgrade

FFmpegだけ更新

brew upgrade ffmpeg

古いバージョンやキャッシュを整理

brew cleanup
brew updateは「ソフト一覧の情報更新」、brew upgradeは「実際のソフト更新」です。名前が似ていますが役割が違います。

削除する

brew uninstall ffmpeg

削除後も不要な依存パッケージが残っていないか確認する場合:

brew autoremove

Homebrew全体の状態を診断する

brew doctor

設定、権限、パス、古いファイルなどに問題がないかを確認します。警告が出ても必ずしも致命的とは限らないため、内容を読んで判断します。

FFmpegでライブラリエラーが出た場合

FFmpegが古いx265ライブラリ名を参照して起動できない場合は、FFmpeg本体と依存関係の更新・再インストールを試します。

brew update
brew upgrade
brew reinstall x265
brew reinstall ffmpeg
ffmpeg -version

どのライブラリを参照しているか確認する例:

otool -L "$(which ffmpeg)"

単純にファイル名だけを偽装するシンボリックリンクは、一時的に動いても互換性問題を起こす可能性があるため、基本は再インストールで整合性を直します。

Windowsとwingetの実際の使い方

Windows Terminal、PowerShell、コマンドプロンプトの違い

  • Windows Terminal:複数の命令環境をタブで開ける表示アプリ
  • PowerShell:現在のWindowsで主に使われる高機能な命令環境
  • コマンドプロンプト:昔からあるcmd.exeの命令環境

wingetは通常、Windows TerminalまたはPowerShellから使います。

wingetが使えるか確認する

winget --version

バージョンが表示されれば利用できます。

ソフトを検索する

winget search ffmpeg

Windowsでは同名ソフトや類似パッケージが複数表示されることがあります。インストール時は名前だけでなく、パッケージIDも確認すると確実です。

一般的なインストール例

VLC media player

winget install --id VideoLAN.VLC -e

Visual Studio Code

winget install --id Microsoft.VisualStudioCode -e

Git

winget install --id Git.Git -e

7-Zip

winget install --id 7zip.7zip -e

--idはパッケージIDを指定し、-eは完全一致で探す指定です。似た名前の別ソフトを誤って選びにくくなります。

インストール済みソフトを確認する

winget list

wingetのlistは、wingetで入れたものだけでなく、ほかの方法で導入されたアプリも表示する場合があります。

特定ソフトだけ確認:

winget list ffmpeg

更新候補を確認する

winget list --upgrade-available

または:

winget upgrade

更新する

特定のソフトを更新

winget upgrade --id VideoLAN.VLC -e

更新可能なものをまとめて更新

winget upgrade --all
一括更新では、仕事で使用中のソフトや、更新によって仕様が変わると困るソフトも対象になる場合があります。最初に一覧を確認してから実行するほうが安全です。

削除する

winget uninstall --id VideoLAN.VLC -e

新しいWindowsへ導入一覧を移す

現在の導入情報を書き出す:

winget export -o packages.json

別のWindowsで読み込む:

winget import -i packages.json

完全なバックアップではありませんが、新しいパソコンへの再セットアップを楽にできます。

Linuxとapt・dnf・pacmanの実際の使い方

Linuxは1種類のOSではなく、Ubuntu、Linux Mint、Fedora、Arch Linuxなど、多数のディストリビューションがあります。そのため、使うパッケージ管理ツールも異なります。

系統 主なディストリビューション 管理ツール
Debian系 Ubuntu、Linux Mint、Debian apt
Red Hat系 Fedora dnf
Arch系 Arch Linux、Manjaro pacman

Ubuntu・Linux Mintのapt

UbuntuやLinux Mintでは、基本的にaptを使います。

パッケージ情報を更新する

sudo apt update

これはソフト本体を更新する命令ではなく、「現在入手できるバージョンの一覧」を更新する命令です。

ソフトを検索する

apt search ffmpeg

インストールする

sudo apt install ffmpeg

複数をまとめて入れる例:

sudo apt install ffmpeg git curl

導入を確認する

ffmpeg -version

インストール済み一覧

apt list --installed

一覧が非常に長いため、絞り込む場合:

apt list --installed 2>/dev/null | grep ffmpeg

更新可能な一覧

apt list --upgradable

ソフトを更新する

sudo apt update
sudo apt upgrade

特定のソフトだけ更新する

sudo apt install --only-upgrade ffmpeg

削除する

設定を残して削除:

sudo apt remove ffmpeg

システム側の設定も含めて削除:

sudo apt purge ffmpeg

不要になった依存パッケージを削除:

sudo apt autoremove

Fedoraのdnf

検索

dnf search ffmpeg

インストール

sudo dnf install ffmpeg

インストール済み一覧

dnf list installed

更新

sudo dnf upgrade

削除

sudo dnf remove ffmpeg

Arch Linuxのpacman

検索

pacman -Ss ffmpeg

インストール

sudo pacman -S ffmpeg

インストール済み一覧

pacman -Q

自分で明示的に入れたものを表示

pacman -Qe

システム全体を更新

sudo pacman -Syu

削除

sudo pacman -R ffmpeg

Arch系では、パッケージ一覧だけ更新してシステム更新をしない「部分更新」を避けるのが基本です。通常はsudo pacman -Syuで全体の整合性を保ちます。

よくインストールされるソフトの例

ソフト 主な用途 macOS Windows Ubuntu系Linux
FFmpeg 動画・音声の変換、結合、切り取り、抽出 brew install ffmpeg winget search ffmpegでID確認後に導入 sudo apt install ffmpeg
yt-dlp 対応サイトの動画・音声取得 brew install yt-dlp
またはpipx install yt-dlp
winget search yt-dlpでID確認後に導入 pipx install yt-dlpなど
Git ソースコードや変更履歴の管理 brew install git winget install --id Git.Git -e sudo apt install git
Python プログラミング、自動処理 brew install python winget search Pythonで版を確認 sudo apt install python3
Visual Studio Code コード・テキスト編集 brew install --cask visual-studio-code winget install --id Microsoft.VisualStudioCode -e 公式リポジトリやdeb/Snapなど
VLC 動画・音声再生 brew install --cask vlc winget install --id VideoLAN.VLC -e sudo apt install vlc
curl URLからデータ取得、通信確認 標準搭載の場合あり 標準搭載の場合あり sudo apt install curl
tree フォルダ構造を文字で表示 brew install tree winget search treeで候補確認 sudo apt install tree
パッケージ名やIDは配布元で変わる場合があります。特にwingetでは、最初にwinget search ソフト名を実行し、発行元とIDを確認する方法が安全です。

よくあるトラブルと確認方法

「command not found」と表示される

主な原因は次のいずれかです。

  • ソフトがインストールされていない
  • インストール先がPATHに登録されていない
  • コマンド名を間違えている
  • ターミナルを開き直す必要がある
  • 別の管理方法で導入したため、想定した場所にない

コマンドの場所を確認:

macOS・Linux

which ffmpeg
command -v ffmpeg

Windows PowerShell

Get-Command ffmpeg

同じソフトが複数入っている

公式サイト版、Homebrew版、pipx版などを重ねて入れると、どの実行ファイルが使われているか分かりにくくなります。

macOSでFFmpegの場所を確認:

which -a ffmpeg

複数の場所が表示された場合は、PATHの上にあるものが優先されます。

バージョンを確認する

ffmpeg -version
yt-dlp --version
python3 --version
git --version

「入っているか」だけでなく、「どのバージョンが動いているか」まで確認すると、トラブル原因を切り分けやすくなります。

管理ツールで入れたはずなのに一覧にない

別の仕組みで入れた可能性があります。

導入方法 主な確認方法
Homebrew brew list
pipx pipx list
Pythonのpip python3 -m pip list
Mac App Store App Storeの購入済み・アップデート画面
公式サイト アプリケーションフォルダや各ソフトの設定画面
winget winget list
apt apt list --installed

sudoとは

Linuxでよく使うsudoは、その命令だけを管理者権限で実行するための仕組みです。パスワード入力中は画面に文字や記号が表示されないことがありますが、入力自体は受け付けています。

意味の分からないコマンドを、特にsudo付きでコピー実行しないでください。管理者権限では、システムの重要ファイルも変更・削除できます。

どの方法でインストールするべきか

目的 向いている方法
一般的なアプリを安全かつ簡単に使いたい 公式ストア
ストアにないGUIアプリや、開発元の最新版を使いたい 開発元の公式サイト
FFmpeg、Git、Pythonなどを管理したい Homebrew、winget、aptなど
複数ソフトをまとめて導入・更新したい パッケージ管理ツール
特殊な追加機能や独自ビルドが必要 公式配布やソースからの導入。ただし上級者向け

パッケージ管理ツールは便利ですが、すべてのソフトを無理に一本化する必要はありません。App Store版が扱いやすいソフトはApp Store、公式サイト版のほうが機能が揃うソフトは公式サイト、FFmpegのようなコマンドラインツールはHomebrew、というように使い分けるのが現実的です。

大切なのは、どこから入れたかを把握しておくことです。
インストール経路が分かれば、更新、削除、再インストール、不具合修正の方法も判断しやすくなります。

まとめ

  • ターミナルは文字で命令を入力するための窓口
  • 昔のCUIの流れを受け継いでいるが、現在も自動化や一括処理で活躍している
  • Windows TerminalやmacOSのターミナルは「画面」、PowerShellやzshは「命令を解釈する仕組み」
  • 公式ストア、公式サイト、パッケージ管理ツールには、それぞれ安全性・自由度・管理方法の違いがある
  • macOSではHomebrew、Windowsではwinget、Ubuntu系Linuxではaptが代表的
  • macOSではFFmpeg、yt-dlp、x265などが代表的な管理・確認対象になる
  • 導入後は、一覧表示、バージョン確認、更新方法まで把握しておくとトラブルに強くなる

参考資料

コマンドやパッケージ名は、OSの版、配布元、リポジトリの状態によって変わる場合があります。実行前に検索結果や表示内容を確認してください。