クレーン・デリックの原動機及び電気に関する知識のポイント

 クレーンデリック運転士(クレーンデリックうんてんし)は、日本において、労働安全衛生法に定められた国家資格(免許)の一つです。このページはりすさんが作成した試験問題アプリ、りすさんシリーズの紹介と試験に出題された項目をまとめたページです。
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目次
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この1冊で決める!!クレーン・デリック運転士テキスト&問題集 (SHINSEI LICENSE MANUAL)

原動機及びデリックに関する知識

給電装置

 トロリ線の材料には、溝付硬銅トロリ線、平銅バー、レールなどが用いられる。

 トロリ線に接触する集電子には、ホイール又はシューが用いられている。

 トロリ線に接触する集電子は、クレーン本体から絶縁する必要があるため、碍子などの絶縁物を介してクレーン本体に取り付けられる。 

 トロリ線給電には、取付け方法によりイヤー式とすくい上げ式がある

 イヤー式トロリ線は、碍子を介して建家に取り付けられる。

 イヤー式トロリ線給電は、トロリ線の充電部が露出しており、設置する場所によっては感電する危険がある。

 絶縁トロリ線方式給電は、すその開いた絶縁物で被覆したトロリ線を用い、その間を集電子がしゅう動して集電する方式である。

 絶縁トロリ線方式の給電は、裸のトロリ線方式に比べ安全性が高い。

 すくい上げ式トロリ線給電は、小容量の屋内天井クレーンに用いられることが多い

 旋回体への給電には、スリップリングを用いた給電方式が採用されている。

 スリップリングは、リングと集電ブラシで構成され、リングの材質には一般に砲金が用いられる。

 スリップリングの機構には、集電ブラシがリング面上をしゅう動して集電するものがある。

 旋回体やケーブル巻取式などの回転部分への給電には、スリップリングが用いられる

 ケーブル巻取式給電は、ぜんまいばね又は電動機を動力としてキャブタイヤケーブルを巻き取る給電方式で、スリップリングを用いる方式である

 集電装置は、トロリ線から電力を取り込む部分で、トロリ線の取付け方式に応じてパンタグラフ、固定形などが用いられる。

 パンタグラフのホイールやシューの材質には、砲金、カーボン、特殊合金などが用いられる。

 爆発性のガスや粉じんが発生するおそれのある場所では、キャブタイヤケーブルを用いた防爆構造の給電方式が用いられる。

 キャブタイヤケーブル給電は、露出した充電部がなく、安全性が高い

 キャブタイヤケーブルは、導体に細い素線を使い、これを多数よりあわせており、外装被覆も厚く丈夫に作られているので、伸縮、屈曲を繰り返す用途に適している。

 ホイールやシューの材質には、砲金、カーボン、特殊合金などが用いられる。  

 クレーンの内部配線は、外部からの損傷や日光の直射を防ぐため、一般に絶縁電線を金属管等の電線管又は金属ダクト内に収めている。
 

感電災害及びその防止

 汗をかいたり、水にぬれているときは、感電する危険性が高くなる。

 電気火傷は、皮膚の深くまで及ぶことがあり、外見に比べ重傷であることが多い。

 接地線は、十分な太さのものを使用する。

 感電した者の救出は、電源スイッチを切るなどによりその者を電気回路から切り離してから行う。

 感電による傷害の程度は、人体を流れる電流の大きさと通電時間が大きく関係する

電動機の始動方法又は速度制御方式

 かご形三相誘導電動機の緩始動には、リアクトル等による電気的な方法と、流体継手等を用いる機械的な方法がある。

 巻線形三相誘導電動機は、荷の巻上げや走行、横行のときは、二次抵抗の加減によって、ある程度速度制御ができる。

 巻線形三相誘導電動機の電動油圧押上機ブレーキ制御は、機械的な摩擦力を利用して速度制御するため、ブレーキドラムが過熱することがある。

 巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、荷の巻下げ時の低速を得る電気ブレーキで、電動油圧押上機ブレーキのブレーキライニングのような消耗部分がない。

 巻線形三相誘導電動機のダイナミックブレーキ制御は、電動機一次側を直流励磁して制動する方式で、つり荷が軽い場合には低速での巻下げができない

電気

 直流は、常に一定の方向に電流が流れる。 

 直流は、電流の方向と大きさが一定であるが、電圧を変圧器によって変えることはできない

 直流は、乾電池やバッテリーから得られるほか、シリコン整流器等により交流を整流しても得られる。

 交流は、整流器で直流に変換できるが、得られた直流は完全に平滑ではなく、脈流と呼ばれる。

 交流はAC、直流はDCと表される。

 交流の周波数の単位はHzで、1秒間に電流や電圧の波形の変化が周期的に繰り返される数を示す。

 交流用の電圧計や電流計の計測値は、電圧や電流の実効値を示している。

 交流は、電流及び電圧の大きさ及び方向が周期的に変化する。

 電力会社から供給される交流電力の周波数は、おおむね東日本では50Hz、西日本では60Hzである。

 三相交流は、主に工場などの生産設備の動力用電源に使用されている。

 発電所から変電所までは、特別高圧で送電されている。

 工場の動力用電源には、一般に200V級又は400V級の三相交流が使用されている

 シリコン整流器等により交流を整流して得られる直流は、完全には平滑でないので脈流という。 

 電動機は、電気エネルギーを機械力に変換する機能を持っている。

 家庭の電灯や電化製品には、単相交流が使用されている。
 
電圧、電流、抵抗又は電力

 抵抗を並列につないだときの合成抵抗の値は、個々の抵抗の値のどれよりも小さい。

 回路の抵抗が同じ場合、回路に流れる電流が大きいほど回路が消費する電力は大きくなる。

 回路の抵抗は、回路にかかる電圧を回路に流れる電流で除して求められる。

 回路に流れる電流の大きさは、回路にかかる電圧に比例し、回路の抵抗に反比例する。

 回路の抵抗は、回路の電圧を回路に流れる電流で除して求められる。

 抵抗の単位はオーム(Ω)で、1,000,000Ωは1MΩと表すことがある

 抵抗を並列につないだときの合成抵抗の値は、個々の抵抗の値のどれよりも小さい。

 抵抗に電流が流れたときに発生する熱をジュール熱という。

 抵抗を並列につないだときの合成抵抗の値は、個々の抵抗の値のどれよりも小さい。  

 電力を表す単位は、ワット(W)である。 回路が消費する電力は、回路にかかる電圧と回路に流れる電流の積で求められる。

 同じ物質の導体の場合、抵抗の値は、長さに比例し、断面積に反比例する。

 同じ物質の導体の場合、長さが2倍になると抵抗の値は2倍になり、断面積が2倍になると抵抗の値は1/2倍になる。

 電流の単位はアンペア(A)、電圧の単位はボルト(V)、電力の単位はワット(W)である。

 抵抗の単位はオーム(Ω)で、1000000Ωは1MΩと表すことがある

電気の導体、絶縁体又はスパーク

 黒鉛は、電気の導体である。 空気は、電気の絶縁体である。

 黒鉛は導体、シリコンは半導体、セラミックは絶縁体である

 ナイフスイッチの開閉は、スパークの発生につながるので迅速に行う。

 ナイフスイッチは、入れるときよりも切るときの方がスパークが大きいので、切るときはできるだけスイッチに近づかないようにして行う。

 スパークにより火花となって飛んだ粉は、絶縁体を劣化させて、漏電や短絡の原因になる。

 スパークは、回路にかかる電圧が高いほど大きくなり、その熱で接点の溶損や焼付きを発生させることがある。

 絶縁体は、湿気を帯びたり、日光、風雨などにより変質したり、外部からの損傷を受けることなどにより劣化する

 絶縁体の表面が、カーボンや銅の粉末などのような導電性の物で汚損すると、絶縁の劣化の原因となる。 

 ポリエチレン樹脂は、電気の絶縁体である。

 アルミニウム、銅及びニクロム線は、電気の導体である。

 絶縁抵抗は、メガーを用いて測定する。

 電動機のスリップリングとブラシの間のしゅう動面は、汚れたり、荒れたりしているとスパークが発生しやすい。

 ゴムは、電気の絶縁体である。

 磁器は、電気の絶縁体である

 アルミニウムは、電気の導体である。
 
 黒鉛は、電気の導体である

電気機器の故障の原因、電気計器の使用方法

 電動機が振動する場合の原因の一つとして、軸受が摩耗していることがあげられる。

 過電流継電器が作動する場合の原因の一つとして、負荷が大き過ぎることがあげられる。

 電流計は、測定する回路に直列に接続して測定する。

 回路計(テスター)は、正確な値を測定するため、あらかじめ調整ねじで指針を「0」に合わせておく。

 電源側の配線が断線している場合は、通電がないため電動機は起動しない

電動機

 クレーンのように始動、停止、正転、逆転を頻繁に繰り返す用途には、巻線形三相誘導電動機が多く用いられている。

 クレーンでは特殊な場合を除き、ほとんど三相誘導電動機が用いられている。

 三相誘導電動機の回転子は、負荷がかかると同期速度より2~5%程度遅く回転する。

 三相誘導電動機の回転子の構造は、かご形では太い導線(バー)がかご形に配置され、巻線形では巻線になっている

 三相誘導電動機の同期速度は、極数が多いほど遅くなる

 三相誘導電動機は、広く一般産業用に用いられている。 

  三相誘導電動機の回転子は、固定子に三相交流を流すと生じる回転磁界により回転する。

 同期速度が毎分1000回転の三相誘導電動機の回転子は、滑りが5%のとき、毎分950回転で回転する。

 直流電動機では、回転子に給電するために整流子が使用される。 

 直流電動機は、一般に速度制御性能が優れているが、整流子及びブラシの保守が必要である。

 直流電動機では、固定子を界磁、回転子を電機子と呼ぶ

 直流電動機は、一般に速度制御性能が優れているため、コンテナクレーン、アンローダ等に用いられている。 

 巻線形三相誘導電動機では、固定子側を一次側、回転子側を二次側と呼ぶ。

 巻線形三相誘導電動機では、固定子側を一次側、回転子側を二次側と呼ぶ。

 巻線形三相誘導電動機は、回転子も巻線になっており、スリップリングを通して外部抵抗と接続される。 

 かご形三相誘導電動機は、インバーター制御を採用することで比較的大容量のクレーンにも用いられる。

 かご形三相誘導電動機の回転子は、鉄心のまわりに太い導体がかご形に配置された簡単な構造である。 

電動機の制御

 直接制御は、容量の大きな電動機ではハンドル操作が重くなるので使用できない。

 直接制御は、電動機の主回路を制御器の内部接点で直接開閉する方式で、間接制御に比べ、制御器のハンドル操作が重く、運転者の疲労が大きい。

 間接制御は、直接制御に比べ、ハンドル操作は軽く自動運転や速度制御がしやすい

 間接制御は、電動機の主回路に挿入した電磁接触器が主回路の開閉を行い、制御器はその電磁接触器の電磁コイル回路を開閉する方式である。

 間接制御は、直接制御に比べ、制御器は小型軽量であるが、設備費が高い。

 間接制御では、加速・減速を自動的に行う回路を組み込み、急激なハンドル操作でも電動機に対する悪影響を少なくすることができる。

 巻線形三相誘導電動機の半間接制御は、電流の多い一次側を電磁接触器で制御し、電流の比較的少ない二次側を直接制御器で制御する方式である。 

 巻線形三相誘導電動機の半間接制御は、一次側を間接制御、二次側を直接制御によって行う。

 三相誘導電動機の電源の3相のうち2相を入れ替えると、回転方向が変わる。

 コースチングノッチは、制御器の第1ノッチに設けられ、ブレーキにのみ通電してブレーキを緩めるようになっているノッチである。

 操作用制御器の第1ノッチとして設けられるコースチングノッチは、停止時の衝撃や荷振れを防ぐのに有効なノッチである。

 ゼロノッチインターロックは、各制御器のハンドルが停止位置以外にあるときは、主電磁接触器を投入できないようにしたものである。

 半間接制御は、巻線形三相誘導電動機の一次側を電磁接触器で制御し、二次側を直接制御器で制御する方式である

クレーンの電動機の付属機器

 カム形制御器は、カム周辺に固定されたスイッチにより電磁接触器の操作回路を開閉する間接制御器である。

 抵抗器は、運転中に350℃程度まで温度が上昇することがあるので、その近くに可燃物を置かない。

 無線操作用の制御器には、切り換え開閉器により、機上運転に切り換えることができる機能をもつものがある。

 クレーンの運転終了時は、主電磁接触器を開き、次に共用保護盤の主配線用遮断器を開く。

 エンコーダー型制御器は、ハンドル位置を連続的に検出し、電動機の主回路を間接開閉する間接制御器である

 間接制御器には、カム形制御器やエンコーダー型制御器がある。

 クランクハンドル式の制御器は、操作ハンドルを水平方向に回して操作する構造である。

 無線操作用の制御器には、押しボタン式とハンドル操作式とがある。

 抵抗器は、特殊鉄板を打ち抜いたもの又は鋳鉄製の抵抗体を絶縁ロッドで締め付け、格子状に組み立てたものである。

 ユニバーサル制御器は、1本の操作ハンドルで前後左右に操作することにより、2個の制御器を同時に又は単独で操作できる構造にしたものである

接地(アース)

 天井クレーンは、走行車輪を経て走行レールに接触しているため、走行レールが接地されている場合にはクレーンは接地されていることになる。

 接地線は、十分な太さのものを使用する。

 電動機の外被などが接地されていると、漏電した電流は接地した方へ流れる。

 接地は、漏電している電気機器のフレームなどに人が接触したとき、感電による傷害を小さくする効果がある。

 接地抵抗は、小さいほどよい。接地抵抗が大きいと、大地に対しての導電性が悪くなり、接地効果が薄れる

電動機の速度制御方式

 巻線形三相誘導電動機の電動油圧押上機ブレーキ制御は、電動油圧押上機ブレーキの制動力を利用し、巻下げ時の電動機の回転速度が速くなれば制動力が大きく、遅くなれば制動力が小さくなるように制御を行う。

 かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、電動機に供給する電源の周波数や電圧を変えることにより速度制御を行う。

 巻線形三相誘導電動機のダイナミックブレーキ制御は、電動機の一次側を交流電源から切り離して、一次側に直流励磁を加えて速度制御を行う。

 かご形三相誘導電動機では、緩始動を行う機械的な方法として流体継手を使用する方法がある。

 巻線形三相誘導電動機の外部抵抗による速度制御は、回転子(二次側)の巻線に外部抵抗器を接続し、抵抗値を変化させて行う

電気機器の故障の原因

 電動機がうなるが起動しない場合の原因の一つとして、ブレーキが開放しないことがあげられる。

 電動機が振動する場合の原因の一つとして、締付けボルトに緩みがあることがあげられる。

 集電装置に激しい火花が発生する場合の原因の一つとして、トロリ線にうねりがあることがあげられる。

 過電流継電器が作動する場合の原因の一つとして、インチング運転の頻度が大きいことがあげられる。

 電源側の配線が断線している場合は、通電がないため電動機は起動しない

電動機の速度制御方式

 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、走行、旋回、巻上げ等の速度制御に用いられるが、巻下げの速度制御ではこの方法と他の速度制御方式とを組み合わせて用いられる。

 巻線形三相誘導電動機のダイナミックブレーキ制御は、つり荷が軽いか又は全くない場合には、低速では巻下げができない。

 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、電動機の回転子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変えることにより速度制御を行う方式である。

 巻線形三相誘導電動機の電動油圧押上機ブレーキ制御は、電動油圧押上機ブレーキの制動力を制御して巻下げ時の低速を得る方式である。

 かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、インバーター装置を利用して電動機電源の周波数や電圧を変換し、速度制御を行うもので、VVVF制御とも呼ばれる。

 かご形三相誘導電動機を用いる巻上装置の始動を行うときは、通常、全電圧始動を行う。

 かご形三相誘導電動機では、極数変換により速度制御を行う場合は、速度比2 間接制御では、加速・減速を自動的に行う回路を組み込み、急激なハンドル操作でも電動機に対する悪影響を少なくすることができる。

 かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、電動機に供給する電源の周波数を変えて速度制御を行う方式である

 直流電動機のサイリスターレオナード制御は、サイリスター装置により交流電源を直流電源に変換する可変電圧制御方式である

クレーンの電動機の付属機器

 間接制御器には、カム形制御器やエンコーダー型制御器がある。

 クランクハンドル式の制御器は、操作ハンドルを水平方向に回して操作する構造である。

 無線操作用の制御器には、押しボタン式とハンドル操作式とがある。

 抵抗器は、特殊鉄板を打ち抜いたもの又は鋳鉄製の抵抗体を絶縁ロッドで締め付け、組み立てたものである。

 ユニバーサル制御器は、1本の操作ハンドルで前後左右に操作することにより、2個の制御器を同時に又は単独で操作できる構造にしたものである

感電災害及びその防止

 100V以下の低圧であっても、感電によって人体を流れる電流が大きいと死亡することがある。

 感電防止のために、肌を出さない服装にし、清潔で乾いた衣服、ゴム手袋、ゴム底の靴を着用する。

 接地は、漏電している電気機器のフレームなどに人が接触したとき、感電による傷害を小さくする効果がある。

 感電災害には、電圧の高い送電線に近づいた場合に放電により発生するものがある。

 感電による危険を電流と時間の積によって評価する場合、一般に50ミリアンペア秒をもって安全限界としている

電気機器の故障の原因、電気計器の使用方法

 電動機が始動した後、回転数が上がらない場合の原因の一つとして、電源の電圧降下が大きいことがあげられる。

 電磁ブレーキのコイルが過熱する場合の原因の一つとして、鉄心を完全に吸着しないことがあげられる。

 電流計は測定する回路に直列に接続し、電圧計は測定する回路に並列に接続する。

 大電流を測定する場合、交流では変流器を使用して電流を測定する。

 過電流継電器が作動する場合の原因として、負荷が大きすぎる、インチング運転の頻度が高い、回路が短絡していることなどがあげられる

かご形三相誘導電動機の説明

 回転子は、鉄心のまわりに太い導線(バー)がかご形に配置された簡単な構造である。

 巻線形三相誘導電動機に比べて簡単な構造であり、故障が少なく取扱いも容易である。

 二次側には、スリップリングはない。

 露出導電部がないので、粉じん濃度がある程度高い環境でも使用できる。

 回転子は、固定子側の回転磁界により回転するが、同期速度より2~5%程度遅く回転する性質がある

クレーンの電動機の付属機器

 カム形制御器は、カム周辺に固定されたスイッチにより電磁接触器の操作回路を開閉する間接制御器である。

 ユニバーサル制御器は、一つのハンドルを前後左右や斜めに操作できるようにしたもので、二つの制御器を同時に又は単独で操作できる構造になっている。

 共用保護盤は、外部より供給された電力を各制御盤へ配電することを主目的とし、各電動機やその回路を保護するための装置をひとまとめにしたものである。

 配線用遮断器は、通常の負荷電流の開閉のほか、過負荷、短絡などの際には、自動的に回路の遮断を行う機器である。

 エンコーダー型制御器は、ハンドル位置を連続的に検出できる間接制御器である。

電気機器の故障の状態とその原因

 集電装置の火花が激しい—–シューの接触圧力が弱い

 電動機が全く起動しない—–端子の外れ

 電動機がうなるが起動しない—-ブレーキが開放しないことがあげられる。

 電動機が振動する—–締付けボルトのゆるみ

 過電流継電器が作動する—–負荷が過大

 過電流継電器が作動す集電装置に激しい火花が発生する—-トロリ線に曲がり・うねりがある

感電災害及びその防止

 汗をかいたり、水にぬれているときは、感電の危険性は高くなる。

 電気火傷は、皮膚の深くまで及ぶことがあり、外見に比べ重傷であることが多い。

 接地は、漏電している電気機器のフレームなどに人が接触したとき、感電による傷害を少なくする効果がある。

 機器の絶縁性能の劣化やコードの機器引込み部の絶縁被覆の損傷の有無について、常に点検整備を怠らないようにする。

 100V以下の低圧であっても、感電によって人体を流れる電流が大きいと死亡することがある

クレーンの電動機の付属機器

 間接制御器には、カム形制御器やエンコーダー型制御器がある。

 クランクハンドル式の制御器は、操作ハンドルを水平方向に回して操作する構造である。

 無線操作用の制御器には、押しボタン式とハンドル操作式とがある。

 抵抗器は、特殊鉄板を打ち抜いたもの又は鋳鉄製の抵抗体を絶縁ロッドで締め付け、組み立てたものである。

 押しボタンスイッチは、間接制御器の一種であり、電動機の正転と逆転のボタンを同時に押せない構造となっているものが多い

巻線形三相誘導電動機の速度制御方式

 電動油圧押上機ブレーキ制御は、電動油圧押上機ブレーキの制動力を利用し、巻下げ時の電動機の回転速度が速くなれば制動力を大きく、速度が遅くなれば制動力が小さくなるように制御を行う。

 渦電流ブレーキ制御は、電動機に渦電流ブレーキを連結して用いられる電気的なブレーキであり、ブレーキライニングのような消耗部分がなく、制御性も優れている。

 ダイナミックブレーキ制御は、電動機の一次側を交流電源から切り離して、一次側に直流励磁を加えて速度制御を行う。

 サイリスター一次電圧制御は、電動機の回転数を検出し、指定された速度と比較しながら制御するため、きわめて安定した速度が得られる。

 二次抵抗制御は、電動機の回転子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変えて速度制御を行うもので、二次抵抗制御のみでは巻下げの速度制御はできないが、巻上げの速度制御はできる

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