Android Studioでプロジェクトを開いたときやGradle Sync、ビルドを実行したときに、
「Minimum supported Gradle version is …」
というエラーが表示されることがあります。
このエラーは、現在プロジェクトで使用しているGradleのバージョンが、
Android Gradle Pluginなどが要求する最低バージョンより古い場合に発生します。
特にAndroid StudioやAndroid Gradle Pluginを更新した後や、
古いAndroidプロジェクトを新しい環境で開いた場合に発生することがあります。
この記事では、Android Studioで「Minimum supported Gradle version is …」と表示される主な原因と解決方法を解説します。
- 「Minimum supported Gradle version is」とは
- 主な原因
- エラーメッセージのバージョンを確認する
- gradle-wrapper.propertiesを確認する
- Gradleのバージョンを変更する
- Android Gradle Pluginのバージョンを確認する
- GradleとAndroid Gradle Pluginの組み合わせを確認する
- Android Gradle Pluginだけを更新していないか確認する
- 古いプロジェクトを新しいAndroid Studioで開いた場合
- Android Studioの更新後に発生した場合
- Gradle Wrapperを使用しているか確認する
- 現在のGradleバージョンを確認する
- システムのGradleとGradle Wrapperを混同しない
- gradle-wrapper.propertiesを編集しても変わらない場合
- Gradle Syncを再実行する
- インターネット接続を確認する
- JDKのバージョンも確認する
- Gradle JDKを確認する
- 必要以上にGradleを最新版へ変更しない
- 複数モジュールのプロジェクトを確認する
- 外部プラグインを確認する
- エラー別の確認ポイント
- 解決しない場合の確認手順
- まとめ
「Minimum supported Gradle version is」とは
「Minimum supported Gradle version is …」は、
現在使用しているGradleのバージョンが、
使用しているAndroid Gradle Pluginなどに対して古すぎる場合に表示されるエラーです。
例えば、次のようなエラーが表示されることがあります。
Minimum supported Gradle version is 8.7. Current version is 8.5.
この場合は、
最低でもGradle 8.7が必要ですが、
現在のプロジェクトではGradle 8.5が使用されていることを示しています。
基本的には、
プロジェクトで使用するGradleのバージョンを、
Android Gradle Pluginが対応しているバージョンへ変更する必要があります。
主な原因
Android Studioで「Minimum supported Gradle version is …」が発生する主な原因には、
次のようなものがあります。
- Gradleのバージョンが古い
- Android Gradle Pluginだけを新しいバージョンへ更新した
- Android Studioの更新後にAndroid Gradle Pluginが更新された
- 古いAndroidプロジェクトを新しいAndroid Studioで開いた
gradle-wrapper.propertiesに古いGradleバージョンが指定されている- GradleとAndroid Gradle Pluginの組み合わせが合っていない
- 複数のGradle設定が混在している
- Gradle Wrapperではなく別のGradleを使用している
ポイント:
「Minimum supported Gradle version is …」では、
エラーメッセージ内に必要な最低Gradleバージョンと、
現在使用しているGradleバージョンが表示されることがあります。
まずこの2つのバージョンを確認します。
エラーメッセージのバージョンを確認する
最初に、
エラーメッセージに表示されているGradleのバージョンを確認します。
Minimum supported Gradle version is 8.7. Current version is 8.5.
この例では、
必要な最低バージョンが8.7、
現在のバージョンが8.5です。
そのため、
Gradleを8.7以上の対応バージョンへ変更する必要があります。
gradle-wrapper.propertiesを確認する
AndroidプロジェクトでGradle Wrapperを使用している場合は、
次のファイルを確認します。
gradle/wrapper/gradle-wrapper.properties
このファイル内の
distributionUrl
に、使用するGradleのバージョンが記載されています。
distributionUrl=https\://services.gradle.org/distributions/gradle-8.5-bin.zip
この例ではGradle 8.5が使用されます。
エラーでGradle 8.7以上が必要と表示されている場合は、
対応するバージョンへ変更します。
Gradleのバージョンを変更する
Gradle Wrapperを使用している場合は、
gradle-wrapper.properties
のdistributionUrlを変更します。
例えば、Gradle 8.7へ変更する場合は次のようにします。
distributionUrl=https\://services.gradle.org/distributions/gradle-8.7-bin.zip
変更後はGradle Syncを再実行します。
Android Gradle Pluginのバージョンを確認する
Gradleの必要バージョンは、
使用しているAndroid Gradle Pluginのバージョンと関係しています。
プロジェクトによっては、
次のようにAndroid Gradle Pluginのバージョンが設定されています。
plugins {
id("com.android.application") version "8.5.0" apply false
}
また、古いプロジェクトでは次のような形式で設定されている場合があります。
classpath 'com.android.tools.build:gradle:8.5.0'
Android Gradle Pluginには対応するGradleバージョンがあるため、
Android Gradle Pluginだけを更新すると、
古いGradleでは動作しなくなる場合があります。
GradleとAndroid Gradle Pluginの組み合わせを確認する
GradleとAndroid Gradle Pluginは、
どのバージョンでも自由に組み合わせられるわけではありません。
Android Gradle Pluginのバージョンによって、
対応するGradleの最低バージョンなどが決まっています。
そのため、
「Minimum supported Gradle version is …」が表示された場合は、
GradleだけでなくAndroid Gradle Pluginのバージョンも確認します。
注意:
エラーに表示された最低Gradleバージョン以上であれば、
どのGradleバージョンでも必ず使用できるとは限りません。
使用しているAndroid Gradle Pluginに対応したGradleバージョンを選択します。
Android Gradle Pluginだけを更新していないか確認する
Android Gradle Pluginだけを新しいバージョンへ変更すると、
Gradle側が古いまま残る場合があります。
例えば、
Android Gradle Pluginを更新している一方で、
gradle-wrapper.propertiesが古いGradleを指定している場合です。
この場合は、
Android Gradle PluginとGradleの両方のバージョンを確認し、
対応する組み合わせへ変更します。
古いプロジェクトを新しいAndroid Studioで開いた場合
古いAndroid Studioで作成されたプロジェクトでは、
古いGradleやAndroid Gradle Pluginが使用されている場合があります。
そのプロジェクトを新しいAndroid Studioで開き、
一部の設定だけを更新すると、
GradleとAndroid Gradle Pluginの組み合わせが合わなくなる場合があります。
古いプロジェクトを更新する場合は、
Gradle、
Android Gradle Plugin、
JDKなどの対応関係を確認しながら変更します。
Android Studioの更新後に発生した場合
Android Studioを新しいバージョンへ更新した後に、
プロジェクトのAndroid Gradle Plugin更新を案内されることがあります。
Android Gradle Pluginを更新した結果、
それまで使用していたGradleが最低要件を満たさなくなり、
「Minimum supported Gradle version is …」が発生する場合があります。
この場合は、
Android Gradle Pluginの変更内容とGradle Wrapperのバージョンを確認します。
Gradle Wrapperを使用しているか確認する
Androidプロジェクトでは、
通常Gradle Wrapperを使用してGradleのバージョンをプロジェクトごとに管理します。
プロジェクト内には、次のようなファイルが存在します。
gradlewgradlew.batgradle/wrapper/gradle-wrapper.properties
Gradle Wrapperを使用している場合は、
システム全体にインストールされているGradleではなく、
gradle-wrapper.propertiesに指定されたGradleが使用されます。
現在のGradleバージョンを確認する
TerminalからGradle Wrapperを使用して、
現在のGradleバージョンを確認できます。
./gradlew --version
Windowsでは、環境によって次のように実行します。
gradlew.bat --version
表示されたGradleバージョンが、
エラーに示されている最低バージョンを満たしているか確認します。
システムのGradleとGradle Wrapperを混同しない
PCにGradleを別途インストールしている場合、
Terminalで単純にgradleを実行すると、
プロジェクトのGradle Wrapperとは異なるバージョンが使用されることがあります。
gradle --version
と、
./gradlew --version
では、異なるGradleバージョンが表示される場合があります。
Androidプロジェクトでは、
プロジェクトのGradle Wrapperの設定を基準に確認します。
gradle-wrapper.propertiesを編集しても変わらない場合
gradle-wrapper.propertiesを変更しても、
Android Studio上で以前のエラーが残る場合があります。
変更後はGradle Syncを実行し、
新しいGradleディストリビューションが取得されるか確認します。
必要に応じてAndroid Studioを再起動してから、
再度Gradle Syncを実行します。
Gradle Syncを再実行する
Gradleのバージョンを変更した後は、
Gradle Syncを再実行します。
Android Studioから
Sync Project with Gradle Files
などを実行します。
新しいGradleが必要な場合は、
初回のSync時にダウンロードされることがあります。
インターネット接続を確認する
Gradle Wrapperのバージョンを変更すると、
指定したGradleディストリビューションをインターネットから取得する場合があります。
インターネット接続に問題があると、
Gradleのバージョンを正しく変更しても、
必要なGradleを取得できない場合があります。
Gradle更新後に別のダウンロードエラーが表示される場合は、
ネットワーク接続も確認します。
JDKのバージョンも確認する
Gradleを新しいバージョンへ変更すると、
使用しているJDKとの組み合わせによって別のエラーが発生する場合があります。
Gradleの最低バージョンに関するエラーを解決した後、
JDK関連のエラーが表示される場合は、
Android Gradle Plugin、
Gradle、
JDKの組み合わせを確認します。
例えば、次のようなエラーが表示されることがあります。
Unsupported class file major version
Gradle JDKを確認する
Android Studioでは、
Gradleが使用するJDKを設定できます。
Gradleを更新した後に別の互換性エラーが発生した場合は、
Android Studioで選択されているGradle JDKを確認します。
使用しているAndroid Gradle PluginやGradleに対応したJDKが選択されているか確認します。
必要以上にGradleを最新版へ変更しない
「Minimum supported Gradle version is 8.7」と表示された場合に、
必ずしもGradleを最新バージョンまで更新する必要はありません。
必要なのは、
使用しているAndroid Gradle Pluginに対応したGradleバージョンへ変更することです。
必要以上に新しいGradleへ変更すると、
逆にAndroid Gradle Pluginや他のプラグインとの互換性問題が発生する場合があります。
複数モジュールのプロジェクトを確認する
複数モジュールを含むプロジェクトでは、
各モジュールが共通のGradle環境を使用していても、
使用しているプラグインなどによって互換性問題が発生することがあります。
エラーに特定のモジュールやプラグイン名が表示されている場合は、
そのモジュールで使用しているプラグインのバージョンも確認します。
外部プラグインを確認する
Android Gradle Plugin以外のGradleプラグインが、
特定のGradleバージョン以上を要求する場合もあります。
エラーメッセージの前後に、
Android Gradle Plugin以外のプラグイン名が表示されている場合は、
そのプラグインの対応Gradleバージョンも確認します。
エラー別の確認ポイント
Gradleのバージョンに関するエラーによって、
確認すべき場所をある程度絞り込むことができます。
| 表示される内容 | 主な確認ポイント |
|---|---|
| Minimum supported Gradle version is … | Gradle Wrapper、Android Gradle Plugin |
| Current version is … | 現在使用しているGradleのバージョン |
| Unsupported class file major version | Gradle、JDK、Android Gradle Plugin |
| Plugin requires a newer version of Gradle | Gradle、対象プラグイン |
| Gradle sync failed | 詳細エラー、Gradleとプラグインの互換性 |
解決しない場合の確認手順
原因が分からない場合は、
次の順番で確認すると問題を切り分けやすくなります。
- 「Minimum supported Gradle version is …」のエラー全文を確認する
- 必要な最低Gradleバージョンを確認する
- 現在使用しているGradleバージョンを確認する
gradle/wrapper/gradle-wrapper.propertiesを確認するdistributionUrlに指定されているGradleバージョンを確認する- Android Gradle Pluginのバージョンを確認する
- GradleとAndroid Gradle Pluginの対応関係を確認する
- 対応するGradleバージョンへ変更する
- Gradle Syncを再実行する
./gradlew --versionなどで実際のGradleバージョンを確認する- システムのGradleとGradle Wrapperを混同していないか確認する
- 必要に応じてGradle JDKを確認する
- 外部Gradleプラグインのバージョンも確認する
- 必要に応じてAndroid Studioを再起動する
重要:
「Minimum supported Gradle version is …」が表示された場合は、
単純にGradleを最新版へ更新するのではなく、
使用しているAndroid Gradle Pluginやその他のプラグインに対応したGradleバージョンへ変更することが重要です。
まとめ
Android Studioの
「Minimum supported Gradle version is …」
は、
現在使用しているGradleのバージョンが、
Android Gradle Pluginなどが要求する最低バージョンを満たしていない場合に表示されるエラーです。
特にAndroid Gradle Pluginを更新した場合や、
古いAndroidプロジェクトを新しいAndroid Studioで開いた場合に発生することがあります。
まずエラーメッセージに表示されている必要なGradleバージョンと現在のGradleバージョンを確認し、
gradle/wrapper/gradle-wrapper.propertiesの
distributionUrlを確認します。
そのうえで、
Android Gradle Pluginとの対応関係を確認しながら適切なGradleバージョンへ変更し、
Gradle Syncを再実行すると原因を効率よく解消できます。
