自転車のリアスプロケットで、11T・12T・13Tの違いは数字だけ見るとわずか1〜2歯です。しかし、同じチェーンリング・同じケイデンスなら、この差はそのままギア比と理論速度の差になります。今回はフロント40T、700×32C相当のタイヤ外周2.155mを仮定し、11T・12T・13Tで理論速度がどれくらい変わるか計算します。
この記事について:筆者は自転車の専門家や競技経験者ではなく、自転車を楽しみながら勉強している初心者です。初心者の視点から疑問に思ったことを、公開情報や計算式をもとに整理しています。ここで示す速度は、ギア比・ケイデンス・タイヤ外周から求める理論値です。実走速度は出力、風、路面、タイヤ、空気圧、姿勢などによって変わります。
まず結論:11Tは13Tより同じケイデンスで約18%速い
フロント40Tを固定すると、ギア比は11Tで3.64、12Tで3.33、13Tで3.08です。同じケイデンスなら、理論速度もこの比率に比例します。
| リア歯数 | ギア比(40T÷リア) | 11T比 |
|---|---|---|
| 11T | 3.64 | 100% |
| 12T | 3.33 | 約91.7% |
| 13T | 3.08 | 約84.6% |
つまり、11Tから12Tにすると同じケイデンスで速度は約8.3%低下し、11Tから13Tでは約15.4%低下します。逆に13Tから11Tへ変えると、理論速度は約18.2%高くなります。
計算方法
ギア比は次の式で求めます。
ギア比 = フロントチェーンリング歯数 ÷ リアスプロケット歯数
40T×11Tなら、
40 ÷ 11 = 3.636...
クランク1回転で後輪が理論上約3.64回転することになります。速度は次の式で求められます。
速度(km/h) = タイヤ外周(m) × ギア比 × ケイデンス(rpm) × 60 ÷ 1000
60・80・90・100rpmで比較
タイヤ外周を2.155mとして計算した結果です。
| リア | 60rpm | 80rpm | 90rpm | 100rpm |
|---|---|---|---|---|
| 11T | 28.2km/h | 37.6km/h | 42.3km/h | 47.0km/h |
| 12T | 25.9km/h | 34.5km/h | 38.8km/h | 43.1km/h |
| 13T | 23.9km/h | 31.8km/h | 35.8km/h | 39.8km/h |
90rpmではどれくらい差が出る?
90rpmでは、11Tが約42.3km/h、12Tが約38.8km/h、13Tが約35.8km/hです。
| 比較 | 速度差 |
|---|---|
| 11T − 12T | 約3.5km/h |
| 12T − 13T | 約3.0km/h |
| 11T − 13T | 約6.5km/h |
たった1〜2歯の違いでも、高いケイデンスでは速度差が数km/hまで広がります。
同じ速度を出すなら必要ケイデンスが変わる
逆に、同じ速度を保つなら小さいスプロケットほど必要ケイデンスを下げられます。たとえば40km/hを狙う場合、11Tなら約85rpm、12Tなら約93rpm、13Tなら約101rpmが必要です。
ここでいう「速い」は、同じケイデンスでの理論速度が高いという意味です。11Tにすれば自動的に実走速度が上がるわけではありません。重いギアを踏み続けるための脚力と出力が必要になります。
11Tは高速向け、13Tは少し軽い
11Tはトップスピード側に余裕を持たせやすい一方、同じ速度なら踏み込みは重くなります。13Tは同じチェーンリングならトップ側の速度域は下がりますが、そのぶん同じケイデンス域で扱いやすくなります。
街中では信号や減速が多いため、理論上の最高速度だけでなく、普段使う速度域でギアがつながりやすいかも重要です。
スプロケット交換だけでは済まない場合もある
実際の自転車では、11Tを使えるかどうかはカセットの構成、フリーボディ、リアディレイラー、チェーン長、変速機の対応歯数などに左右されます。歯数だけを見て交換できるとは限りません。
まとめ
フロント40T、外周2.155mの条件では、90rpmで11Tが約42.3km/h、12Tが約38.8km/h、13Tが約35.8km/hとなりました。11Tと13Tの差は約6.5km/hです。
理論上は小さいリアスプロケットほど同じケイデンスで速く走れます。ただし実走では必要出力が増えるため、「11Tだから速い」ではなく、自分がそのギアを回し切れるかまで含めて考えるのが大切です。
