Park 公園管理

グラウンド・ゴルフとは?ルール・用具価格・始め方・公園利用の注意点

グラウンド・ゴルフは、専用クラブでボールを打ち、ホールポストに入るまでの打数を競う日本生まれの生涯スポーツです。ゴルフ場を必要とせず、学校のグラウンド、公園、河川敷などでもコースを設けられるため、地域活動や高齢者スポーツとして広く普及しています。

この記事では、初心者向けのルール、ゲートボールやパークゴルフとの違い、用具の実売価格、個人・10人団体の初期費用、維持費、競技人口、公園利用や芝生管理上の注意点まで解説します。

価格・制度の確認時点は2026年9月です。施設の利用条件と料金は自治体ごとに異なります。

グラウンド・ゴルフのクラブ、ボール、ホールポスト、旗、スタートマットなどの資機材一式
グラウンド・ゴルフで使用する主な資機材

グラウンド・ゴルフとは?

スタートマットからボールを打ち、各ホールのホールポスト内でボールが静止する「トマリ」までの打数を記録します。標準コースは8ホールで、合計打数が少ない人が上位です。審判を常置せず、原則としてプレーヤー自身が判定する点も特徴です。

似た競技との違い

競技 主な違い
ゲートボール 5人対5人のチーム戦で、相手球へのタッチや30分の時間制がある
グラウンド・ゴルフ 個人の合計打数を競う。標準8ホールで、他人の球を戦術的に移動させない
パークゴルフ 専用コースを使うことが多く、距離や起伏が大きい。カップも異なる
通常のゴルフ 広大なコース、多種類のクラブ、小さな硬球を使う。飛距離と危険性が大きい

初心者向け難易度

基本動作は「止まっているボールをホールポストへ向けて打つ」だけなので、初回から参加しやすい競技です。ただし50mホールの距離感、地面の傾斜や芝目、ホールインワンを狙う方向調整には経験が必要です。

初心者向け評価:ルールはやさしい、運動量は軽~中程度、上達には距離感と方向性の練習が必要です。

基本ルールと競技方法

項目 内容
人数 1人でも可能。通常は数人の組で順番に回る
標準コース 50m、30m、25m、15mを各2ホール、合計8ホール
勝敗 規定ホール終了時の合計打数が少ない人が上位
ホールインワン 第1打でトマリになった場合、実打数から1回につき3打を差し引く
アウト・紛失球 1打を加え、プレー可能な場所へ置いて続行
他球に当たった場合 打った球は止まった位置。当てられた球は元の位置へ戻す
判定 原則としてプレーヤー自身。難しい場合は同伴者の同意を求める

8ホールを1ラウンドとして、地域大会では2~4ラウンド行う例があります。人数、歩行速度、待ち時間、コース間隔によりますが、8ホールは概ね30~60分を見込むとよいでしょう。

コートサイズ・所要時間・運動量

標準コースは最長50mのホールを含むため、8ホールを安全に配置するには広い運動場が必要です。ただし場所の広さや形状に応じ、距離を短縮した体験用コースも作れます。

プレー中は各ホールを歩いて移動するため、激しい走行はないものの、ゲートボールより歩行量が増えやすい競技です。暑熱時は日陰、飲料、休憩を確保します。

必要な用具・資機材

個人用

用具 必要度 用途
専用クラブ 必須 ボールを打つ。左右兼用製品もある
専用ボール 必須 自分の球を色で識別する
マーカー 必須 一時的に球を取り除く際の位置表示
クラブケース 推奨 クラブと小物の運搬
スコアカード・鉛筆 推奨 各ホールの打数を記録
運動靴・帽子・飲料 推奨 転倒・暑熱対策

団体・主催者用

用具 標準数量
ホールポスト 8台
番号旗 1~8番を各1枚
スタートマット 8枚
クラブ・ボール 参加者数または貸出人数分
距離計・巻尺 1~2個
スコアカード・筆記具 参加者分
カラーコーン・案内表示 適量
救急用品・暑熱対策品 1式
収納ケース コース用品・クラブ用

用具の実売価格

用具 2026年に確認できた販売例 目安
クラブ 上位モデル27,000~39,480円など 初心者向け約6,000円台から、一般的に1万~4万円程度
ボール 認定球1個1,578円、限定球1,650円など 約1,100~1,700円/個
クラブ・ボール・ケース3点セット メーカー構成例あり 約8,000~30,000円程度
6人用チームセット クラブ・ボール6組45,800円 約45,000~50,000円
8ホールコースセット アシックス55,980円、ハタチ65,120~73,480円 約56,000~75,000円
旗8枚 8,360円 約8,000~9,000円
コース用品収納ケース 5,544円の例 約5,000~7,000円

価格は送料、在庫、セール、認定品かどうかで変わります。大会参加を想定する場合は、日本グラウンド・ゴルフ協会認定品かを確認してください。

始めるための初期費用

1人で既存クラブへ参加

構成 目安
低価格のクラブ・ボール・ケース・マーカー 約9,000~15,000円
標準的な認定用品一式 約15,000~30,000円
上位クラブを選ぶ場合 約30,000~45,000円以上

10人程度の団体を作る場合

標準例:6人用セット45,800円+4人分約30,000円+8ホールセット55,980~73,480円+収納・コーン・記録用品約15,000円=約147,000~164,000円。

上位クラブをそろえる場合や、予備球、テント、ベンチ、救急用品まで用意する場合は20万~40万円以上になることがあります。

年間の維持費

項目 年間目安
ボール・マーカー等の補充 5,000~20,000円
旗・マット・ポストの補修 5,000~20,000円
用具更新積立 10,000~30,000円
保険・協会・クラブ会費 地域、年齢、補償で異なる
施設使用料 無料~年間数万円以上
大会参加費・交通費 参加回数と遠征距離による

10人団体では、施設費と遠征費を除き、消耗品・補修・更新積立として年2万~7万円程度を見込むと管理しやすくなります。

始めるには誰に連絡する?

  1. 公益社団法人日本グラウンド・ゴルフ協会へ、近隣団体について問い合わせる
  2. 都道府県協会から市区町村協会・地域クラブを紹介してもらう
  3. 市町村のスポーツ振興課、教育委員会、スポーツ協会、公民館へ確認する
  4. 公園を使う場合は、公園担当課または指定管理者へ団体利用を相談する

日本協会への会員登録は都道府県協会を通じて行います。最初は用具を借りられる体験会や地域クラブへ参加すると、購入失敗を避けられます。

公園を借りる方法

利用方法 考え方
少人数の短時間利用 自由利用できる広場もあるが、球技・団体利用の掲示を確認
定例練習 団体登録、予約、利用許可を求められる場合がある
8ホールを設営 広範囲を占有するため、事前相談が必要
大会・教室 行為許可、参加者名簿、使用料、安全計画が必要になりやすい
専用・多目的運動場 施設予約システムや窓口で時間枠を確保

公園利用時の注意点

  • 50mホールの先に園路、遊具、駐車車両、住宅がない配置にする
  • 打つ人の前方とクラブの振り幅へ一般利用者を入れない
  • コース横断者がいる場合は打撃を止める
  • スタートマットやホールポストをつまずきの原因にしない
  • 長時間の場所取りや、許可区域外の占有をしない
  • 終了後は用具、マーカー、スコアカード、ごみを回収する
  • 芝生養生、散水、除草、イベントなど管理作業を優先する

雨天時にできる?

雨天でもボールを打つことはできますが、天然芝や土では滑り、転倒、ぬかるみ、芝の剥離が起きやすくなります。雨上がり直後を含め、管理者が閉鎖・利用停止とした場合は使用できません。

屋内人工芝施設や対応体育館なら天候に左右されにくい一方、床面保護、専用マット、施設が認めたホールポストを使う必要があります。雷や強風時は屋外競技を中止します。

日本の競技人口・登録者数

日本グラウンド・ゴルフ協会は、2026年3月31日現在の会員数推移、男女比、年齢構成を公式サイトで公開していますがおそよ10万人程度(2026年時点)。

協会会員数は登録者数であり、未登録で公園や地域サークルに参加する愛好者を含みません。一方、「愛好者人口」は調査方法によって差が出る推計値です。記事では両者を同じ数字として扱わず、最新登録数が必要な場合は日本協会または都道府県協会へ確認してください。

競技の歴史

グラウンド・ゴルフは1982年、当時の鳥取県東伯郡泊村(現在の湯梨浜町)で、文部省の生涯スポーツ活動推進事業の一環として泊村教育委員会を中心に考案されました。高齢化が進む地域で、学校のグラウンドなど身近な場所を使い、「いつでも、どこでも、だれでも」楽しめるスポーツを目指したものです。

開発から約1年後の1983年7月には、泊村、鳥取県、日本の各協会が設立され、全国へ普及しました。「ホールポスト内にボールが静止すること」を「トマリ」と呼ぶのは、発祥地の泊村を後世に残す意味があります。

海外での普及状況

国際組織として国際グラウンド・ゴルフ連盟(IGGF)があり、国際大会や普及活動が行われています。公式資料では、日本のほか韓国、スペイン、スリランカ、米国、中国、フランス、モンゴル、ポーランドなど9か国が紹介されています。ハンガリーの大会情報なども掲載されており、欧州・アジアを中心に活動が広がっています。

国際大会への参加国と、IGGFの正式加盟国・地域は必ずしも同じではありません。最新の加盟状況はIGGF公式情報で確認してください。

公園維持管理者から見た注意点

懸念 対策
芝生の踏圧・裸地化 スタート地点とホール位置を定期的に移動する
長距離打球 50mホールの先に安全余地を設け、必要なら短縮する
ホールポスト固定 杭打ちの可否、散水管・埋設物を確認する
雨天後の芝損傷 含水時の利用停止基準を設ける
除草・散水との競合 管理作業日を団体へ事前共有する
転倒・接触 コースと通行動線を分け、案内表示を置く
常設物の破損 ベンチ、照明、遊具、樹木を打球線から外す

他の公園利用者との関係

慣習的に毎週利用していても、一般公園で競技団体に恒久的な優先権が生じるわけではありません。自由利用の場合は他の利用者と譲り合い、混雑時にはホール数や距離を減らす必要があります。

正規に予約した運動場や、許可を受けた区域・時間帯では予約団体が利用できますが、園路をふさぐ権利や許可区域外まで排他的に使う権利が与えられるわけではありません。

公園でスポーツはどこまでできる?

競技 一般公園での考え方
グラウンド・ゴルフ 低速の専用球だが、長いコースを占有するため団体利用の確認が必要
ゲートボール 比較的小区画だが、ゲート設置と定例利用の許可を確認
サッカー・野球 飛球と広い占有範囲のため、専用施設以外では制限されやすい
ラグビー 接触と芝生負荷が大きく、対応運動場向き
通常のゴルフ練習 硬球とクラブによる重大事故のおそれがあり、一般公園では禁止されることが多い

最終的には都市公園法だけでなく、自治体の条例、現地掲示、公園の広さ、周辺施設、混雑、安全管理方針によって決まります。

まとめ・初心者が最初にやること

  1. 都道府県協会、市町村協会、スポーツ協会へ体験会を問い合わせる
  2. クラブとボールを借り、8ホールまたは短縮コースを体験する
  3. 自分に合うクラブの長さ、重量、左右の打ち方を確認してから購入する
  4. 団体を作る場合は、用具購入前に公園管理者へ予約、設営、安全距離を相談する
  5. スタート位置とホール位置を固定せず、芝生の摩耗を分散する

グラウンド・ゴルフは初心者でも得点を記録しやすく、個人でも大人数でも楽しめます。一方、標準8ホールは広い範囲を使うため、公園で継続する場合は他の利用者、安全な打球方向、芝生保護を含めた運営が必要です。

主な参考資料