- Android Studio Quail 3で「Incompatible Gradle JVM version」が出たときの対処方法
- 今回の環境
- エラーが発生した原因
- まずGradleとJavaの状態を確認する
- 対処方法:Gradle JDKをJava 21へ変更する
- OpenJDK 21が入っていない場合
- 「java -version」は21なのにAndroid Studioでは25になる場合
- 修正後にもう一度Gradleを確認する
- 「Unable to locate a Java Runtime」と表示された場合
- Android Studioに「Apply compatible Gradle JDK configuration and sync」と表示された場合
- どのJDKを選べばよいか
- Gradleを新しいバージョンへ更新する方法もある
- 今回の解決手順まとめ
- ポイントは「Android StudioのJava」と「GradleのJava」を分けて考えること
- 参考情報
Android Studio Quail 3で「Incompatible Gradle JVM version」が出たときの対処方法
Android StudioをQuail 3 | 2026.1.3へアップデートしたところ、
それまでビルドできていたAndroidプロジェクトで、次のエラーが表示されることがありました。
Incompatible Gradle JVM version
The project's Gradle version 8.13 is incompatible with the Gradle JVM version 25 currently selected to run Gradle build.
Gradle 8.13 supports Java versions between 1.8 and 23.
Please update the selected JVM to a compatible version.
今回のケースでは、プロジェクト側のソースコードに問題があったわけではなく、
Gradle 8.13を実行するJVMとしてJava 25が選択されていたことが原因でした。
Android Studioのアップデート後に同じエラーが出た場合は、
Gradle本体をすぐに更新するのではなく、まず
Android StudioでGradleの実行に使用しているJDKを確認すると解決しやすいです。
今回の環境
- OS:macOS(Apple Silicon)
- Android Studio:Quail 3 | 2026.1.3
- Gradle:8.13
- Android Studio付属JetBrains Runtime:Java 25.0.2
- 対処後のGradle JDK:OpenJDK 21
Android Studio Quail 3 | 2026.1.3自体は新しいバージョンですが、
既存プロジェクトで使用していたGradle 8.13はJava 25上での実行に対応していません。
エラーが発生した原因
Android Studioには、IDE自身を動作させるための
JetBrains Runtime(JBR)が同梱されています。
Android StudioをQuail 3へ更新した後、今回の環境ではJBR 25.0.2が利用される状態になっていました。
一方、対象プロジェクトではGradle 8.13を使用していました。
Gradleには、Gradleそのものを実行できるJavaバージョンの範囲があります。
Gradle 8.13はJava 23までであればGradle実行用JVMとして使用できますが、
Java 25でGradle 8.13を実行することはできません。
そのため、次の組合せになったことでエラーが発生しました。
| 項目 | 状態 |
|---|---|
| Gradle | 8.13 |
| Gradleを実行するJVM | Java 25.0.2 |
| 結果 | 互換性がないためGradle Syncに失敗 |
つまり、Android StudioそのものをJava 25で動かすことと、
プロジェクトのGradleをJava 25で動かすことは別の話です。
Android Studioは新しいJBRを使用したままでも、
Gradleだけ互換性のあるJDKで実行することができます。
まずGradleとJavaの状態を確認する
プロジェクトのディレクトリをターミナルで開き、次のコマンドを実行します。
./gradlew --version
今回、Android Studio側の設定を直す前は、次のように表示されていました。
Gradle 8.13
Launcher JVM: 25.0.2
Daemon JVM: /Applications/Android Studio.app/Contents/jbr/Contents/Home
ここでGradle 8.13に対してLauncher JVMが25.0.2になっていることを確認できます。
エラーメッセージの内容と一致しています。
対処方法:Gradle JDKをJava 21へ変更する
既存プロジェクトのGradleやAndroid Gradle Pluginをまとめて更新すると、
別の互換性問題が発生する可能性があります。
今回のように、Android Studio更新前までは正常に動作していたプロジェクトであれば、
まずGradleを実行するJDKだけを互換性のあるものへ変更する方法が簡単です。
今回はOpenJDK 21を使用しました。
Android StudioのGradle JDK設定を開く
macOS版Android Studioでは、次の順に設定画面を開きます。
Android Studio
→ Settings
→ Build, Execution, Deployment
→ Build Tools
→ Gradle
この画面にあるGradle JDKを確認します。
今回のエラー発生時には、次のようなJava 25系の項目が選択されていました。
JAVA_HOME JetBrains Runtime 25.0.2
GRADLE_LOCAL_JAVA_HOME JetBrains Runtime 25.0.2
jbr-25
これらではなく、Java 21のJDKを選択します。
Apple Silicon MacでHomebrewのOpenJDK 21を利用している場合は、
次のパスを選択できます。
/opt/homebrew/opt/openjdk@21/libexec/openjdk.jdk
設定後、Apply → OKを押し、Gradle Syncを行います。
OpenJDK 21が入っていない場合
Homebrewを使用しているMacでは、次のコマンドでOpenJDK 21をインストールできます。
brew install openjdk@21
すでにインストール済みの場合は、次のような表示になります。
Warning: openjdk@21 21.x.x is already installed and up-to-date.
Javaのバージョンは次のコマンドで確認できます。
java -version
正常にJava 21が使用されていれば、おおむね次のように表示されます。
openjdk version "21.x.x"
OpenJDK Runtime Environment Homebrew
OpenJDK 64-Bit Server VM Homebrew
「java -version」は21なのにAndroid Studioでは25になる場合
今回、少し分かりにくかったのがこの状態です。
ターミナルではJava 21が使用されていても、
Android StudioのGradle JDK設定ではJava 25が選択されたままになっている場合があります。
Android StudioからGradleを実行する場合は、
Android Studio側で指定されたGradle JDKが使用されます。
そのため、ターミナルで次のように表示されていても、
Android Studio側の設定が25のままであればエラーが残ることがあります。
java -version
openjdk version "21.x.x"
この場合は、必ずAndroid Studioの
Settings → Build Tools → Gradle → Gradle JDK
を確認してください。
修正後にもう一度Gradleを確認する
JDKを変更した後、プロジェクトのディレクトリで再び次のコマンドを実行します。
./gradlew --version
今回の環境では、修正後に次のようになりました。
Gradle 8.13
Launcher JVM: 21.0.12 (Homebrew 21.0.12)
Daemon JVM: /opt/homebrew/Cellar/openjdk@21/21.0.12/libexec/openjdk.jdk/Contents/Home
Launcher JVMとDaemon JVMがJava 21になっていれば、Gradle 8.13との互換性の問題は解消されています。
「Unable to locate a Java Runtime」と表示された場合
作業途中で、次のようなエラーが表示される場合もあります。
The operation couldn’t be completed. Unable to locate a Java Runtime.
Please visit http://www.java.com for information on installing Java.
また、次のコマンドでもJDKが見つからない場合があります。
/usr/libexec/java_home -V
HomebrewでOpenJDKをインストールしていても、
macOSのJava Virtual Machinesとして認識されていない場合があります。
ただし、Android StudioのGradle JDK設定では、
HomebrewのJDKを直接選択することもできます。
Gradle JDKのプルダウンに次のような項目が表示されていれば、
それを指定する方法が簡単です。
/opt/homebrew/opt/openjdk@21/libexec/openjdk.jdk
Homebrew OpenJDK 21
必要に応じてmacOSへJDKを登録する
Apple Silicon MacでHomebrewのOpenJDK 21をmacOSの標準的なJDK検索でも認識させたい場合は、
Homebrewの案内に従ってJavaVirtualMachines配下へシンボリックリンクを作成できます。
sudo ln -sfn /opt/homebrew/opt/openjdk@21/libexec/openjdk.jdk \
/Library/Java/JavaVirtualMachines/openjdk-21.jdk
その後、次のコマンドで認識状態を確認できます。
/usr/libexec/java_home -V
なお、Intel MacではHomebrewのインストール先が
/usr/localになる場合があるため、実際のインストール先に合わせてください。
Android Studioに「Apply compatible Gradle JDK configuration and sync」と表示された場合
エラー画面には、次のような選択肢が表示されることがあります。
Apply compatible Gradle JDK configuration and sync
Change Gradle JDK configuration
自動設定で適切なJDKが選ばれる環境であれば、
Apply compatible Gradle JDK configuration and syncを使用してもかまいません。
一方、複数のJDKが入っている場合や、
自動設定後もJava 25が選択されてしまう場合は、
Change Gradle JDK configurationからJava 21を明示的に指定した方が確実です。
どのJDKを選べばよいか
Gradle 8.13をそのまま使うのであれば、
Java 25ではなく互換性のあるJDKを使用する必要があります。
| JDK | Gradle 8.13の実行 | 今回の用途 |
|---|---|---|
| Java 17 | 利用可能 | ○ |
| Java 21 | 利用可能 | ◎ 推奨 |
| Java 23 | 利用可能 | ○ |
| Java 24 | Gradle 8.13では実行不可 | × |
| Java 25 | Gradle 8.13では実行不可 | × |
Java 24をGradle実行用JVMとして正式に利用するにはGradle 8.14以降、
Java 25ではGradle 9.1.0以降が必要です。
そのため、古いプロジェクトをAndroid Studioのアップデート後もそのまま動かしたい場合は、
Gradleを大きく更新するよりも、まずJava 21などの互換JDKへ戻す方が影響範囲を小さくできます。
Gradleを新しいバージョンへ更新する方法もある
もう一つの方法は、Java 25に対応するGradleへプロジェクトを更新することです。
ただし、AndroidアプリではGradleだけでなく、
Android Gradle Plugin(AGP)やKotlin、その他のプラグインとの互換性も確認する必要があります。
Android Studio Quail 3 | 2026.1.3は比較的新しいAGPまで対応していますが、
既存プロジェクトを修正する場合は、Gradle、AGP、JDKを一度に変更すると
別のエラーの原因を切り分けにくくなります。
今回のようにAndroid Studioをアップデートした直後に突然発生しただけで、
アップデート前には正常にビルドできていたのであれば、
まずGradle JDKだけをJava 21へ変更するのが分かりやすい対処方法です。
今回の解決手順まとめ
- Android Studio Quail 3へ更新後、「Incompatible Gradle JVM version」が発生。
- プロジェクトはGradle 8.13を使用していた。
- Android Studio側ではGradle JVMとしてJetBrains Runtime 25.0.2が選択されていた。
- OpenJDK 21を用意した。
- Android Studioの「Settings → Build, Execution, Deployment → Build Tools → Gradle」を開いた。
- Gradle JDKをHomebrew OpenJDK 21へ変更した。
- Gradle Syncを実行した。
./gradlew --versionでLauncher JVMとDaemon JVMがJava 21になったことを確認した。
ポイントは「Android StudioのJava」と「GradleのJava」を分けて考えること
今回のトラブルで重要なのは、
Android Studioを動かすJBRと、プロジェクトのGradleを動かすJDKは必ずしも同じである必要はない
という点です。
Android Studio Quail 3がJBR 25で動作していても、
Gradle 8.13をJava 21で実行する構成にできます。
そのため、Android Studioをアップデートした後に
「Gradle JVM versionが互換性を持たない」というエラーが出た場合は、
Gradleやプロジェクトのコードを変更する前に、
Gradle JDKの設定が新しいJBRへ切り替わっていないかを確認するとよいでしょう。
参考情報
- Android Developers「Android Studio Quail 3」
- Android Developers「Android ビルドの Java バージョン」
- Gradle Documentation「Compatibility Matrix」
- Gradle 8.13 Release Notes
Android Studio、Gradle、Android Gradle Plugin、JDKの対応関係は今後変更される可能性があります。
実際に設定を変更する際は、使用している各バージョンの公式ドキュメントも確認してください。
