危険物取扱者乙5類試験のポイント

 危険物取扱者(きけんぶつとりあつかいしゃ、Hazardous Materials Engineer)は、危険物を取り扱ったり、その取扱いに立ち会うために必要となる日本の国家資格です。 このページはりすさんが作成した試験問題アプリ、りすさんシリーズの紹介と試験に出題された項目をまとめたページです。

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乙1〜6類の基礎的な物理学及び基礎的な化学のポイント

乙1~6類の危険物に関する法令のポイント

危険物法令テキスト

危険物化学テキスト

 

危険物取扱者乙5類試験のポイント

第5類危険物
品名
主な物品
有機過酸化物
過酸化ベンゾイル
エチルメチルケトンパーオキサイド
過酢酸
硝酸エステル類
硝酸メチル
硝酸エチル
ニトログリセリン
ニトロセルロース
ニトロ化合物
ピクリン酸
トリニトロトルエン
ニトロソ化合物
ジニトロソペンタメチレンテトラミン
アゾ化合物
アゾビスイソブチロニトリル
ジアゾ化合物
ジアゾニトロフェノール
ヒドラジンの誘導体
硫酸ヒドラジン
ヒドロキシルアミン
ヒドロキシルアミン
ヒドロキシルアミン塩類
硫酸ヒドロキシルアミン
塩酸ヒドロキシルアミン
その他のもので政令で定めるもの
アジ化ナトリウム
硝酸グアニジン
 
第5類の危険物の性状
 自己反応性物質である
 すべて可燃性物質であり、燃焼速度がきわめて速い。
 分子内に酸素を含有しているため、内部(自己)燃焼を起こしやすい。
 常温(20℃)では、固体または液体である。
 比重は1より大きい。
 加熱、衝撃、摩擦等により発火、爆発するものが多い。
 空気中に長時間放置すると分解が進み、自然発火するものがある。
 引火性を有するものがある。 
 重金属と作用して爆発性の金属塩を形成するものがある。 
 
第5類の危険物に共通する貯蔵、取扱い、消火
 火気又は加熱などをさける。
 加熱、衝撃または摩擦を避けて取り扱う。
 通風や換気のよい冷所に貯蔵する。
 危険物の温度が分解温度を超えないように注意して貯蔵する。
 乾燥した状態をさけて貯蔵しなければならない物質もある。
一般に、大量の水または泡消火剤によって分解温度未満に冷却して消火する
 有効な消火剤(ただし、アジ化ナトリウムをのぞく)
 ・水(棒状・霧状)
 ・強化液(棒状・霧状)
 ・泡消火剤
 アジ化ナトリウムは、火災時の熱により分解して金属ナトリウムとなり、この金属ナトリウムに注水すると、水が分解されて水素を発生するので、注水厳禁である。
有機過酸化物について
 分子内に-O-O-という結合を有している物質である
 衝撃、摩擦等に対してきわめて不安定である。
過酸化ベンゾイルの性状
 白色粒上結晶である
 着火すると黒煙を生じるが、加熱すると白煙を生じる。
 光によって分解される。
 発火点が非常に低く、衝撃や摩擦等により爆発的に分解する。
 水には溶けない。有機溶剤には溶ける
 油脂、ワックス、小麦粉等の漂白に用いられる。
 強力な酸化作用を有している。
 粉じんは眼や肺を刺激する。
 硝酸や濃硫酸、有機物と接触すると、爆発する危険性がある。
 
エチルメチルケトンパーオキサイドの性状
 油状の引火性物質である。
 無色透明で、特有の臭気がある。
 日光や衝撃等によって分解し、発火することがある。
 ぼろ布、鉄さび等のほか、アルカリ性物質などと接触しても著しく分解が促進される。
 ジエチルエーテルにはよく溶けるが、水には溶けない。
 密栓すると分解が促進されるので、容器の蓋には通気口を設ける必要がある。
※市販品はジメチルフタレートなどの希釈剤で50~60%に薄めて安全が図られている。
過酢酸
 引火性の無色の液体で、刺激臭がある
 水、アルコール、エーテル、硫酸によく溶ける 
 引火点は41℃
硝酸エステル類
 硝酸の水素原子をアルキル基で置き換えた化合物の総称
硝酸メチル
 引火性の無色の液体で、芳香がある
 アルコール、ジエチルエーテルによく溶ける 
硝酸エチルの性状
 甘味のある無色透明の液体である。
 引火点は常温(20℃)より低い。
 蒸気は空気より重い。
 メタノールに溶ける。
 比重は1より大きく、水より重い。
 沸点は水よりも低い。
ニトログリセリンの性状
 無色で甘味のある油状液体である。
 加熱、衝撃、摩擦等により猛烈に爆発する危険性がある。
 アルコールには溶けるが、水には溶けない。
 水より重い。
 ニトログリセリンは8℃で凍結するが、液体よりも爆発力は大きくなる。

 

ニトロセルロースの性状
 無味無臭である。
 燃焼速度がきわめて速い。
 分解しやすく、空気中で自然発火することがある。
 酸化剤と接触すると、発火するおそれがある。
 有機溶剤には溶けるが、水には溶けない。
 窒素含有量が多いほど危険性が大きくなる。
 日光によって分解し、自然発火することがある。
 加熱、衝撃および打撃などにより発火することがある。
 水より重い。
 強綿薬ではなく弱綿薬がエタノールやジエチルエーテルに溶けやすい。
 乾燥すると危険性が増すため、水やアルコール、エーテルなどに湿潤させて貯蔵する。
 密栓して通風のよい冷暗所に貯蔵する
 ニトロセルロースはセルロースを硝酸と硫酸の混合液に浸して作ります。
 液に浸す時間で硝化度(窒素含有量)が異なってきます
 硝化度12.8%以上:強硝化綿
 硝化度12.8%未満:弱硝化綿
 硝化度12.5%~12.8%のもの:ピロ綿薬
 弱硝化綿からコロジオンが作られます
セルロイドの性状
 一般に、透明または半透明の固体である。
 熱可塑性である。
 アセトン、酢酸エチルなどに溶ける。
 100℃以下で軟化する。
 セルロイドは、古いものや粗製品ほど発火点は低くなる。
ニトロ化合物
 有機化合物の炭素に直結する水素をニトロ基で置き換えたもの
ピクリン酸の性状
 苦味があり、有毒である。
 急熱すると爆発することがある。
 引火性の物質である。
 酸性であって金属や塩基と塩を作る。
 ピクリン酸と過酸化ベンゾイルは、乾燥状態では不安定で危険性が増す。
トリニトロトルエンの性状
 淡黄色の結晶である。
 日光に当たると茶褐色に変色する。 TNTとも呼ばれる。
 水には溶けない。
 性状が似ているが、ピクリン酸が金属と反応するのに対して、トリニトロトルエンは反応しない。

 

ピクリン酸とトリニトロトルエン酸の共通する性状等
 酸化されやすいものと混在すると、打撃等により爆発することがある。
 爆発した際の燃焼速度は、きわめて速い。
 常温(20℃)では固体である。
 分子中に3つのニトロ基を有している。
 トリニトロトルエンは、非常に爆発の危険性のある危険物であるが、ピクリン酸よりはやや安定している。
ニトロソ化合物
 ニトロソ基を持つ化合物
ジニトロソペンタメチレンテトラミンの性状
 淡黄色の粉末
 摩擦、衝撃、加熱で、爆発的分解を起こす
 加熱分解すると、窒素を発生する
 アセトン、アルコールにわずかに溶ける
アゾ化合物
 アゾ基を有する化合物
アゾビスイソブチロニトリルの性状
 白色の固体
 加熱すると有毒なシアンガスを発生する
ジアゾ化合物
 ジアゾ基を有する化合物
ジアゾジニトロフェノールの性状
 黄色の粉末である。
 加熱すると、爆発的に分解する。 摩擦や衝撃により、容易に爆発する。
 水にはほとんど溶けない、アセトンにはよく溶ける。
 燃焼現象は爆ごうを起こしやすい。
 光によって褐色に変色しますが、その度合いが著しくなると、爆発性は小さくなる。
 直射日光をさけて水中に貯蔵する
ヒドラジンの誘導体
 ヒドラジンを元にして作られた化合物のこと 
硫酸ヒドラジンの性状
 冷水には溶けないが、温水には溶ける。
 酸化剤とは激しく反応する。
 還元性の強い、無色または白色の結晶である。
 硫酸ヒドラジンの水溶液は酸性である。
 潮解性があるので、容器は密封して貯蔵する。
 炎、火花または高温体との接近を避ける。
 日光をさけて、乾燥した場所に貯蔵する。
 取り扱いは、換気のよい場所で行い、保護具を使用する。
 硫酸ヒドロキシルアミンの水溶液は強酸性で金属を腐食させるので、金属製容器以外に貯蔵する。
ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン類
ヒドロキシルアミン
 白色の結晶
 半導体の洗浄、農薬や医薬品の原料に使われる
 
硫酸ヒドロキシルアミン
 白色の結晶
 水によく溶けるが、アルコール類にはほとんど溶けない
 炎、火花または高温体との接近を避ける。
 乾燥した場所に貯蔵する。
 取り扱いは、換気のよい場所で行い、保護具を使用する。
 水溶液は強酸性で金属を腐食させるので、金属製容器以外に貯蔵する。
 強い還元剤で、酸化剤と接触すると激しく反応して爆発する危険性がある。
 容器は密封して貯蔵する必要がある。
 潮解性がある。
 高温体に接触すると爆発的に燃焼するため、これを避けて冷暗所に貯蔵する
塩酸ヒドロキシルアミン
 白色の結晶
その他の政令で定めるもの
アジ化ナトリウムの性状
 水によく溶けやすい無色の板状結晶である。
 水より重い。
 徐々に加熱すれば、融解して約300℃で分解し、窒素と金属ナトリウムを生じる。
 酸と反応して、有毒で爆発性を持つアジ化水素酸を生じる。
 アジ化ナトリウムは水の存在で重金属と作用しますが、安定な塩ではなく、きわめて爆発しやすい塩(アジ化物)を生じる。
 エタノールには溶けにくい。
 火災時には、熱分解により金属ナトリウムを生じる。
 水による消火を行うと、可燃性ガスである水素と水酸化ナトリウムを生成するため、大量の水による冷却消火は不適切である。
硝酸グアニジンの性状
 白色の結晶
 水に溶け、アルコールにも溶ける
 爆薬の成分として使用されることがある
 急激に加熱すると、爆発する恐れがある
 大量の注水による消火が適切である
 

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