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RL回路の考察例|電流の立ち上がり・減衰・時定数・誤差原因

RL回路の実験は、抵抗器とコイルを直列に接続した回路で、電源を接続・遮断したときの電流や電圧の時間変化を測定し、自己誘導と過渡現象を確認する実験です。

コイルには、流れる電流の変化を妨げる向きに誘導起電力を生じる性質があります。そのため、直流電源へ接続しても電流は瞬間的に最終値へ達せず、時間とともに増加します。反対に、電源を切った後も電流は瞬間的には0にならず、コイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出しながら減少します。

RL回路における変化の速さは、自己インダクタンス L と回路の抵抗 R によって決まり、時定数 τ = L/R で表されます。

この記事では、直流電源、抵抗器、コイル、スイッチ、オシロスコープなどを用いたRL直列回路を想定し、導入、注意書き、結果項目、参考実験値、計算、誤差原因、結果文、考察例の順にまとめます。

注意:

この記事は、学校や大学などの物理実験で得られた結果を考察するための学習用参考資料です。掲載している実験条件と測定値は説明用の例であり、実際の測定結果ではありません。

コイルを流れる電流を急に遮断すると、大きな逆起電力が発生する場合があります。感電や測定器の破損を防ぐため、電源電圧、電流、コイルの定格、保護ダイオードや抵抗の有無を確認してください。配線変更前には必ず電源を切り、実際の操作は所属学校の実験書、担当教員、TAの指示に従ってください。

RL回路とは

RL回路は、抵抗器とコイルを含む回路です。直流電源へ接続した直後や電源を切り替えた直後には、コイルの自己誘導によって電流と電圧が時間とともに変化します。

コイルの誘導起電力

自己インダクタンス L のコイルに流れる電流が変化すると、次の誘導起電力が生じます。

VL = −L(dI/dt)

負号は、誘導起電力が電流の変化を妨げる向きに生じることを表します。これはレンツの法則に対応します。

RL回路の時定数

理想的なRL直列回路の時定数は、次の式で表されます。

τ = L/R

実際の回路では、外付け抵抗だけでなく、コイルの巻線抵抗、電源の内部抵抗、信号発生器の出力抵抗なども含めた合成抵抗を用います。

τ = L/Rtotal

電源を接続したときの電流

電源電圧を V0、合成抵抗を R とすると、電源接続後の電流は次の式で表されます。

I(t) = (V0/R){1 − exp(−tR/L)}

最終電流は、十分時間が経過したときの直流電流です。

I = V0/R

電源を接続したときのコイル電圧

理想コイルの両端電圧は、接続直後に最大となり、時間とともに0へ近づきます。

VL(t) = V0exp(−tR/L)

抵抗器の両端電圧は、電流の増加に伴って最終的に電源電圧へ近づきます。

VR(t) = V0{1 − exp(−tR/L)}

電流の減衰

電源を切り、コイルの電流が抵抗を通して減衰する回路を作った場合、電流は次の式で表されます。

I(t) = I0exp(−tR/L)

1時定数後の値

電源接続から1時定数後には、電流は最終値の約63.2%になります。

I(τ) = I(1 − e−1) ≈ 0.632I

減衰開始から1時定数後には、電流は初期値の約36.8%になります。

I(τ) = I0e−1 ≈ 0.368I0

約5時定数が経過すると、立ち上がりでは最終値の約99.3%、減衰では初期値の約0.67%となり、実用上はほぼ変化が完了したとみなせます。

結果に記録する主な項目

  • コイルの公称自己インダクタンス
  • コイルの巻線抵抗
  • 外付け抵抗の公称値と実測値
  • 回路全体の合成抵抗
  • 電源電圧
  • 理論時定数 L/R
  • 電流の立ち上がり波形
  • 電流の減衰波形
  • 抵抗器両端の電圧波形
  • コイル両端の電圧波形
  • 最終電流
  • 1時定数後の電流
  • 63.2%または36.8%から求めた実験時定数
  • 半対数グラフの傾きから求めた時定数
  • 実験時定数から求めた自己インダクタンス
  • 理論値と実験値の相対誤差
  • オシロスコープの時間軸、電圧軸、プローブ倍率
  • 信号発生器の出力抵抗
  • 鉄心の有無や電流値による波形の変化

参考実験条件

項目 参考条件
コイルの公称インダクタンスL 100 mH
コイルの巻線抵抗r 20 Ω
外付け抵抗R 80 Ω
合成抵抗Rtotal 100 Ω
電源電圧V0 5.00 V
理論時定数τ 1.00 ms
最終電流I 50.0 mA
測定方法 オシロスコープ
入力波形 方形波
測定時間 0~5.0 ms

参考実験値

電源接続後の電流立ち上がり

時間 t(ms) 理論電流(mA) 実測電流(mA) 最終値に対する割合
0.0 0.00 0.3 0.6%
0.5 19.67 19.4 38.8%
1.0 31.61 31.3 62.6%
1.5 38.84 38.5 77.0%
2.0 43.23 42.9 85.8%
2.5 45.90 45.6 91.2%
3.0 47.51 47.2 94.4%
4.0 49.08 48.8 97.6%
5.0 49.66 49.4 98.8%

電源接続後のコイル電圧

時間 t(ms) 理論コイル電圧(V) 実測コイル電圧(V)
0.0 5.000 4.92
0.5 3.033 3.01
1.0 1.839 1.86
1.5 1.116 1.14
2.0 0.677 0.70
3.0 0.249 0.27
4.0 0.092 0.10
5.0 0.034 0.04

電流の減衰

時間 t(ms) 理論電流(mA) 実測電流(mA) 初期値に対する割合
0.0 50.00 49.7 99.4%
0.5 30.33 30.5 61.4%
1.0 18.39 18.6 37.4%
1.5 11.16 11.4 22.9%
2.0 6.77 7.0 14.1%
2.5 4.10 4.3 8.7%
3.0 2.49 2.7 5.4%
4.0 0.92 1.0 2.0%
5.0 0.34 0.4 0.8%

外付け抵抗を変えた場合の時定数

外付け抵抗 コイル抵抗 合成抵抗 理論時定数 実験時定数
30 Ω 20 Ω 50 Ω 2.00 ms 1.96 ms
80 Ω 20 Ω 100 Ω 1.00 ms 0.99 ms
180 Ω 20 Ω 200 Ω 0.50 ms 0.49 ms

インダクタンスを変えた場合の時定数

インダクタンス 合成抵抗 理論時定数 実験時定数
47 mH 100 Ω 0.47 ms 0.46 ms
100 mH 100 Ω 1.00 ms 0.99 ms
220 mH 100 Ω 2.20 ms 2.14 ms

計算方法

合成抵抗を求める

外付け抵抗80 Ω、コイルの巻線抵抗20 Ωの場合は、次のようになります。

Rtotal = 80 + 20

= 100 Ω

理論時定数を求める

インダクタンス100 mH、合成抵抗100 Ωの場合は、単位をHへ直して計算します。

L = 100 mH = 0.100 H

τ = L/R

= 0.100 / 100

= 1.00 × 10−3 s

= 1.00 ms

最終電流を求める

I = V0/R

= 5.00 / 100

= 0.0500 A

= 50.0 mA

1 ms後の立ち上がり電流

I(t) = I{1 − exp(−t/τ)}

= 50.0{1 − exp(−1.00/1.00)}

= 50.0(1 − 0.3679)

= 31.6 mA

1 ms後のコイル電圧

VL(t) = V0exp(−t/τ)

= 5.00exp(−1.00/1.00)

= 1.84 V

63.2%から実験時定数を求める

最終電流が49.7 mAの場合、その63.2%は次のようになります。

0.632 × 49.7 = 31.4 mA

電流立ち上がり曲線が31.4 mAへ達する時刻を読み取ります。参考例では約0.99 msであるため、実験時定数は0.99 msです。

36.8%から実験時定数を求める

減衰開始時の電流が49.7 mAの場合、その36.8%は次のようになります。

0.368 × 49.7 = 18.3 mA

減衰曲線が18.3 mAへ低下する時刻を読み取り、時定数とします。

減衰曲線を直線化する

電流減衰式の両辺の自然対数をとると、次のようになります。

lnI = lnI0 − (R/L)t

横軸を時間 t、縦軸を lnI としたグラフの傾きは −R/L、すなわち −1/τ です。

傾き a = −1/τ

τ = −1/a

例えば、傾きが−1.01 × 103 s−1の場合は、次のようになります。

τ = −1/(−1.01 × 103)

= 9.90 × 10−4 s

= 0.990 ms

実験時定数からインダクタンスを求める

実験時定数0.990 ms、合成抵抗101 Ωの場合は、次のようになります。

L = τR

= 0.990 × 10−3 × 101

= 9.999 × 10−2 H

≈ 100 mH

相対誤差

理論時定数1.00 ms、実験時定数0.99 msの場合は、次のようになります。

相対誤差(%) = |実験値 − 理論値| / 理論値 × 100

= |0.99 − 1.00| / 1.00 × 100

= 1.0%

コイルに蓄えられる磁気エネルギー

最終電流50.0 mA、インダクタンス0.100 Hの場合は、次のようになります。

U = (1/2)LI2

= (1/2) × 0.100 × (0.0500)2

= 1.25 × 10−4 J

主な誤差原因

誤差原因 測定への影響 結果に現れやすい傾向 改善方法
コイルの巻線抵抗 外付け抵抗以外の抵抗が加わる 時定数が外付け抵抗だけの計算より小さくなる 巻線抵抗を測定して合成抵抗へ含める
抵抗器の許容差 実際の合成抵抗が公称値と異なる 時定数と最終電流がずれる 実測抵抗値を用いる
インダクタンスの許容差 実際のLが公称値と異なる 立ち上がり・減衰時間が変化する 実験値からLを求めて比較する
鉄心の非線形性 Lが電流や磁束密度によって変化する 波形が単純な指数関数から外れる 小電流で測定し、飽和を避ける
鉄心のヒステリシス・渦電流 磁気損失が生じる 理想式とのずれや波形の遅れが生じる 高周波用コアや空芯コイルを使う
信号発生器の出力抵抗 一般に約50 Ωが直列に加わる 時定数が小さく、最終電流も小さくなる 出力抵抗を合成抵抗に含める
電源の内部抵抗 通電時の端子電圧と合成抵抗が変化する 最終電流が理論値より小さくなる 通電中の端子電圧を測定する
オシロスコープの入力抵抗 測定点へ並列負荷が加わる 測定回路の電圧と時定数が変化する 10倍プローブなどを使用する
プローブの入力容量 高周波成分を鈍らせる 立ち上がり初期の波形が丸くなる 補正済みの低容量プローブを使う
コイルの寄生容量 コイルが純粋なLとして振る舞わない 高速切替時に振動やリンギングが生じる 十分低い周波数で測定する
スイッチや配線の寄生インダクタンス 追加の誘導成分が生じる 遮断時の電圧波形にスパイクが出る 配線を短くし、ループ面積を小さくする
保護ダイオード 放電経路と電圧が変化する 減衰時定数が理論回路と異なる ダイオードを含む等価回路で解析する
時刻0の読み取り 切替時刻と測定開始がずれる 時定数の読み取りに系統誤差が生じる トリガ機能を使用する
低電流域のノイズ 減衰終盤の相対誤差が大きくなる 半対数グラフの末端が直線から外れる ノイズ床に近い点を近似から除外する
コイルの発熱 巻線抵抗が時間とともに増加する 最終電流が低下し、時定数も変化する 小電流・短時間で測定する

電流が瞬間的に変化しない理由

コイルの電圧は VL = LdI/dt で表されます。電流を瞬間的に変化させるには、dI/dt が無限大となり、無限大の電圧が必要になります。

実際の電源電圧は有限であるため、コイルを流れる電流は連続的に変化します。

接続直後にコイル電圧が大きい理由

接続直後は電流の増加率が最大であり、自己誘導による逆起電力も最大になります。理想的な場合、接続直後には電源電圧のほぼ全てがコイルへ加わり、抵抗器の電圧はほぼ0になります。

時間が経過すると電流の増加率が小さくなるため、コイル電圧は低下し、抵抗器の電圧が増加します。

十分時間が経過するとコイルが導線のように振る舞う理由

直流定常状態では電流が一定となり、dI/dt = 0です。そのため理想コイルの誘導起電力は0となり、短絡に近い状態として振る舞います。

ただし、実際のコイルには巻線抵抗があるため、完全な短絡ではありません。

抵抗が大きいほど時定数が小さくなる理由

RL回路の時定数は τ = L/R であるため、抵抗が大きいほど時定数は小さくなります。これはRC回路で抵抗が大きいほど時定数が大きくなる関係とは反対です。

減衰時には抵抗が大きいほど磁気エネルギーが速く熱へ変換され、電流が速く減少します。

インダクタンスが大きいほど変化が遅くなる理由

インダクタンスが大きいコイルほど、同じ電流変化に対して大きな逆起電力を生じます。そのため電流変化を強く妨げ、立ち上がりと減衰に長い時間が必要となります。

結果の書き方の例

自己インダクタンス100 mH、巻線抵抗20 Ωのコイルと、外付け抵抗80 Ωを直列に接続し、5.00 Vの方形波を加えて抵抗器両端の電圧を測定した。

電流は接続直後の約0 mAから指数関数的に増加し、1.0 msで31.3 mA、5.0 msで49.4 mAとなった。十分時間が経過した後の電流は約49.7 mAであった。

最終電流の63.2%に達する時刻から求めた実験時定数は0.99 msであり、合成抵抗100 Ωとインダクタンス100 mHから求めた理論時定数1.00 msに対する相対誤差は1.0%であった。

考察につなげるポイント

  • 電流の立ち上がり・減衰は指数関数的であったか。
  • 1時定数後の電流は63.2%または36.8%に近かったか。
  • 理論時定数L/Rと実験時定数は一致したか。
  • コイルの巻線抵抗を合成抵抗へ含めたか。
  • 最終電流はV/Rと一致したか。
  • 接続直後と定常状態で、コイル電圧はどう変化したか。
  • 外付け抵抗を大きくすると時定数はどう変化したか。
  • インダクタンスを大きくすると時定数はどう変化したか。
  • 半対数グラフは直線になったか。
  • 信号発生器の出力抵抗は結果へどう影響したか。
  • 鉄心の非線形性や磁気飽和は無視できたか。
  • 遮断時の電圧スパイクやリンギングが見られたか。
  • コイルの発熱による巻線抵抗変化はあったか。

考察例

本実験では、自己インダクタンス100 mH、巻線抵抗20 Ωのコイルと、外付け抵抗80 Ωを直列に接続したRL回路について、電源接続後および遮断後の電流の時間変化を測定した。

電源接続直後の電流はほぼ0であり、その後急速に増加したが、時間の経過とともに増加量は小さくなり、最終的に約49.7 mAへ近づいた。反対に、減衰時の電流は初期値から急速に低下し、その後は減少量が小さくなりながら0へ近づいた。

立ち上がり電流は I(t) = I{1 − exp(−t/τ)}、減衰電流は I(t) = I0exp(−t/τ) で表される指数関数的な変化とおおむね一致した。

外付け抵抗80 Ωだけでなく、コイルの巻線抵抗20 Ωを含めると合成抵抗は100 Ωとなる。したがって、理論時定数は τ = L/R = 0.100/100 = 1.00 msである。

電流が最終値の63.2%に達する時刻を立ち上がり波形から読み取ると約0.99 msであった。また、減衰波形において初期電流の36.8%へ低下する時刻も約1.0 msとなった。

実験時定数0.99 msは理論値1.00 msと近く、相対誤差は1.0%であった。このことから、RL回路の過渡変化の速さがインダクタンスと合成抵抗の比によって決まることを確認できた。

電源接続直後には電流がほぼ0であるため、抵抗器の電圧降下もほぼ0であり、電源電圧の大部分がコイルへ加わった。コイルは電流の増加を妨げる向きに逆起電力を発生するためである。

時間が経過すると電流の増加率が低下し、コイルの誘導起電力も小さくなった。その結果、抵抗器の両端電圧は増加し、定常状態では電源電圧の大部分が抵抗成分へ加わった。

十分時間が経過した直流定常状態では、電流が一定であるため dI/dt = 0となり、理想コイルの誘導起電力は0になる。ただし、実際のコイルには巻線抵抗があるため、コイル全体の電圧が完全に0になるわけではない。

外付け抵抗を大きくすると、時定数は小さくなり、電流はより速く最終値へ近づいた。RL回路では τ = L/R であるため、抵抗が時定数を大きくするRC回路とは逆の関係になる。

一方、インダクタンスを大きくすると時定数は大きくなり、電流変化は遅くなった。インダクタンスが大きいほど、同じ電流変化に対して大きな逆起電力を生じ、変化を強く妨げるためである。

理論値と実験値の差が生じた原因として、コイルのインダクタンスと抵抗器の許容差、信号発生器の出力抵抗、電源の内部抵抗、オシロスコープの入力特性などが考えられる。

特に、信号発生器には一般に有限の出力抵抗があり、これを無視すると実際の合成抵抗を小さく見積もることになる。その結果、理論時定数を実際より大きく計算する可能性がある。

鉄心入りコイルでは、インダクタンスが電流に対して一定とは限らない。電流が大きくなって磁気飽和へ近づくとインダクタンスが低下し、波形が単純な指数関数からずれる場合がある。

また、電源遮断時にはコイルが電流を維持しようとするため、大きな逆起電力が発生する。スイッチ、配線、プローブの寄生成分によっては、オシロスコープ上に電圧スパイクやリンギングが現れる可能性がある。

減衰終盤では電流が小さくなるため、測定器のノイズや分解能の影響が相対的に大きくなる。そのため、半対数グラフを用いる場合は、ノイズ床に近い測定点を近似計算から除外する必要がある。

測定精度を高めるには、コイルの巻線抵抗、信号発生器の出力抵抗、外付け抵抗を含めた合成抵抗を用いることが重要である。また、コイルの発熱や磁気飽和を避けるため、適切な電流範囲で短時間測定することが望ましい。

以上より、RL回路ではコイルの自己誘導によって電流が瞬間的に変化せず、立ち上がりと減衰が指数関数的に進み、その変化の速さが時定数 τ = L/R によって決まることを実験的に確認できた。

実験時定数が理論値より小さかった場合の考察例

実験時定数が理論値より小さくなった原因として、コイルの巻線抵抗や信号発生器の出力抵抗を合成抵抗へ含めていなかったこと、実際のインダクタンスが公称値より小さかったこと、鉄心が磁気飽和してインダクタンスが低下したことなどが考えられる。

実験時定数が理論値より大きかった場合の考察例

実験時定数が理論値より大きくなった原因として、実際のインダクタンスが公称値より大きかったこと、合成抵抗を実際より大きく見積もったこと、オシロスコープの帯域やプローブの入力容量によって立ち上がり波形が鈍く観測されたことなどが考えられる。

波形に振動が見られた場合の考察例

切替直後の波形に振動やリンギングが見られた原因として、コイルの寄生容量、配線の寄生インダクタンス、オシロスコーププローブの容量などによって、回路が純粋なRL回路ではなくRLC回路として振る舞ったことが考えられる。

最終電流が理論値より小さかった場合の考察例

最終電流が理論値より小さかった原因として、コイルの巻線抵抗、電源や信号発生器の内部抵抗、導線抵抗を計算へ含めていなかったこと、通電によるコイルの発熱で巻線抵抗が増加したことなどが考えられる。

まとめ

RL回路では、コイルの自己誘導によって電流が瞬間的に変化せず、電源接続後の立ち上がりと遮断後の減衰が指数関数的に進みます。

変化の速さは時定数 τ = L/R によって決まり、1時定数後には立ち上がり電流が最終値の約63.2%、減衰電流が初期値の約36.8%となります。

考察では、コイルの巻線抵抗を含む合成抵抗、逆起電力、最終電流、半対数グラフ、信号発生器の出力抵抗、磁気飽和、寄生成分、遮断時の電圧スパイクなどを関連づけて説明することが重要です。