自転車の速度を考えるときによく出てくるのが「ギア比」です。ギア比が大きいほど同じケイデンスで速く進めますが、そのぶんペダルは重くなります。この記事では、歯数からギア比を計算し、さらにタイヤ外周とケイデンスを使って理論速度まで求めます。
この記事について:筆者は自転車の専門家や競技経験者ではなく、自転車を楽しみながら勉強している初心者です。初心者の視点から疑問に思ったことを、公開情報・物理法則・計算式をもとに整理しています。計算結果は理論値であり、実際の速度は乗り手の出力、風、路面、タイヤ、空気圧、姿勢などで変わります。
ギア比とは
ギア比は、フロントのチェーンリング歯数をリアのスプロケット歯数で割った値です。
ギア比 = フロント歯数 ÷ リア歯数
例:40Tのチェーンリングと11Tのスプロケットなら、40 ÷ 11 = 3.64です。クランクを1回転させると、理論上リアホイールは約3.64回転します。
ギア比が大きい・小さいとは
ギア比が大きいほど、クランク1回転で車輪が多く回るため高速向きです。一方で、同じ路面抵抗や加速条件なら必要なペダルトルクが増え、重く感じやすくなります。ギア比が小さいほど速度は低くなりますが、坂道や発進で回しやすくなります。
速度の計算方法
タイヤ外周をC[m]、ギア比をG、ケイデンスをR[rpm]とすると、理論速度V[km/h]は次の式で求められます。
速度[km/h] = タイヤ外周[m] × ギア比 × ケイデンス[rpm] × 60 ÷ 1000
ここでは700×32C相当としてタイヤ外周を2.155m、フロント40T、ケイデンス90rpmと仮定します。
40Tでリア11T〜36Tを比較
| リア歯数 | ギア比 | 90rpm時の理論速度 |
|---|---|---|
| 11T | 3.64 | 約42.3km/h |
| 13T | 3.08 | 約35.8km/h |
| 15T | 2.67 | 約31.0km/h |
| 18T | 2.22 | 約25.9km/h |
| 21T | 1.90 | 約22.2km/h |
| 24T | 1.67 | 約19.4km/h |
| 28T | 1.43 | 約16.6km/h |
| 32T | 1.25 | 約14.5km/h |
| 36T | 1.11 | 約12.9km/h |
同じケイデンスなら速度差はギア比に比例する
タイヤ外周とケイデンスが同じなら、速度はギア比にほぼ比例します。たとえば40T×11Tのギア比3.64は、40T×22Tのギア比1.82のちょうど2倍です。そのため理論速度も2倍になります。
40÷11 = 3.64
40÷22 = 1.82
3.64÷1.82 = 2.00
ギア比が高ければ実走でも必ず速いわけではない
高いギア比は「同じ回転数なら速い」という意味であって、自動的に速度が上がるわけではありません。空気抵抗は速度が上がるほど急増し、必要な出力も増えます。高すぎるギアではケイデンスを維持できず、結果として低いギアの方が速く走れることもあります。
登りでは低いギア比が有利
坂道では速度よりも、一定の出力でペダルを回し続けられることが重要です。リア36Tのような大きいスプロケットを使うとギア比が下がり、1回の踏み込みに必要な力を小さくできます。ただし同じケイデンスなら速度も下がります。
タイヤ外周でも速度は変わる
同じギア比とケイデンスでも、タイヤ外周が大きければ1回転で進む距離が増えます。そのため厳密に比較する場合は、700×25C、28C、32Cなどの実際の外周も考慮する必要があります。空気圧やタイヤ銘柄でも実外周はわずかに変わります。
注意:表の速度は駆動系のすべりやタイヤ変形などを無視した理論値です。実走では空気抵抗、転がり抵抗、勾配、風、ライダーの出力が速度を決めます。
まとめ
ギア比は「フロント歯数÷リア歯数」で求められます。ギア比が大きいほど同じケイデンスで高速になり、小さいほど低速で軽く回せます。さらにタイヤ外周とケイデンスを組み合わせれば、理論速度まで計算できます。ギア比は最高速度だけでなく、発進、坂道、巡航のしやすさを考える基本になる数値です。
