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廃棄物処理法|刈草・剪定枝の適切な処分方法

公園、緑地、街路樹、運動施設などの維持管理では、草刈りによる刈草、樹木剪定による枝葉、伐採木、落葉などが継続的に発生します。

これらを処分する場合は、廃棄物処理法に基づき、廃棄物の区分、排出者、収集運搬業者の許可、処分先、保管方法などを確認する必要があります。刈草や剪定枝は自然物だから自由に捨てられる、現場で燃やしてよい、近くの空き地へ置いてよいというものではありません。

この記事の対象:自治体の公園担当者、指定管理者、公園管理事務所、造園会社、草刈り・剪定・清掃受託者などを対象にしています。
注意:刈草・剪定枝の区分や受入条件は、発生した作業の内容、排出者、処理方法、自治体の一般廃棄物処理計画などによって異なります。実際に委託する前に、自治体の廃棄物担当部署と処理施設へ確認してください。

廃棄物処理法とは

廃棄物処理法の正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」です。

この法律は、廃棄物の排出抑制、適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分などを通じて、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的としています。

廃棄物とは、ごみ、汚泥、廃油、動物の死体その他の汚物または不要物で、固形状または液状のものをいいます。刈草や剪定枝も、占有者が不要物として処分する場合は、廃棄物に該当します。

刈草・剪定枝は一般廃棄物か産業廃棄物か

廃棄物処理法では、廃棄物を大きく一般廃棄物と産業廃棄物に分けています。一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物です。

刈草や剪定枝は、すべて同じ区分になるわけではありません。どのような事業や工事から発生したかによって判断が変わります。

発生状況 一般的な考え方 確認事項
公園の日常的な草刈り・剪定 事業系一般廃棄物として扱われることが多い 市町村の一般廃棄物処理計画、受入基準、許可業者
造園・公園整備などの建設工事に伴う伐採・剪定 建設業に係る木くずとして産業廃棄物に該当する場合がある 工事契約、排出事業者、産業廃棄物処理業者の許可
剪定枝にプラスチックや金属が混入 混合物として種類ごとの分別・処理が必要 袋、結束材、支柱、ワイヤーなどの分別
有価物として品質管理し売却・利用 状況により廃棄物に該当しない可能性がある 用途、品質、取引価値、保管状態などを総合判断
重要:「植物だから一般廃棄物」「造園会社が出したから産業廃棄物」と単純には判断できません。発生原因となった業務や工事の性質を確認します。

通常の公園維持管理で出た刈草・剪定枝

定期的な草刈り、低木刈込み、樹木剪定、落葉清掃など、通常の公園維持管理から発生した刈草や剪定枝は、一般に事業系一般廃棄物として扱われることが多くあります。

事業系一般廃棄物は、家庭ごみの集積所へ自由に出せるものではありません。市町村のルールに従って、指定施設へ自己搬入するか、一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者などへ委託します。

建設工事に伴って発生した場合

公園の新設、大規模改修、造成、施設撤去などの建設工事に伴って発生する木くずは、産業廃棄物に該当する場合があります。

同じ樹木の枝でも、日常管理の剪定で出たものと、建設工事に伴う伐採で出たものでは、廃棄物の区分や委託方法が異なる可能性があります。

工事発注時には、次の事項を確認します。

  • 作業が維持管理業務か建設工事か
  • 排出事業者は誰か
  • 廃棄物の種類と予定量
  • 収集運搬業者と処分業者の許可
  • 委託契約書の内容
  • 産業廃棄物管理票の必要性
  • 最終的な処理方法

排出事業者は誰になるのか

廃棄物を適正に処理する責任を持つ主体を、一般に排出事業者と呼びます。

自治体直営作業、指定管理業務、維持管理委託、建設工事では、契約関係や作業内容が異なります。特に建設工事では、元請業者が排出事業者となる原則が関係するため、自治体、元請、下請のどこが処理責任を負うかを契約前に整理します。

処理を業者へ委託しても、排出事業者の責任がすべてなくなるわけではありません。不適正処理や不法投棄を防ぐため、許可、委託先、処理経路、最終処分を確認します。

収集運搬業者の許可を確認する

刈草や剪定枝の収集運搬を他者へ委託する場合は、廃棄物の区分に対応した許可が必要です。

廃棄物の区分 委託先の例 主な確認事項
一般廃棄物 市町村または一般廃棄物収集運搬業許可業者 対象市町村の許可、許可品目、搬入先
産業廃棄物 産業廃棄物収集運搬業許可業者 許可地域、廃棄物の種類、有効期限、処分先

造園業者や便利屋が作業を請け負っていることと、一般廃棄物または産業廃棄物を収集運搬できることは別です。作業契約だけでなく、必要な許可を保有しているか確認します。

自己運搬なら自由に運べるのか

排出事業者が自ら運搬する場合、他人の廃棄物を業として運搬する場合とは許可の扱いが異なります。ただし、自己運搬であっても、飛散・流出防止、表示、運搬先の受入条件などの処理基準を守る必要があります。

軽トラックの荷台から枝葉を落下させたり、悪臭や汚水を発生させたりしないよう、シート、ロープ、容器などを使用します。

公園内での一時保管

刈草や剪定枝を収集日まで公園内へ一時的に置く場合は、利用者の安全と生活環境への影響に配慮します。

  • 利用者が立ち入らない場所を選ぶ
  • 道路や避難経路をふさがない
  • 飛散、流出、崩落を防ぐ
  • 腐敗や悪臭を防ぐ
  • 害虫、害獣、火災の発生を防ぐ
  • 一般ごみや不法投棄物と混ぜない
  • 保管期間を必要最小限にする
  • 量と搬出日を記録する

大量の枝葉を長期間積み上げると、発酵熱、火災、崩落、害虫発生などの危険があります。単なる仮置きのつもりでも、実態として長期放置にならないよう管理します。

袋や結束材は分別する

刈草を入れたプラスチック袋、枝を束ねたビニールひも、金属ワイヤー、樹木支柱、看板、土砂などが混ざると、処理施設で受け入れられない場合があります。

作業現場で次のように分別します。

  • 刈草・葉
  • 細い剪定枝
  • 太い幹・根株
  • 土砂・石
  • プラスチック袋・結束材
  • 金属類
  • 薬剤容器などの危険物

野焼きは原則禁止

廃棄物の野外焼却は、一部の例外を除いて原則として禁止されています。公園の隅で刈草や剪定枝を集めて燃やす行為も、通常は避けなければなりません。

どんど焼きなどの風俗慣習上の行事、農林漁業を営むためにやむを得ない焼却、軽微なたき火など一定の例外がありますが、公園維持管理で発生した大量の刈草・剪定枝を処分する目的の焼却が、自動的に例外になるわけではありません。

注意:例外に該当する可能性があっても、煙、悪臭、火災など生活環境への支障が認められる場合や、消防関係法令・条例に抵触する場合があります。現場判断で焼却しないでください。

公園内に埋めてもよいのか

刈草や剪定枝を穴へ埋めたり、法面や樹林地へ投棄したりすることは、適正処理とはいえません。

腐敗、悪臭、害虫、地盤沈下、排水障害、火災などの原因になるほか、不法投棄と判断される可能性があります。再利用する場合を除き、適正な処理施設へ搬出します。

刈草をその場に残す場合

草刈り後の細かな刈草を、土壌保護や自然分解を目的として薄く均一に残す管理方法があります。これは、単に廃棄物を捨てる行為とは異なり、管理上の合理的な利用として行われる場合があります。

ただし、厚く積み上げる、園路や排水施設へ流出する、悪臭や害虫を発生させるといった状態は避けます。再利用として認められるかは、目的、量、品質、保管状態、利用実態などを総合的に判断します。

チップ化による再利用

剪定枝を破砕してウッドチップにし、園路、植栽地のマルチング、土壌乾燥防止などへ利用する方法があります。

チップ化では、次の事項を確認します。

  • 明確な利用目的と必要量があるか
  • 病害虫が付着した枝を利用してよいか
  • 外来植物の種子や繁殖部分が混入していないか
  • とげ、有毒植物、異物が混ざっていないか
  • 厚く敷きすぎて腐敗しないか
  • 保管中に発酵熱や火災が生じないか
  • 余剰分を長期間放置していないか
再利用の注意点:「いつか使う」と大量に積み上げているだけでは、廃棄物の放置と判断される可能性があります。用途、使用時期、品質、数量を明確にします。

堆肥化による再資源化

刈草や落葉を堆肥化し、植栽管理へ利用する方法もあります。適切に行えば焼却量の削減や資源循環につながります。

一方、水分量、通気、温度管理が不十分だと、腐敗臭、害虫、汚水が発生します。公園内で実施する場合は、施設規模、周辺住宅、管理人員、利用先を踏まえて計画します。

処理施設へ持ち込む場合

自治体の清掃工場、資源化施設、民間の木くず処理施設などでは、受入対象、枝の太さ、長さ、異物混入、搬入時間、料金などが定められています。

搬入前に確認する事項は次のとおりです。

  • 一般廃棄物と産業廃棄物のどちらを受け入れる施設か
  • 刈草、葉、枝、幹、根株の受入可否
  • 枝の長さ・太さの制限
  • 土砂や袋の分別条件
  • 搬入者や車両の登録
  • 搬入料金
  • 伝票や計量票の発行

外来植物や病害虫が付いた枝葉

特定外来生物に指定された植物や、種子・地下茎から再生しやすい外来植物は、通常の刈草と同じように運ぶと拡散するおそれがあります。

また、病害虫が付着した枝葉をチップ化して別の公園へ運ぶと、被害を広げる可能性があります。

対象種、法令上の運搬規制、袋詰め、処分方法、車両や機械の洗浄方法を、自然環境担当部署や樹木管理担当者と確認します。

台風・災害後の大量発生

台風、大雪、地震などの後には、倒木や折枝が大量に発生します。通常の収集体制では処理できない場合があるため、仮置場、分別、搬出先を早期に確保します。

災害時には、次のような区分で管理すると処理しやすくなります。

  • 再利用できる幹材
  • 破砕処理する枝葉
  • 土砂やがれきが付着したもの
  • 金属、プラスチックなどとの混合物
  • 病害虫や外来種の拡散に注意が必要なもの

委託仕様書に定める内容

草刈り・剪定業務を委託する場合は、「発生材は受託者が適正に処分する」とだけ書くのではなく、処理方法を具体化します。

  • 廃棄物の想定区分
  • 排出事業者の整理
  • 現場内での分別方法
  • 一時保管場所と保管期限
  • 収集運搬・処分業者の許可確認
  • 搬入先
  • 計量票、受入伝票、写真の提出
  • 再資源化の方法
  • 野焼き、埋立て、不法投棄の禁止
  • 外来種・病害虫発生材の取扱い

適正処理を確認する記録

刈草・剪定枝を搬出した後は、次のような記録を保存します。

  • 作業日と発生場所
  • 刈草・剪定枝のおおよその量
  • 廃棄物の区分
  • 収集運搬業者
  • 搬入先・処分先
  • 計量票、受入伝票
  • 産業廃棄物の場合は必要な管理票
  • 再資源化した場合の利用先
  • 現場と搬出時の写真

公園管理担当者向けチェックリスト

  • 刈草・剪定枝が廃棄物に該当するか確認したか
  • 一般廃棄物か産業廃棄物か確認したか
  • 維持管理業務か建設工事か整理したか
  • 排出事業者を確認したか
  • 委託先が必要な許可を保有しているか
  • 処分施設が対象物を受け入れられるか
  • 袋、金属、土砂などを分別したか
  • 飛散・流出しない方法で運搬しているか
  • 公園内で長期放置していないか
  • 野焼きや埋立てを行っていないか
  • チップ化・堆肥化の用途と量が明確か
  • 伝票、計量票、写真を保存しているか

まとめ

公園管理で発生する刈草や剪定枝は、不要物として処分する場合、廃棄物処理法の対象になります。通常の維持管理から発生したものは事業系一般廃棄物として扱われることが多い一方、建設工事に伴う木くずは産業廃棄物に該当する場合があります。

処理を委託する場合は、廃棄物の区分に対応した収集運搬業者・処分業者の許可を確認します。作業を委託しただけでは、廃棄物を適正に処理する責任まで自動的になくなるわけではありません。

野焼き、空き地への放置、公園内への埋立ては避け、自治体や処理施設のルールに従って処理します。可能な場合は、チップ化、堆肥化、木材利用などの再資源化を検討し、発生量、搬出先、処理結果を記録することが重要です。

参考資料・公的情報

内容確認日:2026年7月19日