危険物取扱者乙3類試験のポイント
2014.08.30
第3類の危険物の性状
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自然発火性物質及び禁水性物質である
常温(20℃)において、固体又は液体のものがある
無機の単体、化合物だけでなく、有機化合物も含まれる
空気または水と接触により危険性が生じる
不燃性のものも可燃性のものもある
黄りんは自然発火性のみ、リチウムは禁水性のみの例外はあるが、大部分は自然発火性と禁水性の両方の性質を有する
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第3類危険物
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品名
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主な物品
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カリウム
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カリウム
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ナトリウム
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ナトリウム
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アルキルアルミニウム
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トリエチルアルミニウム
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アルキルリチウム
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ノルマルブチルリチウム
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黄りん
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黄りん
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アルカリ金属
およびアルカリ土類金属
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リチウム
カルシウム
バリウム
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有機金属化合物
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ジエチル亜鉛
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金属の水素化物
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水素化ナトリウム
水素化リチウム
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金属のりん化物
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りん化カルシウム
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カルシウムまたは
アルミニウムの炭化物
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炭化カルシウム
炭化アルミニウム
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その他のもので政令で定めるもの
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トリクロロシラン
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第3類危険物の貯蔵及び取扱い、消火方法
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禁水性の物品は、水との接触を避ける
自然発火性の物品は炎、火花、高温体との接触、加熱を避ける
湿気を避け、容器は密閉する
通風または換気のよい冷暗所に保管する
物品により、不活性ガスの中で貯蔵したり、保護液の中に小分けして貯蔵する
保護液に保存する場合は、保護液から露出しないようにする
ほとんどが禁水性のため、水、泡系の消火剤(水、強化液、泡)は使用できない
炭酸水素酸塩を主成分とする粉末消火剤、乾燥砂、膨張ひる石(バーミキュライト)、膨張真珠岩(パーライト)は、第3類のすべての消火に使用できる
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カリウムとナトリウム・アルキルアルミニウム・
アルキルリチウム・黄りん
カリウムの性状
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銀白色で光沢のある軟らかい金属である。
吸湿性、潮解性がある
比重は1より小さく、水に浮く。
ハロゲンと激しく反応する。
水と接触すると、水素と熱を発生する。
アルコールに溶けて、水素と熱を発生する。
熱すると紫色の炎をあげて燃える。
有機物に対して強い還元作用を示す。
腐食性が強い。
灯油等の保護液の中に小分けして貯蔵する
空気に触れるとすぐに酸化される。
貯蔵する床面は、湿気を避けて地面より高くする
乾燥砂で覆い、窒息消火する
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ナトリウムの性状
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銀白色で光沢のある軟らかい金属である。
比重は1より小さい。
水と接触すると、水素と熱を発生する。
アルコールに溶けて、水素と熱を発生する。
融点は、約98℃である。
融点以上に加熱すると黄色の炎をあげて燃焼する。
空気に長時間触れると自然発火する。
化学的反応性は、カリウムより劣る。
空気中では表面がすぐに酸化される。
火災予防、消火法はカリウムと同様である
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保護液は灯油、軽油、流動パラフィン、ヘキサンなどを使用する
アルキルアルミニウムの性状
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アルキル基とアルミニウムの化合物で、ハロゲンを含むものもある。
固体又は液体である。
ヘキサン、ベンゼン等の溶媒で希釈したものは反応性が低減する。
アルキル基をハロゲン元素で置換すると危険性は低下する。
水はもちろん、空気と触れても激しく反応して発火する。
皮膚に触れると火傷を起こすので保護具を着用する。
ハロゲン数の多いものは、空気や水との反応性が小さくなる。
高温で分解する。
容器は耐圧性のものを使用し、安全弁をつける
不活性ガス中で貯蔵する。
火勢が小さい時は、炭酸水素ナトリウムを成分とする粉末消火剤で消火
火勢が大きい時は、乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩などで流出を防ぎ、火勢を抑制しながら燃え尽きるまで監視する
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ノルマルブチルリチウムの性状
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黄褐色の液体である。
ジエチルエーテル、ベンゼン、ヘキサンに溶ける。
ヘキサン、ベンゼン等の溶媒で希釈したものは反応性が低減する。
空気と接触すると白煙を生じ、燃焼する。
水、アルコール、アミン類と激しく反応する。
貯蔵、消火方法はアルキルアルミニウムと同様
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黄りんの性状
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淡黄色のロウ状の固体である。
発火点が低い。
暗所では青白色の光を発する。
ニラのような不快臭がある。
空気中で徐々に酸化発熱し、発火点(50℃)に達すると自然発火に至る。
酸化剤とは激しく反応して発火する。
猛毒性を有する。
水には溶けないが、二硫化炭素やベンゼンには溶ける。
皮膚に触れると火傷を起こす。
燃焼すると有毒な十酸化四りんを生じる
アルカリと接触すると有毒なりん化水素を発生する
水中に貯蔵し、弱アルカリ性に保つ。
水と土砂を用いて消火する
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アルカリ金属およびアルカリ土類金属・
有機金属化合物・金属の水素化物
リチウムの性状
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銀白色の軟らかい金属である。
金属の中で最も軽く(比重0.5)、比熱は最も大きい
高温で燃焼して酸化物を生じる。
水とは常温では徐々に、高温では激しく反応して水素を発生する
ハロゲンとは激しく反応し、ハロゲン化物を生ずる。
深赤色の炎を出して燃える。
自然発火性の性状はなく、禁水性の性状のみであるとされるが、粉末状のものが空気と混合すると、自然発火することがある。
固形の場合、融点以上に加熱すると発火する
アルカリ金属ではカリウムやナトリウムよりは反応性は低い。
水分との接触を避け、容器は密栓する
乾燥砂などで窒息消火する
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バリウムの性状
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銀白色の軟らかい金属(固体)である。
空気中で常温では表面が酸化する
粉末状のものが空気と混合すると、自然発火することがある。
炎色反応は黄緑色を呈する。
水素とは高温で反応し、水酸化バリウムを生じる。
ハロゲンと反応し、ハロゲン化物を生成する。
水と反応し、水素が発生する。
火災予防、消火方法はリチウムと同じ
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ジエチル亜鉛の性状
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無色の液体である。
ジエチルエーテルやベンゼンに溶ける。
空気中で酸化され、自然発火する。
水や酸およびアルコールなどと反応して可燃性ガスを発生する。
窒素などの不活性ガスの中で貯蔵する
容器は完全密閉
粉末消火剤で消火する
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水素化ナトリウムの性状
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灰色の結晶粉末である。
乾燥した空気中では安定
還元性が強く、金属酸化物から金属を遊離する。
高温でナトリウムと水素に分解する。
空気中の湿気で自然発火することがある。
比重は、0.92である。
鉱油中では安定である。
水と爆発的に反応して、水素を発生する。
還元性が強く、酸化剤と混合すると加熱や摩擦等により発火する。
有機溶媒に溶けない
水分、酸化剤との接触を避ける
窒素を封入したビン等に密栓して貯蔵する
乾燥砂などで窒息消火する
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※水素化ナトリウムの比重について
書籍によって0.92だったり1.4だったりします。
これは水素化リチウム自体は1.4であるが、販売は鉱油混合物の状態であることから危険物的には0.92として扱っているようです
実際の過去の試験では、0.92として、扱っているようです
水素化リチウムの性状
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白色の結晶粉末である。
比重は、0.82である。
金属塩に対して強い還元性を示す。
高温でリチウムと水素に分解する。
空気中の湿気で自然発火することがある。
水や水蒸気と反応して水素を発生する
皮膚や目を強く刺激する
火災予防、消火方法は水素化ナトリウムと同じ
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金属のりん化物・カルシウムまたは
アルミニウムの炭化物・その他
りん化カルシウムの性状
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暗赤色の塊状固体または粉末である
不燃性である
加熱or水or酸と反応して、りん化水素(可燃性、有毒)が発生する。
りん化水素が燃焼するとりん酸化物(五酸化りん、有毒・腐食性)が発生する
特有の臭気がある。
乾いた空気中では、リン化カルシウム自体は自然発火しない
水分、湿気に触れない床面が地面よりも高いところに貯蔵する
乾燥砂で消火する
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炭化カルシウムの性状
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純粋なものは無色透明の固体である。(一般には不純で灰色)
一般に流通しているものは、不純物として硫黄、りん、窒素、けい素等を含んでいる。
水と作用して熱とアセチレンガスを発生し、水酸化カルシウムとなる
アセチレンガスが銅や銅合金などと反応して、新たな爆発性化合物を生成する
高温で窒素ガスと反応させると、石灰窒素を生成する
吸湿性がある。不燃性である。
高温にすると、強い還元性を有し、多くの酸化物を還元する。
乾燥した場所に貯蔵し、容器は密栓
必要に応じて、不活性ガスを封入
粉末消火剤または乾燥砂などで窒息消火
注水は避ける
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炭化アルミニウムの性状
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純粋なものは無色透明の固体である。(一般には不純で黄色)
空気中では安定している
1400℃で分解し、メタンガスを発生する
水とは常温で反応して発熱し、メタンガスを発生する
火災予防、消火方法は炭化カルシウムと同じ
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トリクロロシランの性状
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無色の液体
揮発性が高く、引火しやすい
有毒で刺激臭がある
水に溶けて加水分解し、塩化水素を発生する
ベンゼン、ジエチルエーテル、二硫化炭素に溶ける
酸化剤と爆発的に反応する
空気と混合して、爆発性の混合ガスを形成する
水または水蒸気と反応して発熱し、発火する
密封して、通風のよい場所に貯蔵する
乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩で窒息消火する
注水は避ける
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